2011年02月19日

必読本 第958冊目 鍵山秀三郎の流儀―エピソードで綴る

必読本 第958冊目

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鍵山秀三郎の流儀―エピソードで綴る

亀井 民治(著)

¥ 1,365

PHP研究所

単行本: 247ページ

2011年1月7日 初版



●常に笑顔を絶やさず、裏方で働く人たちに心を砕く。

言葉遣いに細心の注意を払い、誰にでも礼を尽くす。

出逢いを大切にし、理由を聞かずに資金を融資する。

常人には真似のできないような生き方を貫いてきた

「掃除の神様」の素顔から哲学までを網羅した書。

●本社は、イエローハット創業者鍵山秀三郎さん関係の書としては一風変わった本。

氏の本の編著者として、満17年もの間、

公私にわたって薫陶を受けてきた亀井民治さんが、

実際に見聞きした、氏にまつわる感動的なエピソード、

心温まる物語を一冊にまとめた本です。

●内容としては、鍵山さん自らの本では

ほとんど触れられないような知られざる素顔(ガチガチの真面目人間と思われることの多い

鍵山さんが、意外なことにユーモアを吐くことが多い。

又、著書ではほぼ出ることのない鍵山さんの奥様が写真付きで何度も

登場されるのが特筆される)、

氏の掃除哲学に出合って、人生が一変した人々のエピソード、

自分で書くと自慢めいた話になるので、今まで公にしなかった感動の秘話など、

鍵山さんの長年のファンでも初めて知るような貴重なエピソードが多く、

読むたびごとに引き込まれます。

●個人的に最も感銘を受けたのは、

2005年5月の連休明けに甲状腺ガンの手術を受けた後

(頑健な体が自慢だった氏にとって、人生初めての入院と手術だった)、

わずか5日後にして、早朝の掃除を再開したという話である。

手術が無事に成功し、予後良好だったとはいえ、

71歳の老体にして、体に過大な負担のかかる全身麻酔手術を

受けてから、1週間もたたず、街頭掃除を復活させたのである!!

普通の感覚だったら、少なくとも1か月ぐらいは、

無茶なことをせず、自宅で安静にしているのが当たり前である。

鍵山さんの掃除に対する思い入れの強さ、

常人ではとても真似ができない凡事徹底の精神に頭が下がる。

●他にも、鍵山さんの、一人間としても、一人の経営者としても、

その器の大きさ、人や物に対する愛情の深さを

思い知らされるエピソードには事欠かない。

特に、ほとんど返済されないのが予想されるにもかかわらず、

経営危機に直面している知り合いの中小経営者に

気前よく資金援助を惜しまないという話には、

胸に熱いものさえ込み上げてくる

(詳しくは述べられていないが、氏が援助したにもかかわらず、

今まで債務不履行になってしまったお金は、

それこそ何十億円という規模になると予想される。

そして、それに関して恨みがましい思いをほとんど持たれない。

お金に関しての思いを述べた近著(必読本第949冊目参照)と読み比べてみるのも一興)。

●他に是非記しておきたいことは、

氏の本の中では匿名でサラリとしか触れられていなかった

有名なエピソードにまつわる人々が実名で紹介されていることである。

若かりし頃の鍵山さんの掃除する姿に感銘を受け、

日本有数の超一等地をタダ同然で譲ってくれた地主さんの話、

どこのお店からも相手にされなかったハンドルにかぶせるカバーを

唯一鍵山さんだけが扱ってくれて、それを恩義に思い、

その後、家族同然の付き合いを

するまでになった大阪の母子の話は、熱心なファンならば、

一度は聞いたことがあるでしょう。

彼らが写真付きで、より詳しく掘り下げられて紹介されている。

惜しむらくは、無名の一般の方々を中心に登場させるという

編集方針だったためか、

交友のある桜井章一、山本一力などの有名人とのエピソードが

皆無だったこと。

2人のお子様とのエピソードと写真がなかったのも、残念だった。

もしかしたら、鍵山氏本人が掲載をお断りされたのかもしれない。

●本書は、鍵山氏本人の本として検索してもヒットしないので、

意外に知らない方も多いのではなかろうか。

しかし、氏のファンならば、絶対のおススメである。

改めて、人間鍵山秀三郎の凄さに感動させられるとともに、

読んだ人自ら、何か日々の生き方や行動の転換を

必ず迫られるような本である

(最後の、「鍵山流の風呂の入り方」は、

爆笑を禁じえないと共に、礼儀作法の極みと言いますか、

日常の所作に対する考え方や、氏の人間性が凝縮された非常に印象的なエピソードである。

ホテル従業員の労力を省いてあげたいと、

浴場で水滴一つ付けないでキレイに体を拭き取り、

備え付けのバスタオルを使用されないというのである。

ここまで来ると、まさに神の領域としか言い様がない…)。



マストポイント

@「Q『鍵山相談役は、人からの質問に対していつも的確に即答されます。

そのコツはなんでしょうか?』

鍵山『もともと私は、人前で話をするのが苦手で大嫌いでした。

文章も、できれば書きたくはありませんでした。

そんな私が、1991年からハガキを書こうと決めてから、

今日まで51,800枚のハガキを書き続けてきました。

毎日、7〜8枚のハガキを書き続けてきたことになります。

この実践を通して得たことは、

自分の考えがはっきりとしてきたということです。

人からの借り物ではない、自分の物差しを持てるようになったということです。

突然、相手に質問されたときでも、

『それは、あ〜、え〜っ』などと、答えに逡巡することがなくなったのです。

どんなに長いハガキや手紙をいただいても、

ハガキ一枚に要点を書いて返事ができるようになりました。

今ではハガキを書くことが、いかにすごい力になってくれているかを実感しています」

A「人が感動を覚えるのは、

けっして特別な才能の持ち主がなした特別なことに対してではない。

誰にでもできる平凡なことではあるけれども、

誰もがやっていないことを人知れず実行し努力している人に対して感動を覚えるものなのだ。

最初は見向きもしなかった周囲の人々が、

いつも早朝掃除をしている人に気づき、そのひたむきさに対して、

『たいしたものだ!』といって感動するのだ」

B「最近、鍵山さんがよく質問を受けるのが、

『いつまで掃除を続けるのですか』ということだ。

鍵山は、そう聞かれるたびに、

『あとを引き受けてくださる方が現れるまで続けます』と答えながら、

今日も掃除に励んでいる」

(以上本文より。一部改変)


【著者紹介】

亀井 民治
昭和21年、鹿児島県生まれ。昭和45年、東京電機大学(二部)機械工学科卒業。高周波熱錬を経て、昭和50年に環境整備機器の製造販売を行うエッチアンドケイを設立、社長に就任。平成14年、ローヤルを改組設立。平成15年、ローヤルをシステムジャパンに社名変更し社長に就任。経営コンサルティング、講演活動に従事。アイウィル「経営者能力養成コース」総合指導顧問、「統率力養成コース」専任講師。薩摩大使。






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