2013年02月24日

必読本 第1023冊目 相方 ビートたけしとの幸福

必読本 第1023冊目

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相方 ビートたけしとの幸福

ビートきよし (著)

東邦出版

¥1,500

単行本:192ページ

2012年10月12日 初版



●浅草での修行時代をともに過ごし、漫才ブームの時代に頂点を極めたツービート。

唯一の「相方」ビートきよしから見た、ビートたけしのすごさとは―。

●ケーシー高峰、ウド鈴木を含め、山形を代表する3大お笑い芸人である、

ビートきよし師匠の昨年上梓された近刊です。

たけしさん関連の番組に最近ちょくちょく顔を出し、

この本の宣伝もさりげなく行っていたので、

御存知の方も多いのではないでしょうか。

●本書は、芸能人本によくありがちな、

売れっ子の相方を、今や落ち目になった元相方が

あることないこと散々暴露して、

小銭稼ぎするという類の本とは対極に位置する本である

(ただ、たけしさんは帯や序章推薦文において、

どうせその類の本だろうと、毒舌交じりの例の口調でこき下ろしている)。

いまだ解散もせず、絶妙な距離感で良好な関係を維持する

きよしさんが、相方ビートたけしの表と裏を

思う存分書きまくり、その真の姿に迫るという、

たけし絶賛&ツービート回顧録的な内容の本です。

●まず何といっても、浅草時代から、漫才ブームに乗って

天下を取るまでのエピソード、秘話が具体的に描かれていて、

ファンにはたまらないはずである。

たけしさんは漫才には当初全く乗り気でなく、きよしさんに懇願されて

やっとコンビを組むのを承諾したという話や、

好きで始めた仕事じゃないだけに、

泥酔して舞台に上がったり、仕事をドタキャンしたりするという

自堕落な生活を送っていたという若手時代のエピソードなどが

豊富に紹介されている。

是が非でもテレビに出て芸能人として成功したかったきよしさんと、

何となく漫才をやり始めて、

今や日本随一のトップスターにまで成り上がってしまったたけしさんとの対比、

ツービートの芸風は過激だったと批判されたが、根底には愛があった、

という言葉などが特に心に残る。

●本書は、回顧録、太鼓持ち的な話に終始するのではなく、

お笑い芸人論や、人生成功術的な話が

随所に挟み込まれているのも特徴。

相方をただやみくもに絶賛するだけではなく、

クールな目線でたけしさんや他の登場人物を分析してみせる、

きよしさんの観察眼の鋭さにも驚かされます。

たけしと島田洋七、著者と洋八とのコンビが

なぜうまくいかなかったのかを解説したくだりは、特に鋭いと思いました。

妙になれ合ったりせず、自分とたけしさんの立ち位置の違いを

きちんとわきまえるきよしさんの礼節ぶりにも好感が持てます。

●田舎出身で、朴訥な性格のきよしさんの文章は、

とにかく平明で読みやすく、講演会を聞いているかのようなスムーズさで

スイスイと読み進むことができます。

テレビ番組ではあまり拝見できませんが、

地道に活動されているきよし師匠は、

これからも健康に気をつけて頑張っていただきたいと

同県人としても切に願うばかりです。

たけしファン、お笑い芸人志望の若者のみならず、

人生の方向性を失っている方々などに特におススメの本です。


【マストポイント】

@「僕が、いまの若者に対して思うこと。

それは、まず、

すぐに自分の得になるようなことをやろうとしてはいけないということだ。

若い人はなんでも先に報酬ありきで考えがちだ。

どんな業界であっても、経験のない未熟な者に対して、

いきなり大きな報酬は与えないよね。

そういうものはしっかりと成果を出して初めて得られるものだし、

頑張って結果を見せてこそ、

上の人は下の者を引っ張り上げようとしてくれるものだ」

A「(女が勝手に借りていた1億円もの借金を返すための交渉に、

7か所のヤクザの組事務所をたった一人で乗り込んでいったきよしさん)

向こうは僕が弁護士なんかへ頼まずにひとりで訪れたことに驚いていたけれど、

そういう姿勢を見せたことで大ごとにならずにすんだみたいだ。

人間、どんなときでも逃げたらダメなんだと思ったね。

逃げずに体当たりでいけば、命なんて取りやしないから、だれも」

B「僕も微力ながら、世の中のためになることをやろうと思っている。

なぜ、チャリティーゴルフコンペの活動を始めたかというと、

25年ほど前に1億円の借金を背負ったことがきっかけだった。

もう自分はダメだな、人生終わりだなって

絶望に打ちひしがれていたとき、ある人が、僕にこう言ったんだよね。

『きよしさんはさ、神様が生かしているんだ。

なぜかというと、世の中にためになることを、

なにひとつやってねえんだよ。だから神様が生かして、

なにか世の中のためになることをやれって言ってんだよ』

僕は『借金なんてある身で、世の中のためになんて、

なにができるんだよ』って言い返した。

でもふっと自分はゴルフができるし、人を集めてチャリティーをやったら

いいんじゃないかって思いいたったんだ」

(以上本文より。一部改変)

【著者略歴】

ビートきよし
昭和24年(1949年)12月31日生まれ。山形県出身。1980年代、相方のビートたけしとともに、漫才コンビ「ツービート」で一世を風靡する。その後、『オレたちひょうきん族』『スーパーJOCKEY』など数々のテレビ番組をはじめ、ドラマやラジオ番組、映画、舞台、CMなど、多方面で活躍。ショーや講演も行っている。




posted by miura at 16:16| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 自伝・一日一話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月11日

必読本 第1022冊目 二宮翁夜話(中公クラシックス)

必読本 第1022冊目

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二宮翁夜話 (中公クラシックス)

二宮 尊徳 (著), 小林 惟史 (その他), 児玉 幸多 (翻訳)

中央公論新社

¥1,733

単行本:266ページ

2012年3月9日 初版



●実践的篤農家であり、国学・儒学・仏教に通じ農政哲学を追究する求道者でもある。

そして財政再建のプロ。尊徳翁、かく語りき。

●愛読者様にとっては、大変長らくのご無沙汰です。

更新を長きに渡って怠っておりまして、本当に申し訳ない次第です。

今回は、真に紹介する意味がある本に久方ぶりに出合えたましたので、

名著紹介ブログを再開したいと思っております。

その本といいますのは、二宮尊徳の歴史的名著である、

『二宮翁夜話』でございます。

●過去、私のブログにおきましては、

2度ほど、この本の紹介はしております(こちらを参照)。

自己啓発本を熱心に読んでおられる方ならば、

知らない人がいないというほどの名著中の名著である本書ですが、

日本経営合理化協会の本は福沢諭吉1枚という高額本、

そして廉価版の本は軒並み絶版でプレミアがついているという、

入手へのハードルが非常に高い本でありました。

●本文は、細かい文字がビッシリと詰め込まれ、

老眼の人にはやや厳しいところだが、

訳文は現代的で非常に読みやすい。

『論語』のように、有用なメッセージが満載の小話が

ズラーっと並べられていて、

読むごとに引き込まれる。

私自身、尊徳の全集まで調べるほどの専門家ではないので

断定めいた事は言えないが、

氏を代表するような名言箴言の類

(例・積小為大)は、ほぼ本書に網羅されていると思われる。

ということは、本書を買えば、百科事典のような高額本も、

目ん玉が飛び出るような絶版本も買う必要がないということだ

(ただ、過去に紹介した2冊は、それはそれで利点も少なくなく、

懐に余裕のある人は是非ゲットしておきたい)。

●価格は1,733円(税込)とやや高額です。

アマゾンで調べると、「中公クラシックス」シリーズは、

新書本にもかかわらず、結構な高値を付けている。

つまり、それぐらいの価値はあるシリーズだぞ、ということか。

愛読者としては、

長きの使用に耐えるハードカバーではダメだったのかという

失望感がややありますが、まあ出版してもらっただけでも御の字、

外観部分には目をつぶるべきでしょう。

二宮さんの本は上述したように、なぜか入手困難で、

本書も、いつ何時絶版になるかわかったものではない。

多読は時間的に無理、

少量の大名著をトコトン読み倒したいという方には格好の一冊です!

今のうちに是非どうぞ♪


【マストポイント】

@「翁は言われた。

大事をなそうと欲すれば、小さな事を怠らず勤めよ。

小が積もって大となるものだからだ。

およそ小人の常で、大きな事を欲して、小さな事を怠り、

できがたい事を心配して、できやすい事を勤めない。

それで、結局は大きな事ができないのだ。

大は小を積んで大になることを知らないからだ。

よく励んで小事を勤めたならば、大事も必ずなるだろう。

小さい事をゆるがせにする者には、大きな事は決してできないものである」

A「翁はこう言われた。

方角で事の禍・福を論じ、日取りで吉・凶だということが昔からある。

世間の人はそれを信じているが、そんな道理があるはずがない。

禍福や吉凶は、方角や日月などの関係するどころではない。

それを信じるのは迷いだ。

禍福や吉凶というものは、自分の心と行いとが招くから来るものであり、

また過去の因縁によって来るものでもある。

古語に、

「積善の家に余慶あり。積不善の家に余殃(よおう。不幸の意)あり」と

いっている。

これは古今を通じて動かない真理だ。

決して疑ってはいけない」

B「人は、生まれれば必ず死ぬものだ。

死ぬべきものだということを前に決定(けつじょう)すれば、

生きているだけ日々が利益だ。

これが私の道の悟りだ。

生まれ出たうえは、死のあることを忘れてはいけない。

夜が明ければ暮れるということを忘れてはならない」

(以上本文より。一部改変)


【著者略歴】

二宮尊徳
1787~1856。江戸後期の農政家。名は金次郎。相模国栢山村(現、小田原市)の農家に生まれた。家の没落に遭うが、20歳で一家を再興する。小田原藩家老・服部家の家政再建を任され、それを契機に藩主大久保忠真に見出され、分家宇津家の下野国桜町領の再建を成功させた。小田原藩領の農村救済に「報徳仕法」を実施し、実践的合理主義と精神主義を折衷する篤農哲学を披露し、老中水野忠邦に幕府役人に取り立てられると「日光領仕法雛形」を作成した。

児玉幸多
1909年生まれ。東京帝国大学国史学科卒。学習院大学教授、学長を経て同大名誉教授。日本近世史、農村史、近世交通史専攻。2007年逝去。




ラベル:二宮尊徳

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