2008年06月14日

必読本 第698冊目 クラウゼヴィッツの戦略思考―『戦争論』に学ぶリーダーシップと決断の本質

必読本 第698冊目

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クラウゼヴィッツの戦略思考

―『戦争論』に学ぶリーダーシップと決断の本質

ティーハ・フォン ギーツィー(著), クリストファー バスフォード(著),

ボルコ・フォン アーティンガー(著), 

 ボストンコンサルティンググループ(翻訳), BCG=(翻訳)

¥2,310(税込み)

ダイヤモンド社

単行本: 256ページ

2002年4月18日 初版

 

●経営戦略のエキスパートが、

戦略論の古典『戦争論』のエッセンスを読みやすくまとめた本書は、

日本の経営者、ビジネスマンの戦略的思考と行動を鍛える

「戦略の哲学書」である。

●戦争論の名著と言えば、

東洋の『孫子』と並び称されるぐらいに有名な

クラウゼヴィッツの『戦争論』(1832年刊)ですが、

実際にその本文にあたったことがある方は

どれぐらいいるでしょうか。

今回ご紹介する本書内でも記されているように、

非常に大部な本で、なおかつ難解な内容ゆえ、

その名声のわりに本文をじっくりと読み込んでいる方は

極めて少ないということでも有名な本です。

●最近、ビジネスマンの戦略思考的な本に

個人的にハマっていることもあり、

図書館から借りて、2日ほどかけて読んでみました。

●上記のように、原書は大変に分厚い本なので、

抽象的で難解な部分を極力削ぎ落とし、

現代ビジネスマンに役立つ知識、理論だけを

抽出してまとめられた本である。

全体は、「戦略の本質」、「戦略と不確実性」、「戦略と精神力」など、

大きく6部に分かれる。

●著訳を大手コンサルタント会社の

一流のプロが担当しているので、

各種の類似資料、ヒントになるビジネス知識を

適宜挟み込み、

章の最後には「日本のビジネスマンへの示唆」として

ポイントが整理されている。

また、特に重要なメッセージが太字になっているなど、

極めて実践的な作り込みになっている。

●ただ、序章ははっきり言って長たらしく、飛ばしてもよい。

クラウゼヴィッツのプロフィールや、

戦争論が完成するまでのエピソードをまとめているのだが、

早く本論を学びたいと思っている読者には

じれったいぐらいに冗長な文章が続く。

●序章に続く本文では、

ライバルがひしめき、先の見えにくいビジネス環境において、

どのようにしてリーダーシップを発揮し、

断固たる決断を下すことができるのかを、

眼力、天才、摩擦、戦略と戦術、攻撃と防禦、

精神力などの興味深いテーマごとに解説していく。

19世紀ヨーロッパの血生臭い戦争話を引き合いに解説しているので、

違和感を感じるかなと心配しましたが、

決断力、判断力を身につけるためには

どのようにすればよいのか、参考になるエピソードが非常に多い。

ビジネスマンに限らず、スポーツの監督、指導者が読んでも、

極めて役に立つ本です。

 

【マストポイント】

@先の見えない戦いに勝つには、二つの特性を要する。

ひとつは、暗黒においても内なる光をともし続け、真実を

追究する知性であり、これを「眼力」と呼ぶ。

もうひとつは、そのかすかな光が照らすところに進もうとする

勇気のことで、これを「決断力」と呼ぶ。

「暗い部屋に入ると、人間の目は瞳を拡大してそこのある

光を多く吸収しようとする。

最初は見えなかったものがだんだん見えるようになり、

最後にはかなりのものを判別できるようになる。

同じことが兵士にも言える。

新兵には漆黒の闇しか見えないときでも、

戦争に慣れた兵士にいろいろなものが見えるものだ」

A敵であれ、味方であれ、各々の状況からある種の

重心が生じ、これが力と行動の中心となってすべてを

支えている。

したがって、われわれは敵のこの重心を全力で、

集中的に攻撃しなければならない。

小さなことは常に大きなことに依存している。

重要でないことは重要なことに依存している。

そして偶発的な要素は本質的な要素に依存している。

われわれは、このことを指針として肝に銘じておかねばならない。

BKISS(keep it simple, stupid)

常に簡素さ、愚直さを心がける。

自然科学であれ、人文科学であれ、

可能な限り単純化されているかどうかが、

真実か真実でないかを判定するリトマス試験になる。

「自然は可能なかぎり、単純な仕組みで動いている」アリストテレス

「どんなことでも、できるかぎり単純にすべきである。

ただし、やりすぎはいけない」クラウヴィッツ

「無用な複雑さを重用してはならない」ウィリアム・オッカム 

【著者略歴】

ティーハ・フォン・ギーツィー
バージニア大学経営大学院(ダーデン・スクール・オブ・ビジネス)教授。BCG戦略研究所フェロー。BCGの元ヴァイス・プレジデントとして、製造業のタイムベース競争やハイテク産業に関するプラクティス・グループにも参加した。

ボルコ・フォン・アーティンガー
BCGのシニア・ヴァイス・プレジデント。BCG戦略研究所のディレクターを兼務する。BCGのテクノロジー・コミュニケーションズ・グループのメンバーでもあり、戦略や技術革新に関する論文を発表している。

クリストファー・バスフォード
米国防研修所教授。陸軍で砲兵隊長を務めた経験を持つ。



posted by miura at 17:53| 山形 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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