2008年06月25日

必読本 第708冊目 日本マクドナルド社長が送り続けた101の言葉

必読本 第708冊目

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日本マクドナルド社長が送り続けた101の言葉

原田 泳幸(著)

¥ 1,470 (税込)

かんき出版

単行本(ソフトカバー): 224ページ

2008年2月22日 初版

 

●日本の外食産業で数少ない勝ち組企業へとV字回復させたマクドナルド社長が、

13万人の社員とクルーに書き続けているブログ。

外部に対して語ってこなかったマクドナルドの経営戦略、成長要因、

人材育成、そして仕事とは何か? についてが具体的に明かされる。

●豪放磊落なキャラクターと、ユダヤ哲学をベースにした

独特の経営手法、成功哲学で名高い

日本マクドナルド創業者藤田田さんは、

没後も根強い人気を誇る。

私自身も熱烈ファンであり、このブログでも数多く紹介してきました。

●一方、同じマクドナルドの社長と言っても、

本著書の原田泳幸さんは、

日本マクドナルドの経営が傾いた頃に

異業種からヘッドハンティングされてきた、

言わば「雇われ社長」である。

●マッキントッシュとマクドナルドの2つの「マック」を

再建したということで一躍有名になった原田泳幸さんだが、

私自身、その名前は当然知ってはいても、

創業者の藤田田さんほどの

強烈なキャラクター、カリスマ性、そして、

本としての魅力が感じられず、

ずっとその著書は読まずにきた。

サービス残業、賃金未払いなどの問題で

同社社員から裁判を起こされたりなど、

対外的に悪いニュースが数多く伝えられたことも、

その著書を読みたいという気持ちを萎えさせる原因になった。

●そういう経緯もあって、初めてその著書を開く。

内容的には、全国13万人の社員、クルーに向けて、

土日以外の平日毎日、

ブログで語った言葉を一冊にまとめたものとなっている。

ワタミの渡邉美樹社長は、全国の社員、アルバイトに、

ビデオメッセージで自分の意見を伝えていると

著書で書いていたと記憶するが、

コストや利用のしやすさを考えて、

最近の経営者はブログを使って意思伝達していることが多いようだ。

●現場での日々の気づき、

利益の出し方、仕事術、個人的な思い出話など、

テーマごとに全5章に分けられ、

ブログなので、1話ごと2〜4ページの、

短いエッセイ風の文章にまとめられている。

よって、読みやすさは最上で、

それほど時間を要せず読破可能です。

かんき出版の本は、本書のように、

(良くも悪くも)アッサリとした、シンプルな作りが特徴である。

●伝えたいことは絵にする、

気配りができる人が成功できる、整理整頓は必須であるなど、

大企業、特に著者のような外資系企業、多国籍企業で

働かれている若手社員には、

ヒントになるメッセージがとても多い。

重要ポイントが太字になっているのもうれしい。

●アメリカ勤務が長いこともあって、横文字ばかり並び立てる、

西洋カブレの鼻持ちならない人間なのかと読む前に予想したが、

最終章では、義理堅い両親の人情話、

肉体労働ばかりやっていたアルバイト体験談、

持ち家を6回も売り払い、財物主義を完全に脱したことなど、

意外に泥臭く、人間らしい面も見せる。

巷間悪く言われるほど、

ひどい経営者ではないのかもしれない。

●日産のゴーン社長しかり、現大阪府知事橋下知事しかり、

落ち目になった企業や団体を再興するには、

八方美人のキレイ事では済まず、必ず多くの犠牲や血が流れる。

そういう大ナタを振るうことができるのは、

昔からのしがらみのない

全くの外部から来た人間だけしかできないのだろう。

詳細はわからないが、マクドナルドが低迷した理由も、

藤田さんの超強気路線、超拡大路線がアダになったという

ことも考えられるだろうし。

改革者、再建屋は、どうしても毀誉褒貶相半ばするが、

ある程度致し方ない面もあるかもしれない。

●マクドナルドなどのファーストフードは、肥満や健康面などを考え、

本来、あまり利用したくないのだが、

藤田田、レイ・クロックのファンであること、そして、やはり、

業界首位を引っ張るリーディング・カンパニーには、

商売上、何かとヒントになることが多いという2点の理由で、

よく利用させてもらっている。

現在、マクドナルド本体はどのような社風、企業文化を

持っている企業なのかは正直わからない。

著書では素晴らしいことを書いているのだが、

実態は全く裏腹のことをやっている経営者も最近

非常によく見かけるので、油断ならない世の中である。

著者ならびに日本マクドナルドには、

言行不一致となって世の期待を裏切らないよう、

これからも精進していただきたいと祈るばかりである。

【マストポイント】

@外食など、衝動買いの要素が強い業種の

看板、ポスターなどのメッセージは、0.5秒でお客様に伝えること。

最も訴えたいことに集中し、余計な情報は削ぎ落とす。

見た瞬間に一発で伝わるようにする。

Aお客様の不満、苦情は絶対に野放しにしてはいけない。

情報が消費を左右する昨今、消費者の不満、怒りは

ネット、口コミを通して、爆発的に増殖する。

アメリカのある調査では、

「消費者は物を買うときに、売り手の言うことは47%、

メディアの言うことは53%、他の消費者の言うことは

90%信じる」という結果が出ている。

よって、当然の帰結として、「お客様を囲い込むのではなく、

お客様が中心となって企業文化を醸成する。

企業が信頼や信用を訴えても、お客様は企業を信頼しない。

お客様が自ら信頼し、信用する企業になることが、

究極のブランドづくりである」。

Bそれが悪い決断だったとしても、何も決断しないよりは良い。

決断したらすぐ実行しろではなく、決定しなくてもいいから

すぐ実行だ!

仕事のできる人は、失敗を恐れない。

仕事のできない人は、失敗を恐れて決断をしない。

(以上本文より。「機会損失」の怖さを戒め、

スピーディーな決断こそ必要不可欠であると訴える) 

 

【著者略歴】

原田 泳幸

1948年12月3日生まれ、長崎県出身。東海大学工学部卒業。日本NCR、横川・ヒューレット・パッカードなどを経て、90年8月にアップルコンピュータジャパンに入社。97年4月にアップルコンピュータ日本法人社長に就任、米本社副社長を兼務。「iMAC」など多くの新製品に沸くアップルの日本市場拡大に貢献した。2004年2月、日本マクドナルドホールディングスに副会長兼社長兼CEOとしてスカウトされる。2005年3月末に会長兼社長兼CEOに就任。4年弱で日本マクドナルドをV字回復させた。コンピュータ(Mac)とハンバーガー(Mc)の2つの”マック”を救った経営者として話題になっている。どんなことにも真正面から取り組み、どんな質問にもホンネで真剣に答える姿勢に、識者やマスコミからの信頼が厚い。

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