2008年07月03日

必読本 第716冊目 発酵道―酒蔵の微生物が教えてくれた人間の生き方

必読本 第716冊目

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発酵道―酒蔵の微生物が教えてくれた人間の生き方

寺田 啓佐(著)

¥1,575(税込み)

 河出書房新社

単行本: 255ページ

2007年8月20日 初版

 

●発芽玄米酒「むすひ」をヒットさせた著者が語る、

「百薬の長」日本酒の不思議世界。

腐敗を「発酵」に変える自然の技術とは何か。

微生物の暮らす大きな共生の世界を紹介する。

●先日ご紹介したばかりの、斎藤一人さん関係の最新刊

必読本第699冊目参照)巻末で推薦されていた本。

お弟子さん以外の本を推薦することが

めったにない一人さんだけに、ただならぬ本だということは

わかりましたので、相当の期待感を持って読んでみました。

●著者は、伝統ある地方の造り酒屋に婿入りした男性。

あろうことか、本人は全くの下戸で、酒が飲めない体質と来ている。

元々、実父の家電販売店でセールスマンとして鳴らしており、

日本酒の販売など朝飯前だとなめてかかり、

売上アップのためだったら、酒の品質など二の次、

原価計算など、数字をいじくり回すことだけで儲けを出すような、

イージーな経営手法で乗り切っていこうとする。

●しかし、折からの日本酒離れ、

ビール・ワイン・ウィスキーなどの洋酒ブームに巻き込まれ、

予想もしていなかったジリ貧状態に落ち込む。

倒産寸前の経営悪化から、

タバコ、暴食、ギャンブル狂いというお決まりの

荒れた生活となり、程なくして、腸が腐るという大病を患い手術、

長期の入院生活を余儀なくされる。

●大病してから人生観が変わる、

大悟するという方がよくいますが、

著者も、病床で、今までの経営姿勢、人生観を

大いに反省し、駄目でもともと、儲けを一切抜きにして、

今までの姿勢を180度転換した、お客さんの健康を害しない、

「百薬の長」と言われるような、本物の日本酒作りをしようと決意する。

無農薬の米を使って、添加物を徹底排除したこだわりの

日本酒は、取り引き銀行・酒の専門家・経営コンサルタントなど、

あらゆる方面から非難轟々の扱いを受けるが、

一切宣伝活動をせずとも、徐々に口コミで広がり、

健康情報誌で「糖尿病に効果があるお酒」として

紹介されるやいなや大ブレイクし、全国から注文が殺到する。

●めったなことでは赤の他人の本を宣伝することのない

一人さんが推薦するだけのことはある名著である。

「プラスの言葉」を使い続けることで、

その場の環境、磁場が変わり、微生物にまで影響が及ぼされ、

いいお酒が出来上がるなど、いわゆる「言霊の神秘」が

盛んに説明されている内容なのである。

また、著者のお酒は、たしか船井幸雄さんの本(必読本第661冊目参照)の中でも、

紹介されていたかと思うが、その関連としては、

備長炭を酒蔵のあらゆる建物内に埋め込み、

「イヤシロチ」化したことが出てくる。

●本書で感銘を受けたことはたくさんあるのだが、

まず何といっても、

「思い立ったが吉日」のような行動力の速さである。

本物の酒造りの役に立つことだったり、

自分の人生勉強になるためだったら、

日本だろうが海外だろうが、すぐに飛んで行く。

ピンと来た人にはすぐに会いに行く、

情報、文献もすぐに取り寄せる。

『論語』で言うところの

「徳は弧ならず。必ず隣あり

(徳のある人は孤立しない。必ず共鳴者が現れる)」のお手本というか、

これぐらいに、退路を断って、私利私欲を脱し、

本物商品作りに命を賭けている人には、

神の恩寵かというぐらいに、

必ずアドバイザー、サポーターが現れてくるから不思議である。

●そして、自分の信念、夢を具現化するための、

商品への飽くなき投資、妥協なきこだわりも特筆すべきことだろう。

相当な費用がかかっても、

電子水を導入したり、自分のお眼鏡に適う

無農薬米のために、自前で稲作作りまで行う。

やはり、徹底的に品質にこだわった商品は、

必ずお客さんに伝わる、心を打つもの。

ものづくりを仕事にされている方などは、非常に参考になると思う。

●日本酒作りの工程がわかりやすく説明されているという意味で、

飲兵衛の方、飲食業の方にもおすすめの本です。

また、著者が健康回復した過程が説明されているということでは、

玄米菜食、マクロビオティックなど、

自然食健康法に興味がある方にも推薦します。

●昨年出たばかりの本だが、

注文が殺到したのか、アマゾンなどでは、

現在在庫がなくなってしまい、結構なプレミアがついている。

これぐらいの傑作は、出版社もほどなくして

増刷するだろうから、今しばらく待った方がいいかもしれない。

本書は、いわゆる自己啓発本コーナーではなく、

酒・醸造などの専門書コーナーに置かれている可能性が

高いので、図書館・大手書店などでは丹念に探してみて下さい。

【マストポイント】

@「「持つ・つかむ・取る・放さない」によって、

災いや苦悩、病気が引き起こされるのだ。

一方、「与える・放す・つかまない・吐き出す」は、

幸せにつながっていく。

もっている知恵、力、お金、親切、思いやりといったものを、

からっぽになるまで出し切れば、必要なものはひとりでに

入ってくる。それが自然の循環というもので、

それが宇宙の法則なのだと思う」

「「何があっても笑っちゃう」という心境になれたら、

何もかもがうれしいことになる。楽しいことになる。

そして、ありがたいことになっていく。

おもしろくても、おもしろくなくても笑っちゃえば、

苦がなくなって、道が開けるのだ。

では、どうしたら笑えるか。これにはコツがある。

うそでもいいから「ありがとうございます」と言うのだ。

いやなことがあっても、腹が立っても、「ありがとうございます」と。

そうやって、「ありがとうございます」と言っていれば、

そのうち感謝することができてくる。

あとから本当の「ありがとうございます」がついてくる。

感謝感謝の毎日になってくる」(本文より著者の言葉)

A「つらいことが多いのは 感謝をしらないからだ

苦しいことが多いのは 自分に甘えがあるからだ

心配することが多いのは 今をけんめいに生きていないからだ

行きづまりが多いのは 自分が裸になれないからだ」

「感謝にまさる能力なし」(石川洋)

「大切なことは、自分を見ることに尽きる。

人を責めたりする暇なんてない。

自分をよく見たら、むさぼる、腹を立てる、とらわれる、

という煩悩ばかり。

自分みたいなつまらないものに、何ができるかってことに気づく。」

「自分を捨てきり、一切ないのが、本来の僧」(村上光照)

B【御酒ひびき 発酵場の選択】

1、うれしき(相手の喜びと満足、みんなが豊かになる、

無条件に与える、尽くす、損をしても徳を積む、

多種多様な力、仲よくする、生命の結び合い、徹底していく、

変化する、調和と愛)

2、楽しき(楽しく働く、生命をよりよく生かす、私利私欲を捨てる、

お金も大切、適度に質素、素人の感性、掟、常識を破る、

自分の持ち駒、持ち味を使う、順風に乗る、

自己流の生き方)

3、ありがたき(無限に感謝する、神意に添う、自然に学ぶ、

素直に観る、プラスの言葉、勇気、決断、実行、

信用、信頼、トラブルは自分の責任、決断は一人、謙虚) 

 

【著者略歴】

寺田啓佐(けいすけ)

1948年千葉県生まれ。自然酒蔵元「寺田本家」23代目当主。自然酒「五人娘」、発芽玄米酒「むすひ」など健康に配慮したユニークな酒を次々と商品化し話題を呼ぶ。

寺田本家 公式ホームページ http://www.teradahonke.co.jp/

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