2008年07月06日

必読本 第718冊目 ポール・スローンのウミガメのスープ―水平思考推理ゲーム

必読本 第718冊目

umigamie1.jpg

ポール・スローンのウミガメのスープ

―水平思考推理ゲーム

ポール スローン(著), デス マクヘール(著)

クリストファー ルイス(翻訳)

¥ 1,365 (税込)

エクスナレッジ

単行本: 176ページ

2004年10月20日 初版

 

●ウミガメのスープを食べた男は、なぜ自殺した?

4万ドルもの価値ある本を彼が破って捨てたのはなぜ?

水平思考を鍛える知的ゲーム、ヒラメキと驚きの81問を紹介する。

この前ご紹介したばかりの、

勝間和代さん最新刊(必読本第714冊目参照)にて

推薦されていた本。

その著書の中で数多く出てくる思考能力の中で、

「水平思考力」を鍛えるための本として挙げられている。

●水平思考力とは、垂直思考力の対立概念であるが、

大雑把に言ってしまえば、

垂直思考が「雲が見えた→雨が降るだろう→傘を持っていくべきだ」と

考える、筋道だった縦方向の思考法だとしたら、

水平思考は、雨が降った時に濡れないで外出するためには、

傘を持っていく以外に、他にはどのような方法があるか

(雨合羽を持っていくべきか、

普段電車で行っているが、タクシーで行くべきか、

それとも、そもそも会う予定の人に、自宅まで来てもらおうか)、

文字通り、横に広げて

各種の可能性、解決策を考え出していこうとする

思考法のことである。

●テレビ番組では、一頃、猫も杓子も、

グルメ、料理的な要素を入れるのが、

高視聴率番組の必須条件でしたが、

最近は、クイズが大流行りですね。

「クイズダービー」や「アメリカ横断ウルトラクイズ」、

「タイムショック」、「ヒントでピント」など、

日本人は昔から、とてもクイズ好きの国民なのでしょう。

●本書は、いわゆる、一ひねりも二ひねりも加えた、

大人のためのクイズ本である。

一筋縄ではいかない、

いじわるクイズ、難解クイズが全81問ズラーッと並んでいる。

ちなみに、タイトルの「ウミガメのスープ」とは、

本書の第1問目のクイズ(難易度4の、本書を代表する超厄介なクイズ)

の内容から取られている。

●構成的には、始めのページにクイズを載せ、

めくった裏のページに数個のヒントが与えられている。

よく、クイズ本では、問題を考えさせるのが目的なのに、

出題ページの脚注など、すぐに目に付くようなところに

答えが掲載されているような不親切な本があるが、

本書は、数ページ先に答えが掲載されている。

細かいところにも抜かりがない。

●この手のクイズ本は、どうしても、ろくに答えを考えないで、

すぐに答えを見てしまいがちなものだが、

その誘惑に耐えて、しばらくジーっと

(3分、5分など時間を限定するとより効果的)

あらゆる能力を総動員して答えを探り出してみる。

●正攻法の問題なのか、それともひっかけ問題なのか、

何か見落としがないか、

前提条件に間違いはないか、語句の表現に落とし穴がないか、

何か奇想天外なアイディアが浮かばないか、

ぞうきんを搾り出すかのように、脳をフル回転させて、

あらゆる可能性をひねり出してみる。

●どうも、最近、人をあっと言わせるような、

奇抜なアイディアが浮かばない方、

悩みや問題が生じても、ろくに解決策を考えないで

すぐに挫折してしまうような方、

他人の意見を鵜呑みにして、ついつい損をしがちな方、

最近、脳の衰えをじわじわと感じるという方には、

間違いなく効果的な本です。

上記のようなやり方で問題を解いていきますと、

たとえ正答が浮かばなくても(実際、ほとんど正解できない)

何か普段使っていない脳を使っているな、

脳がかなり刺激されたな、ということが

間違いなく実感できるかと思います。

●お風呂の中で、半身浴をしながら一人で解いたり、

酒の席や旅行の移動時間に仲間内で出し合ったりすると、

非常に盛り上がる本です。

普段真面目なビジネス本ばかり読んでいる方でも、

たまの休日には、この手の論理クイズで息抜きしてみるのも、

楽しいものです。

【マストポイント】

@「残ったリンゴ」(難易度1)

Q、部屋の中にはリンゴが6つ入ったかごが置いてあり、

女の子が6人いた。

女の子が1人1つずつリンゴを取ったが、かごの中には

まだリンゴが1つ入っている。

なぜだろう?

A、最初の5人はかごからリンゴを1つずつ取っていったが、

6人目の女の子は、リンゴをかごに入れたまま

持っていったのである。

A「村一番のお馬鹿さん」(難易度2)

Q、ある村の住民たちは、しばしばその村の一番のお馬鹿さんを

相手に笑っていた。

彼はピカピカの50セントコインと、クシャクシャの5ドル札を

差し出されると、いつも喜んで50セントコインを取るのである。

5ドル札は50セントの10倍もの値打ちがあるのに、

なぜ彼はいつも50セントコインを選ぶのだろう?

A、村一番のお馬鹿さんは、自分が50セントコインを選び続ける限り、

周りが面白がってコインかお札かを選ばせ続けることを

知っていた。

そして、一度でもお札を取ってしまったら、コインとお札を

選ばせてもらえなくなり、50セントをもらえなくなるということも

理解していたのだ

(人気のお笑い芸人が、本当は頭脳明晰なのに、

テレビではどうしようもないバカを演じていた方が、

最も大衆にウケる、最も金になるということを

知り抜いているのと同じ理屈である)。

A「地下室の扉」(難易度4)

Q、小さな女の子が両親に、

決して地下室の扉を開けてはいけない、

開けたら見てはいけないものを目にすることになる、と

注意されていた。

しかし、ある日、両親が出かけている間に女の子は

地下室の扉を開けてしまった。

女の子が見てはいけなかったものとは、いったい

なんだろう。

A、実は女の子は両親によって、ずっと地下室の中に

幽閉されていたのである。

彼女は地下室の扉を開けてリビングを、そしてそのリビングの

窓から庭を、すなわち外の世界を見てしまったのである。

この問題は、本書でも最も水平思考能力を要する

秀逸な問題とされている。

なぜなら、誰もが、地下室の扉は、外から開けるものだという

前提条件を知らず知らず持ってしまっているからである。 

 

【著者略歴】

ポール・スローン
スコットランド生まれ、イギリス北部のブラックプールで育つ。ケンブリッジ大学のトリニティ・ホールでエンジニアリングを学び、第一級優等学位を得て卒業。ケンブリッジで教師をしていた妻に会う。現在は3人の娘とともに、イギリスのキャンベリー在住。IT関連の仕事に就き、現在はあるソフトウェア会社で、ヨーロッパ支社の副社長を務めている。以前からパズルやクイズの収集、創作が好きで、最初の本『Lateral Thinking Puzzlers』を1991年に出版した。講演やラジオで、チェンジ・マネージメントや水平思考に関して多くの発言をしている

デス・マクヘール
アイルランドのメイヨー生まれ。ガルウェイのユニバーシティカレッジと、イギリスのキール大学で学ぶ。妻のアンとの間には5人の子供がいる。現在はコークのユニバーシティカレッジで、数学の准教授を務めている。ユーモアについての30冊以上の著書があるほか、禁煙の方法についても著作を持つ。

この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。