2008年08月01日

必読本 第741冊目 経営問答塾―一流への道

必読本 第741冊目

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経営問答塾―一流への道

鍵山 秀三郎(著)

¥ 1,575 (税込)

致知出版社

単行本: 227ページ

2008年7月17日 初版

 

●小さな会社でも一流になれる。

「創業の精神」「社風をつくる」「人材を育てる心得」など、

全5講で示す鍵山流経営の見方・考え方。

各講に付した「問答篇」で、現場の経営者からの様々な質問に回答する。

私の心の師匠、鍵山秀三郎さんの出たばかりの最新刊。

最近、とんとご無沙汰だったが、

最近酷暑の影響で、精神的にややたるんでいたこともあり、

渇を入れる意味もあって、一気に読んでみました。

●内容的には、一般経営者向けの講演会全5回分を収録したもの。

創業、困難の乗り越え方、社風の作り方、

人材育成のコツ、永続的な企業繁栄の方法と、

いっぱしの経営者ならば誰もが直面するテーマに関して、

鍵山さんが壮絶な体験を交えながら、会社経営の要諦を述べる。

●各講演の末尾には、一般経営者からの質問に

鍵山さんが答える部分があるのだが、

「社員にはやっぱり高給で報いるべきか」

「グリーン車に乗らなくては、グリーン車に乗るような

裕福な人々の考えがわからないのではないか」など、

本論以上に面白く読める部分。

ちょっとイジワルじゃないかというぐらいに、

様々な角度からの経営者らしい質問が寄せられているのだが、

鍵山さんは答えに窮することなく、

ズバリと己の考えを述べているところはさすがである。

●この本を読んで改めて痛感するのは、

鍵山さんの無私の心、崇高な使命感、謙虚さ、

そして自社社員に対する惜しみない愛情である。

今だに朝早くから会社周辺の掃除をボランティアで行い、

専門の清掃会社が脱帽するほどに、

徹底して分別作業までしてしまう。

贅沢、浪費を嫌い、個人資産、収入のほとんどを

「掃除の会」の活動費に充てる。

自社の社員を人間扱いしないような取引先とは、

たとえ大口の相手であっても、断固として縁を切り、

社員を守る。

奥様が呆れるぐらいまでに

ボロボロになっても服も靴も着用し続け、

1万円以下の安物の腕時計を愛用、

電車の移動では重い荷物を誰に持たせず、一人で抱え、

グリーン席に乗ってもおかしくない身分にもかかわらず、

いまだに自由席での移動を好む。

●鍵山さんのすごさは今更言うまでもないことだが、

本書を読むと、改めて、人間というものは

これほどまでに自我を捨てることができるものなのか、

己の欲望を克服して、他者、世の中のために

身を捧げることができるものなのかと、

言葉を失うほどに感服させられてしまいます。

「俺は社長だ」と天狗になっているような人は、

その鼻をポッキリと折られるような気分にさせられるはずです。

●最近読んだ本の中では、特にお薦めの1冊。

経営者の方はもちろん、ごく普通の会社員、学生さんにも

推薦したい本です。

仕事、人生に対する考え方が根底から変わるはずです。

下の【マストポイント】に、心に響いた言葉を掲載しましたが、

3つに絞りきれないほどに、名言の類が次から次へと出てくることも併せて付記しておきます。

●めったにこんなことはないのだが、

読書中、本文の文字が、3Dのように、

眼前に浮かび上がってくるような迫力まで感じたし、

読破後、すぐに初めから読み返したくなるような

気分にまでもさせてくれた。

なかなかこういう名著にはお目にかかれるものではないですよ。

 

【マストポイント】

@「私はゴルフを一回もやったことがありませんが、

ゴルフをやっている人の話はいろんな機会に聞くことがあります。

ルールはよくわかりませんけれど、人のゴルフ談義を聞いていると、

「何ヤード飛ばした」ということを自慢される方が多いのです。

しかし、これも遠くへ飛ばせばいいというものではないでしょう。

方向が外れていれば、遠くへ飛ばせば飛ばすほど、

マイナスになるはずです。

遠くへ飛ばすよりも真っ直ぐ正しい方向に飛ばすことを

重ねていくほうが、間違いなくゴールに近づくはずです。

私はそう思うのです」

A「君たちにお願いがあります。

これは命令でもなく指示でもなく、お願いです。

私たちは商売を通して何を最終目的にするかといえば、

それはお客様の心を洗って返すことです。

ちょっとおこがましいけれど、これがうちの会社の最終目的です。

たとえば不機嫌な気分できた人がニコニコして帰るとか、

ちょっと邪な考えを持っていた人が晴れ晴れとした心になって

帰るとしたら、それは心を洗ってあげたのと同じなんですよ」

(鍵山さんが全国のイエローハットを行脚して、

社員さんに伝えている言葉)

B「私は、社員に経営者として接するときにはっきりとした

基準を持っているのです。

その第一は、どんなに大きな失敗であっても

失敗は怒らないということです。

失敗したからという理由でその人の待遇を悪くしたりしたことも

ありません。

反対に、どんなに小さなことであっても、それをやれば人が

迷惑をする、あるいは、それを怠れば人が迷惑ということを知っていて

やるということについては、私は放っておきません。

第二の基準は、自分の時々の感情でもって

物事を決めないということです。

同じことに対して、この間は笑っていたのに今日は怒っているという

ような、その日の感情に左右されません」

(以上、本文より) 

 

【著者略歴】

鍵山秀三郎(かぎやま・ひでさぶろう)
1933年、東京都生まれ。52年、疎開先の岐阜県立東濃高校を卒業後、一時は代用教員を務める。53年、上京して自動車用品会社「デトロイト商会」に入社。61年、独立して「ローヤル」を創業。当初は自転車一台から行商をスタートさせた。97年、東証第一部上場とともに、社名を「イエローハット」に変更。98年、同社取締役相談役となる。誰にでもできる簡単なことを徹底して実践する「凡事徹底」を信条とし、創業以来続けている"掃除"には多くの人が共鳴。創唱した「日本を美しくする会」の活動は国内外にまで広がる。現在、同会の相談役を務めている。著書に『凡事徹底』『あとからくる君たちへ伝えたいこと』(致知出版社)、『鍵山秀三郎「一日一話」』『掃除道』(PHP研究所)など多数。

日本を美しくする会 公式ホームページ http://www.souji.jp/

ラベル:鍵山秀三郎
posted by miura at 15:40| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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