2008年09月04日

必読本 第766冊目 達人のサイエンス―真の自己成長のために

必読本 第766冊目 

tatujinn1.jpg

達人のサイエンス―真の自己成長のために

ジョージ レナード(著), 中田 康憲(翻訳)

¥ 1,490 (税込)

日本教文社

単行本: 202ページ

1994年2月25日 初版

 

●人生のさまざまな領域で「達人」と呼ばれる人々は、

自らの精神と身体をどう鍛錬しているのか?

生命のリズムと一体化し、生きるエネルギーを呼び覚ますための、

ハードでしかも軽やかな人生修行の理論「マスタリーの道」を詳説。

●本田直之さんの処女作(必読本第462冊目参照)で

推薦書として挙げられていたこともあり、

にわかに注目されるようになった本。

帯にデカデカと、あのトム・ピーターズの

推薦文が載せられているが、一般にはマイナーな本だろう。

●著者は、出版社の編集者として活躍する傍ら、

合気道の指導者としての一面を持つ。

スポーツに限らず、我々が、仕事、人間関係、趣味において、

「凡人」のレベルを脱し、超一流の「達人」の段階に至るまでには、

どのような心構え、トレーニングを重ねればよいのか。

東洋哲学、武道の知見を数多く取り入れ、

「達人=マスタリー」への道を具体的かつ実践的に解説していく。

●宗教、精神世界など、不思議現象を専門に扱う出版社から

出されていることもあり、本の作りに派手さはないが、

その分、容易には廃れない落ち着き、強固性を感じさせる本である。

本の薄さのわりに、字体が小さく、

文章量は意外に多いが、内容の難易度は大したことがないので、

それなりにこの分野に親しみのある方には、

すんなりと入り込める世界かと思います。

●イチロー、北島康介、吉田沙保里選手などの

世界最高のアスリート以外でも、

日本を代表する芸術家、料理人、作家などには、

何か簡単には近寄りがたいようなオーラというか、

「求道者」のような印象を受けることがあります。

彼らを「超一流人」にまで押し上げた過程には、

本人が自覚している、いないにかかわらず、

共通した思考法、トレーニング方法を見出すことができるはずです。

その手のメカニズムを初心者にもわかりやすく

体系立てて解説してくれているという意味では、

非常に素晴らしい名著です。

●柔道、空手、ヨガ、マラソン、サーフィン、書道、絵画など、

自己修養的な、修業的な要素の強い武術、スポーツ、

趣味を学ばれている方や、

他者との比較、競争よりも、

ひたすら自己を極めるタイプの自己啓発本、成功哲学本を

ご希望の方には、得るところの多い本でしょう。

●最後に余談ですが、

柔道金メダリストの石井慧選手の奔放な発言が

最近何かと話題になっておりますが、

本書を読破後、彼も本書をもしかしたら既に読んでいるのでは

ないのかという気が強くしました。

その理由は、下にも少し書きましたが、

私のように本書を一読していただければ

理解していただけるかと思います。

【マストポイント】

@「多くの人々は、先生が言ったから、親が言ったからという

理由だけで物事を決めています。お金、名声、メダルなどのために

何かをやろうとする人は強くなれません。

自分自身の夢を見つけたら、

自分の問題を他人が解決するのを待ったりせず、

自分で解決すべきです。

私も自分の目標は自分で決めましたが、

この目標と仕事を選んだその根底には、それが好きだからということが

ありました。私にとって体操は楽しいものでした。

オリンピック選手になろうなどとはまったく考えていませんでした」

(本文に出てくるオリンピック体操選手ピーター・ヴィドマーの言葉)

A「(何かを極めようとしたら)

同じことを果てしもなく続けたり、単調な作業をやったり、

あるいは基本の動作を何回も繰り返し練習することなどがある。

今日まで、少なくとも

(合気道の最も基本的な複合動作である)

体の変更を5万回は練習してきた。

実際、ほんとうに退屈な状態は、むしろ新しいものをしつこく

追求したりする場合にやってくる。

そして満ち足りた気分が生じるのは、すでによく知っているテーマを

慎重に繰り返し練習し、その微妙な違いの中に

無限の意味を発見した時なのである」

(トイレ掃除を何十年も続ける「凡事徹底」の

実証者鍵山秀三郎さんを想起させる)。

B「ほんとうに価値があるのは旅そのものだ。

昔から伝わる次のような東洋の格言がある。

「悟る前には薪割りと水汲みをやれ。

悟った後にも薪割りと水汲みをやれ」

新しく黒帯をとった者には、試験の翌日も道場に来て

最初の押さえ込みをとろうという心構えがなければならない」

(石井慧選手が金メダルを取った直後のインタビューで、

「遊びたいです。いや、練習したいです」と言った発言を

髣髴とさせる) 

 

【著者略歴】

ジョージ・レナード

1923年生まれ。1953年から1970年まで「ルック」誌の編集局次長をつとめ、アメリカの教育問題に関するレポートで多くの賞を受賞。80年代には「エスクァイア」誌に数多くの寄稿をし、連載記事「究極のフィットネス」は本書の母体となった。合気道五段の腕前を持ち、カリフォルニア州で「タマルペイス合気道道場」を主宰、指導にあたる。人間性心理学協会元会長、ITP(Integrative Transfomative Practice)共同創立者、エサレン研究所所長。本書の他、『魂のスポーツマン』(邦訳、日本教文社刊)『サイレント・パルス』『エンドオブセックス』(邦訳、工作舎刊)『学習とエクスタシー』(邦訳、黎明書房)、『与えられし生命』『合気道の道』などの著作がある。

この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。