2008年09月12日

必読本 第771冊目 トヨタ強さの原点 大野耐一の改善魂 保存版

必読本 第771冊目 

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トヨタ強さの原点 大野耐一の改善魂 保存版

日刊工業新聞社(編集), 日刊工業新聞=(編集)

¥ 2,310 (税込)

日刊工業新聞社

単行本: 206ページ

2005年12月20日 初版

 

●「トヨタ生産方式」の生みの親である大野耐一の足跡を追うと共に、

遺された語録、講演録、インタビュー記事等から、

彼の発想の原点と核心に迫る。

付属CDには講演のライブ録音を収録。

『日刊工業新聞』創刊90周年記念出版。

●先日ご紹介した大野耐一さんの

不朽の名著(必読本第759冊目参照)に大変感銘を受けましたので、

それに続けて、大野さんの人物像、トヨタに残した足跡を

一冊にまとめた本をご紹介したいと思います。

偶然入った古本屋さんに置かれていたので、

ゲットして読んでみました。

●全体は3部構成になっている。

第1部は、大野さんの直弟子として、公私共にわたって薫陶を受けた

トヨタ会長張富士夫、トヨタ元相談役池渕浩介さんの回顧録である。

大野さんの著書だけでは窺い知ることのできない、

普段の姿、人間像が垣間見れて、非常に興味深い。

現場では、ヒゲをたくわえ(どことなく田中角栄に似ている)、

いつも雷を落としてばかりいる、鬼のような人物であったらしいが、

見所のある人間だけにしか怒らない、

怒ってもしょうがない人間のことはそもそも怒らない、

プライベートでは猫をかわいがる、

自宅を訪ねてきた若手たちに、最上級の寿司を注文して振舞うなど、

実に温厚で思いやりあふれる人物だった。

●また、工場内では制帽を被るのがルールなのにもかかわらず、

大野さんがそれをしなかったのは、

いつも小言ばかり言っていたので快く思っていない部下が非常に多く、

その手の反対分子から「闇討ち」に遭ってもよい、

帽子をかぶっていないのは大野だけ、

見つけやすいように、わざと一人だけ制帽を被らなかった、

俺は死ぬ気でやっているんだ、ということを回りに示すためだったという

エピソードが大野さんの男気を感じさせる。

プライベートでは、野球、サッカー、テニス、スキー、ゴルフ、マージャン、弓道など、

何でもござれの多芸家で、仕事以外の分野でも有能な方であったようだ

(著書中、やたらにスポーツを引き合いにして

話を進めることが多かったなど、異分野の中に

発想のヒントを頻繁に見つけていたことも有名である)。

●第2部は、大野さんのプロフィールと、

トヨタ生産方式が生まれた経緯、

自動車業界、国内の経済の動きなどをまとめた内容。

第3部は、本社の社内報や講演、インタビュー記事などから、

大野さんの思想、言葉を抜粋して7本を掲載する。

写真、年表類、大野語録集

(有名な言葉はほぼ網羅されているが、個人的に特に心に残ったのは、

「百聞は一見にしかず。百見は一行(行動)にしかず」でしょうか)など、

細かなところにも色々な工夫が施され、

実に情報量満載の一冊に仕上がっている。

●付録として、「改善は日本独自の知恵の結晶」と題した

講演録を収めた音声CDがついているのだが、

これは非常にお薦めです!

(ちなみにこの講演内容をそっくりそのまま文章化したものも、

本書第3部の最終部分に収められております)

「知識」と「知恵」の違いを解説したくだりなど、

製造業特有の専門用語も極力排除され、

一般の人向けに実に役立つお話が語られております。

この音声CDだけでも、本書を購入する価値はあります。

必聴です。

【マストポイント】

@「ともかく米国のやり方とはなんでも反対のことをやっていこうと

思っていましたので、ものの考え方、国民性、生活習慣などで

日本と米国の違いについていろいろな相違点を考えました。

たとえば日本人と欧米人とでは全然反対のことが結構多いんですよ。

人を手招きで呼ぶ場合でも日本人は手の平を下の方に向けて

おいで!おいで!と呼びますが、欧米人は反対に手の平を上に向けて

カモン!とやるでしょう。

松葉などの枯れ葉を集めるのも、日本人はほうきを使って

こう引き寄せるように集めますが、欧米人はクマデを押して集めます。

ノコギリの使い方も正反対です。

日本人は、ノコギリを使う場合、引く時に力を入れますが、

欧米人は押すときに力を入れます。

例外もあると思いますが、

欧米人はどちらかといえば“押す文化”

それに対して日本人は“引く文化”でないでしょうか」

A「人間、金持ちになればどうしても改善努力やチャレンジ精神は

なくなってくる。モノづくりに人生をかける若者も少なくなっていく。

そのときにどう若者を製造業にひきつけていくか。

そのときがメーカーの正念場です。

人材不足だからといって安易に機械設備やシステムに依存するか、

苦しくてもあくまでも人づくりを大切にするか、

メーカーの命運はそこで分かれると思います」

B「一番大事なのは魅力があり、みんながついてきてくれるような

人になるということ。

それからある程度やって見せること。これが大事なことです。

そして必ずしも速くなくても、1日続くようなやり方をやって見せることが

大事です」

(「期待される監督者とは?」の質問に対して)

(以上本文より。一部改変) 

【著者略歴】

大野 耐一
1912年、中国の大連に生まれる。昭和7年、名古屋高等工業学校を卒業後、豊田紡績に入社。43年、トヨタ自動車工業に転籍。49年、機械工場長に就任、54年、取締役、64年、常務取締役、70年、専務取締役、75年から78年まで副社長を務める。その後、同社相談役、豊田合成相談役、豊田紡績会長などを歴任、1990年死去。

ラベル:大野耐一 トヨタ
posted by miura at 17:26| 山形 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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