2008年09月30日

必読本 第782冊目 あるヨギの自叙伝

必読本 第782冊目

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あるヨギの自叙伝

パラマハンサ・ヨガナンダ(著)

¥ 4,410 (税込)

森北出版

ハードカバー: 604ページ

1983年9月10日 初版

 

●ヨガを行ずる者をヨギという。

本書は,ヨガの聖者,パラマハンサ・ヨガナンダ師が,

波瀾に富んだ自己の生涯,インドの偉大なヨガの聖者たち,

ヨガの数々の奇跡を近代科学の言葉で記述した興味つきぬ自伝。

読者諸氏は,師の魅力的な人物,生涯,

そしてヨガが有する霊的世界に,必ずや引きこまれるであろう。

●先日ご紹介した船井幸雄先生の不思議な本(必読本第767冊目参照)の中で、

船井さんは、『ヒマラヤ聖者の生活探求』(霞ヶ関書房)という本を、

終生の愛読書というぐらいに繰り返し読み返し、

この本さえ読めば、他の本は不要だというぐらいに

重要な本だとまで断言されていた。

船井さんが言うぐらいだから、ただならぬ本だということは

間違いなさそうだが、全5冊シリーズの大作で、

地元の主だった書店には置かれておらず、私自身、どうしたらいいものかと困っていた。

そんな時、アマゾンで調べてみると、

その本と同じ路線の内容で大変評判が高かったのが、本書である。

●内容は、インドヨガの聖者の一人として名高い著者が

若き日々にどのようにして神を求める道に入っていったのか、

そして後述するユクテスワなどの偉大なる師たちの下でどのように修行し、

後年、母国インドを離れ、異国のアメリカでヨガ教義を広めていったのかを、

詳細に記した壮大な自叙伝である。

●全520ページ(現行版は604ページとなっている。

私が手に取った版は全524ページで、

加筆補正などが現行版ではあるかもしれない)で、

ちょっとした図鑑か辞書かというぐらいの重厚な外観。

のみならず、本文も、文庫本のような細かな文字の文章が

2段組みになってギッシリと収められている。

相当の心の準備と、時間的余裕がなければ、読破することは難しい。

私自身も、読み始めてから読了するまで、優に1週間は要しました。

●まず読了して驚かされるのが、

これほどまでに分厚い本にもかかわらず、

誤字脱字の類が全くと言ってよいほど見当たらないことである。

推敲に推敲を重ね、発刊までに何度もチェックしたのだろうか、

まさにヨガナンダの恩寵的な力が働いているのか、

そのことに非常に驚かされる。

翻訳は、「SRF日本会員」だとしか記されておらず、

誰が翻訳をしたのかが明記されていないが、

文章も実にこなれた名翻訳である。

●他の特徴としては、

何千年もヒマラヤ奥地で生き続けるという伝説の神人バジジ、

その直弟子ラヒリ・マハサヤ、ラヒリの直弟子で、

著者の終生の師匠となるスワミ・スリ・ユクテスワなどの

驚異的なエピソードに度肝を抜かされることである。

いわゆる、瞬間移動、不死現象、輪廻転生、奇跡的治癒、

空中浮遊、数十年にもわたる断食や不眠、予知夢、

虎などの猛獣との格闘、異星人、物質化現象など、

現代科学では説明不可能な不思議現象の類が

これでもかというぐらいに紹介されているのである。

この手の超常現象をいまだに疑っている、一切相手にしないという

現実主義的な人は、今までの固定観念、常識が覆されるほどの

衝撃を間違いなく受ける。

他にも、ガンジー、タゴール、ルーサー・バーバンクなど、

歴史に残る偉人との交遊録も詳細に記されていて実に興味深い。

●著者の生きた時代は、

1893年から1952年までと比較的古い時代だが、

登場人物などの写真が豊富に収録されているのも驚きの一つである。

本書の信憑性を高めることに貢献している。

巻末には、マハサマディ(ヨギの肉体離脱。一般に言うところの

「死」と同義だが、高度な境地に達したヨギは、自分から

このことを行うことができるという)直前の著者の微笑写真と、

死後その肉体が不朽現象を保った話が紹介されている。

また、書き損ねるところだったが、

著者は神の高みまで達した偉大なる聖者にもかかわらず、

我々俗人と同じように、悩み、不安感を持ち、

悲しい時には涙を流すという人間臭い面を頻繁に見せる。

このことは、多くの読者に、

「ヨガの大聖者」のイメージとはかけ離れた親近感を抱かせるはずである。

●毎日毎日、地道に読書生活を送っていると、

たまに、今回のような、まさに神の恩寵のごとき不可思議な本と出合う。

値段も少々張る。読み尽くすのも大変である。

しかし、表カバーのヨガナンダ氏の、

すべてお見通しだと言わんばかりの鋭く透明な目を見ていると、

やはり、一度は手にしなければならないなと思わせる本である。

●生きる意味を見失いかけそうになる時、信仰や宗教や精神世界の問題に迷った時、

多忙で、拝金主義的、唯物的な現世の生活に疲れ切った時、

ヨガを単なる健康法、美容法の一つぐらいの軽いレベルでしか

捉えていなかった方などにおススメです。

霧が晴れたように今までの迷妄状態から脱し、

何か体のど真ん中に強固な一本の芯が通るかのような

ある種の悟りの境地になれる本です。

ヒマラヤ奥地で2年半ヨガの聖者の下で修行し大悟した中村天風、

インドヨガに大きく影響を受けたというビートルズ、

サイババなどに興味ある方にも推薦できます。

【マストポイント】

@「水の中に居られるからといって蛙とどこが違うのか。

空を飛ぶことならカラスやハゲタカもやすやすとやっているではないか

(水中生活や空中浮遊を誇示するエセ超能力者を批判している)。

また、悪魔は東洋と西洋に同時に出没している。

まことの人間とは、人と交わって常に正しさを失わず、

日常の俗事を果たしながらたえず神を忘れない人をいうのである」

「自分の頭の中のもの(利己的欲望や野心)はわきへ捨て、

手の中のものは惜しみなく人に与え、

いかなる困難にも屈しない忍耐力だけを堅持しなければならない」

(本文より。ペルシャの神秘家の言葉)

A「わたしはいつもお前たちのクタスタ(霊的視野)の中に居るのに、

どうしてわたしの肉や骨を見に来たがるのだ」

(著者の師の師ラヒリ・マハサヤの言葉。

彼に直接会いたがる弟子や、死んでこの世に存在しなくなることを

嘆いた人々に残したメッセージ)

B「○各人が神を直接体験するための明確な科学的技法を、

世界じゅうの人々に広めること。

○人生の目的は自らの努力によって無常な人間的意識から

神の意識に進化することであることを教え、

これを普及するために、瞑想の聖所を、世界の各地に、

各家庭に、各人の心の中に打ち立てること。

○イエス・キリスト自身の教えと、

バガヴァン・クリシュナの教えたヨガとの根本的な一致を明らかにし、

かつ、その根本原理が、あらゆる真の宗教に共通した

科学的真理であることを示すこと。

○毎日科学的方法によって神を瞑想することこそ、

あらゆる真の信仰が最後にたどるべき神への本道であることを

教えること。

○人間を、肉体の病気と、心の不調和と、魂の無知の三重苦から

救い出して、自由の中に解放すること。

○簡素な生活と高邁な思想を奨励し、特に、万人がみな

神性を宿した兄弟であることを教えて、同胞愛の精神を広めること。

○心は肉体にまさり、魂は心にまさることを、人々に悟らせること。

○善を持って悪を、喜びをもって悲しみを、

親切をもって残酷を、英知をもって無知を、克服すること。

○科学も宗教も、同じ原理の上に立つ一つの体系に属することを

知らせること。

○東洋と西洋がそれぞれ育んできた文化的および霊的知識の

相互理解と交流をはかること。

○人類全体を大いなる自己と観て、それに奉仕すること。」

(著者が創始したSRF(セルフ・リアリゼーション・フェローシップ)

の目的と理想)

【著者略歴】

パラマハンサ・ヨガナンダ(1893-1952)

1893年1月5日インド生まれ。米国に渡り一生をヨガの伝導に賭けた。その著書『あるヨギの自叙伝』は、エルヴィス・プレスリー、ジョージ・ハリソン、アップルコンピュータ創業者ティーヴン・ジョブズたちの座右の書となり、世界中の霊性探求者たちに影響を与えた。1952年、マハサマディの瞑想に入り自ら命を絶ったが、その肉体は死の20日後も腐敗しなかったという証言がある。

posted by miura at 17:58| 山形 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 自伝・一日一話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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