2008年10月12日

必読本 第789冊目 厚黒学入門 中国人の世界観、人間観に学ぶ

必読本 第789冊目

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厚黒学入門 中国人の世界観、人間観に学ぶ

李 宗吾(著), 矢張 岳史(編集), 葉室 早生(翻訳)

¥ 1,575 (税込)

ランダムハウス講談社

単行本(ソフトカバー): 192ページ

2008年8月6日 初版

 

●「三国志」にみる中国人の心の底に脈打つ

DNA「厚黒」(ずぶとくはらぐろい)の思想とは?

中国社会と付き合うための方法教えます。

ビジネスに効く処方箋、熟読玩味の実践書。

●留学、海外勤務など、中国で実際に生活をされたことがある方や、

直に中国人とビジネスなどの交流がある方ならばおわかりかと思いますが、

同じアジア人で、顔も似ている、同じ漢字圏の国にもかかわらず、

中国人というものは、全く違う思考法、価値観で生きているとしか言い様がないほどに

我々日本人と正反対の性格を持つ国民である。

●たとえば、中国語を習えば、

「ごめんなさい」を意味する「対不起(ドゥエブチィ)」という言葉は、

最も初歩の段階で習う基本のあいさつ言葉である。

しかし、実際中国に行って確認してみればわかることだが、

現地の中国人の口から、この手の謝罪の言葉、

己の非を認める言葉というものをついぞ耳にすることはない。

それなりに学も社会的地位もある中国人が何か悪いことを犯しても、

言い訳、責任回避の言葉を延々と聞かされる。

自分の国が生んだ大賢人、孔子や老子などの教えをこの国の人たちは

まさか知らないのだろうかと、首を傾げたくなることがある

(10年前頃、中国北京で、短期滞在していた宿泊所の自室のカギを、

「あの日本人の友人で、物を取りに来た」という泥棒の言葉を鵜呑みにした

垢抜けない顔した若いホテル従業員の女に

私の外出中に勝手に開けられてしまい、

日本製トランクを工具か何かで強引に壊され、

中のポラロイドカメラを盗まれるという被害に遭ったことがある。

泥棒は結局捕まらなかった。

私は、盗まれたカメラの代金と、日本製のトランクの修理代を

2つとも全額弁償してもらうと主張したが

そのホテルの女社長からは、まともな謝罪の言葉はなく、

似たような見かけの、中国製の安価でしょぼいトランクを

変わりに差し出すからこれで許してくれ、

カメラは泥棒が盗んだもので我々には非はないと、

有無を言わさぬ態度で言いくるめられた。

この手のトラブルを一度でも経験した日本人は、

中国人を、一生蛇蠍のように嫌うことになるだろう。

誤解のなきように書いておくが、地位が上がれば上がるほど、

この手の傲慢な中国人の比率が高くなるが、

ごく普通の中国人の中には、日本人以上に気さくな人も少なくない)。

●中国大陸は、

遠い三国志の時代から、群雄割拠、常に戦いに明け暮れていた。

長い中国の歴史を見ても、経済的にも精神的にも、

「平和の時代」というものをほとんどと言ってよいほど

見出すことができない。

ほんの数十年前には、

頭脳明晰な学生が僻地で強制的に農業をさせられたり、

世間知らずの若者たちが、無辜の知識人、有産階級の人々を

集団で吊るし上げにするという、

我が国ではとても考えられないような

文化大革命という異常な国民運動が全土に渡って吹き荒れていた。

天安門事件、チベット暴動などを見てみればわかるように、

いまだに基本的人権などというものが正式に与えられているとは言いがたい。

北朝鮮ほどではないと思うが、反政府的な言動を行った人間に対しては、

強力な弾圧がいまだに加えられるはずだ。

●つまり、謙虚、非暴力、思いやり、正直、誠実、公平などという

日本をはじめとする先進諸国でごく当然に美徳されている

ものを生きるための基本に据えても、

中国人は、自分の命、財産、立場を守ることができない、

ウカウカしていたら、お上、敵対者にやり込められるのが

オチなのである。

国も会社も友人も、場合によっては親、兄弟、配偶者も信用できない、

自分の身を守るのは自分しかいない、

そのためだったら、どんな手段でも取るという考えが、

中国人の心の中に連綿と受け継がれてきている。

●本書は、20世紀の初頭に四川省出身の李宗吾という著述家が発表した、

処世術、権謀術数の書をわかりやすく現代風にまとめたもの。

編者によれば、本書が翻訳出版されたのは

今回で3回目だそうである(1度目は1958年)。

2度目の出版となった1978年ごろは、

田中角栄、福田赳夫などの自民党権力闘争が激しさを

増していたこともあり、政治家、官僚などに特に愛読されたという。

●タイトルの『厚黒学』という言葉に

ダイレクトに込められているように、

ある時には、厚かましいぐらいにズケズケと自分の権利を主張し、

ある時には、「昨日の敵は今日の友」「顔で笑って心で怒って」

というぐらいの二面性、変わり身の早さ(=腹黒さ)を駆使して

世の中を渡っていくことが不可欠である、ということを語った処世の書である。

●中国人伝来の、朝令暮改、二枚舌主義など、狡猾さを

学びたい人には得るところの多い本でしょう。

北朝鮮などの外交戦術を見ればわかるように、

信義にもとることを平気でする外国人との交渉の場においては、

正攻法のやり方では、全く太刀打ちできません。

私は、基本的に、人間というものを性善説の観点から眺め、

ヨコシマな気持ちなど一切持たずにつきあいたいものだと

常々思っていますが、悪事を平気でする人間が

いかんともしがたく世の中には存在する以上、

こういう裏技的な考え方も一度は押さえておいても損はないでしょう。

金融、保険、食品、教育などでも

最近は暗いニュースが多くなっております。

当然、悪事を目論む人間、油断ならない人物が

数多く出てくるでしょうから、こういう本を読んで知識を仕入れておくことも

無駄にはならないかと思います。

【マストポイント】

@「厚かましく腹黒く生きる」という厚黒学は劇薬である。

使い方を誤れば、自分が殺られてしまう。

よって、この術を使う時には、

「決してむき出しにして活用しないこと。

表面には、必ず、仁義道徳の薄皮を張っておいて、

相手に観破されないよう、特別の注意を払うこと」。

A外国人の中には、

ドラえもんのジャイアンよろしく、

「人のものは俺のもの、俺のものは俺のもの」というような

手癖の悪い、自分勝手な輩がいる。

公共の備品であっても、

「名前が書いていない。あなたのものと証明できない。

誰のものかわからないものは自分のものにしていい」、

「盗む人と盗まれる人がいたら、盗まれるような無防備な状態に

していた盗まれる人の方が悪い」と平気で主張する人がいる。

よって、紛失したくないものにはきちんと記名する、

貴重品は、他人に安易に託さないで、

厳重にも厳重を期して自ら管理することが大切である。

B「厚黒学」をビジネスに生かすための3つのポイント

1、情報の重視、管理の徹底

(インターネットが出現し、どんなに検索機能が発達しても、

砂漠の中で、一個の小さなダイヤモンドを探すようなもので、

石ころ、ゴミくず情報だけが膨大に増えただけ、

依然として、本当に役に立つ情報というものはごくごく一握りである。

また、ウェブ上の情報よりも、生の人間から得た情報の方が

有用度は高い。

また、重要情報は厳重に管理し、漏洩させないこと)

2、人間を大切にする気持ちを忘れない。

(大きな仕事は一人では達成できない。

周りの協力、支援が不可欠である。

その時に、我欲だけを重んじ、貢献のあった者に報いなくては、

恨み、反感を買ってしまう。

信賞必罰の姿勢とねぎらいの心で周囲に対応するようにする)

3、粘り強い心を持つ。

(何でも、一度や二度のチャレンジで成功するのならば、

世の中に苦労はない。

大願は、すぐには成就しないのである。

不遇の時にはひたすら耐え、チャンスの時が必ず来ると信じて、

倦まずたゆまず努力を続けること) 

 

【著者略歴】

李 宗吾
1879年四川省富順県自流井に生まれる。成都の高等学堂に学ぶ。四川省督学(教育長)、四川省編纂委員を歴任。古今の学に精通する。1943年郷里で死去。

葉室 早生(ハムロ ハヤオ)
1899年佐賀県に生まれる。北京に留学し、同学会語学校に学ぶ。満鉄を経て、満州国司法部参事官。満州国皇帝と関東軍司令官、関東軍総参謀長との通訳をつとめる。戦後シベリアに抑留され、1950年帰国。東京地方検察庁などに勤務。1979年没。享年80歳。

矢張 岳史(ヤハリ タケシ)
1950年京都市に生まれる。北海道大学に学ぶ。新規事業の企業化・上場支援のコンサルタントを経て、現在は高齢者向け住宅産業において経営企画に従事する傍ら、雑誌連載コラムやビジネス書など、多岐に渡って執筆・プロデュース活動を続けている。
 

ラベル:厚黒学
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