2008年10月19日

必読本 第793冊目 日本経済新聞「私の履歴書」名語録

必読本 第793冊目

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日本経済新聞「私の履歴書」名語録

石田 修大(著)

¥ 1,575 (税込)

三笠書房

単行本: 278ページ

2008年7月20日 初版


●仕事の極意、プロフェッショナル論、そして人生の流儀。

松下幸之助、本田宗一郎など経営者を中心に、

彼らの人生を方向付けた言葉を抜き出し、解説を加える。

●日本経済新聞の名物コラムである『私の履歴書』から、

特に著名な経営者・スポーツ選手・芸術家などを

33人集め、心に残る名言・金言の類を紹介する本。

私自身、熱心な日経の読者ではないことと、

数多くの経営者のありがたいお言葉を一冊の中で

学ぶことができるという便利さもあり、

図書館から借りて早速読んでみることにしました。

●自著の執筆に熱心だった松下幸之助、本田宗一郎、

安藤百福、野村克也、瀬戸内寂聴などの一部の著名人以外、

なかなかその苦労話や秘話を知る機会が多くない

経営者の話が読めるという意味で、やはり一読の価値のある本です。

こういう歴史に名を残した偉大な経営者というものは、

えてして、華やかな部分だけしか紹介されないことが多いものですが、

社内で陰湿ないじめに遭ったこと(リコー市村清)、

監督官庁との攻防に苦しんだこと(ヤマト運輸小倉昌男)、

目の前が真っ暗になるほどの大借金に悩まされたこと(作家佐藤愛子)、

人間扱いされないような過酷な仕打ちを、実父である

先代の社長から受けたこと(ヤナセ梁瀬次郎)など、

人には言うにいわれぬ過酷な体験をしている例が非常に多く、

とても驚かされます。

世でもてはやされる成功者というものは、

何の苦労も知らずその地位までスイスイと行き着いのではないかと、

内情を知らない我々部外者は勝手に思いがちですが、

とんでもない間違いであることが判明いたします。

●この本を読んでつくづく痛感したことは、

困難多き人生においては、いつでも己を支えてくれる、

(自分なりにアレンジした)座右の銘を持っておかなくてはならないこと、

人から笑われようが、一見実現困難に思えようが、

絶対に将来こういう会社にしたいという、

高らかな企業理念の言葉が必要だということ、の2点です。

いついかなる時も、自分の志を一言で示すことができる

人間というものはやはり強い、ちょっとやそっとでは挫折しない

(換言すれば、そういう言葉を持たない人は逆境時に滅法弱い)、

ということを思い知らされます。

●名前は聞いたことがあるが、

お顔を一度も拝見したことがない方が数名おり、

そういう意味では写真が皆無だったのは非常に残念だった。

また、読みやすさを優先したため、

文章量が比較的に少なく、ややボリュームに欠ける面がある。

1,890円(税込み)ぐらいの価格にしてもよかったから、

もうちょっと内容を充実させてもよかったかと思う。

しかし、何か将来に大志を持ちつつも、

日々の些事に何かと一喜一憂しがちな若者の方が読めば、

勇気百倍になれる本です。


【マストポイント】

@「お客様は来て下さらないもの、

お取引先は売って下さらないもの、

銀行は貸して下さらないもの」

「『冥利』(神仏が知らず知らずのうちに与える利益)

という言葉が、私は好きだ。

利益は与えられるものであり、それが商人の道、人の道に通じる。

(人や物への感謝を知らない、己の力を過信する、

人間には寿命があるなどの)

恐れを知らぬ人は、本当に恐ろしい」(イトーヨーカ堂伊藤雅俊)

A「私の関係している会社はどこにも組合というものがない。

私が徹頭徹尾三愛主義(人を愛し、国を愛し、勤めを愛する)で

貫いているからで、それも口先だけではなくほんとうに

そう思っていることを社員たちが理解しているからであろう。

いつも彼らが勤めをたのしいおもしろいこととして愛するようにと

導いているつもりだ。

そして働くことになんの心配もつきまとわない、

世界のどこにも類例のない独特の『市村産業団』というものを

作り上げてゆきたいと念願しているのである」(リコー市村清)

B「人にほめられて有頂天になり、

人にくさされて憂うつになるなんておよそナンセンス。

なぜなら、そんなことぐらいで

自分自身の値打ちが急に変わるものではない」

(中学生時代、周囲の人たちに変な噂を流されて悩んだ時に、

一人翻然と悟った言葉。

ちょっと有名になれば、根も葉もない非難や中傷を流すのが

人の世の常。それをいちいち気にしていたら、大きな仕事はできない。

アメリカの大富豪であるロックフェラー家が何世代も順調に

続いてこれたのは、「代々の資質として、鈍感さを持っていたから」だともある。

「マスコミの盛んな非難に対する防御のために、自然と、鈍感にならざるをえなかった」)

「最もよく人を幸せにする人が最もよく幸せになれる」

―これが七十余年に及ぶ人生を振り返って得た結論であり、

同時に私の信条信念でもある」(オムロン立石一真)

 

【著者略歴】

石田 修大
1943年東京生まれ。67年早稲田大学新聞学科卒、日本経済新聞社入社。校閲部、社会部を経て、文化部。ウイークエンド日経編集長、文化部長のあと94年から論説委員。一面コラム「春秋」を5年間担当し、99年7月退社。日本ペンクラブ、放送批評懇談会会員。

posted by miura at 17:39| 山形 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 自伝・一日一話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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