2008年11月13日

必読本 第809冊目 逆境力―どん底の日々がボクに力をくれた

必読本 第809冊目

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逆境力―どん底の日々がボクに力をくれた

宮本 延春 (著)

¥ 1,260 (税込)

主婦と生活社

単行本: 215ページ

2008年10月6日 初版

 

●通信簿はオール1、いじめを苦に自殺未遂、天涯孤独の中卒フリーター…。

そんなどん底の生活を抜け出し、23歳で夜間高校入学、そして名古屋大学へ。

教師として活躍する著者の、「人生は変えられる」というメッセージ。

●極貧、成績不振、暴走族など、悲惨な境遇から

名物教師になったという、よくありがちな路線の本です。

本書の著者は、すでに何冊か本を執筆出版されているようだが、

私自身、教育者を目指しているわけでもないので、

あまり今まで興味を持てなかった。

本書は、教育分野にとどまらず、一般の人にも元気を与えてくれそうな

内容だったので、図書館から借りて読んでみました。

●カバー写真の、爽やかな風貌に似合わず、

小学生時代に同級生からひどいいじめを受け、

自殺未遂まで起こすほどに思い詰める。

のみならず、生まれが養子で、

育ての父が酒乱、日常的に虐待を受ける。

そして、10代の内に育ての父母が相次いで死んでしまい、

親戚との付き合いも全くなかったため、文字通り

天涯孤独の身になってしまう。

中学卒業後、名古屋大学の大学院まで卒業し、

高校の物理教師になるまでの顛末は、

本書を読んでいただくとして、ちょっとそうそう世の中では

見かけないだろうというような悲惨な子供時代を過ごされて来たようである。

兄弟も親友もいない、文字通り一人ぼっちで人生を生きてきたという意味では、

あの『ホームレス中学生』が色褪せるぐらいに、本書の方が壮絶度は高い。

●本文には、今つらい状況下を生き抜いている若者が

勇気付けられるメッセージを数多く見出せるが、

とりわけ第4章「なにもかも投げ出したくなった時はどうすればよいか」は必読。

心にズシンと響く言葉が次から次へと出てくる。

下にも何点か書きましたが、

他にもメモしておきたいような、感動的な言葉を数多く見つけることができます。

最終章には、教育者として名高い陰山英男さんとの対談がおまけ的についているが、

独学で成績を上げる方法、夢を達成するためのモチベーションアップの方法が

紹介されているという意味で、社会人の方にも得るところの多い本です。

●人に言うにいわれぬ悩みを抱えて孤独に苦しんでいる人

(著者の子供が2人とも、先天性の深刻な病を抱えているという話も出てくる)、

効果的な勉強法がわからず、なかなか成績が上がらない人、

自分の夢のための第一歩がなかなか踏み出せずに悶々としている人には、

非常に勇気と感動を与えてくれる本です。

内容の素晴らしさのわりに、注目度が低いような感じがありますが、

教育関係者、親御さんにも是非ともご一読をお薦めしたい名著です。

 


【マストポイント】

@「やった人間はできるようになるが、やらない人間ができるようにはならない」

「うまいと思う音楽プレーヤーがいたら、その人は天才ではなくて努力家だと

思ってください。そんなフレーズが簡単に弾けるようになるほど、

あんな難しいテクニックが使いこなせるほど、その人は練習したのです。

もしその人にベースをどれぐらい練習したのか、その練習量を聞けば、

《そこまで練習したならできてあたりまえ》と思えるほど練習しているはずです。

自分も《できてあたりまえ》と思えるくらい練習して、

努力を惜しまないでください」

(私事で恐縮だが、子供の頃入っていた

バスケットボールチームは県を代表する強豪チームで、

365日一日も休まないほど練習が厳しかった。

毎日、何時間も色々な場所からシュート練習をしていると、

余計なことを一切意識せずとも、シュートが魔法のように

ゴールにスポスポと連続的に入るようになる。

あたかもボールにヒモがついていて、ゴールまで自然と吸い込まれるかのように。

スポーツでも勉強でも仕事でも、毎日長時間やっていると、

「無意識でできてしまう」という超人的なことが可能となるようだ)

A「苦労話は山ほどありますが、これらの経験を通して思うことは、

「なぜ自分だけが」という気持ちにとらわれていては、

絶対に次のステップへは踏み出せない、ということです。

もともと世の中は厳しいもので、甘やかしてくれるのは

親か学校の先生くらいなものです。

そのぬるま湯にどっぷりと浸かっていると、

「どうして自分が」という気持ちに押し流されてしまいます。

これを防ぐには、

「私が過酷な環境に置かれていたのは、私だけの責任ではありません。

しかし、その状況から抜け出せないでいるのは私の責任です」と思うことです。

いろいろ考えていましたが、私は苦しみも悲しみも受け入れようと

無意識のうちに決意しました。

人生を投げ出してもなんの解決にもならないからです」

B「大切なのは《自分が選択する》ということであり、

その選択の《責任を全部引き受ける》覚悟を持つことです。

それがもっとも大事なことなのです。

自分で納得し、責任がもてるのであれば、

他人の目や人の意見はそれほど気にすることはないのです。

もちろん、新しい考えかたやいろいろな意見を聞くことは大切ですが、

それに振り回されてはいけません。

他人に意見を無視するのではなく、いちばん大切にするのは、

自分の気持ちだということです。

他人の意見に振り回されていては、裸の王様のように人の価値観にとらわれて、

自分が丸裸であることにすら気がつかなくなってしまいます」

(著者が見習い大工の仕事をしている頃、

ミュージシャンを目指す、高校、大学に進学して勉強すると宣言しても、

まわりはこぞって反対したが、

「これをやらないで終わったら一生後悔する」と思い、

自分のやりたいことに賭けた。すると道が開けた)


(以上本文より。一部改変。

断腸の思いで上記のものだけに絞りましたが、他にも名言が非常に多いです)

【著者略歴】

〈宮本延春〉1969年愛知県生まれ。見習い大工、フリーター、定時制高校、名古屋大学を経て、豊川高校教師。著書に「オール1の落ちこぼれ、教師になる」「キミのためにできること」など。

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