2008年11月14日

必読本 第810冊目 中国で、呑んだ!喰った!キゼツした!

必読本 810冊目

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中国で、呑んだ!喰った!キゼツした!

江口 まゆみ (著)

¥ 1,680 (税込)

日経BP社

単行本(ソフトカバー): 232ページ

2008年9月22日 初版

 

●「酔っぱライター」の異名を持つ著者が、命がけで中国全土を回り、

日本でまったく紹介されたことのない

「本当の中国料理と中国のお酒」を「身をもって」紹介する本。

●中国大陸の珍しい地酒を探し求める女性ライターの旅行記。

私自身、ここ数年間、中国に行く機会がないため、

図書館でこの手の本を見つけると、できるだけ読むようにしている。

●元々は、2007年10月から2008年8月まで、

日経系のホームページに連載されていたものらしい。

著者は、別名「酔っぱライター」として、

世界の珍しい地酒を飲み歩くことをライフワークにしている

という。

一泊100元(現在の詳しいレートがわからないのだが、日本円にして大体1,400円ぐらいか)

ほどの安宿を泊まり歩きながら、地元の造り酒屋や、

食堂、ホテルなどで出会った中国人やお酒との面白話を綴った内容となっている。

訪れた場所は、上海、広州、重慶、成都、桂林、昆明など、内陸部が多い。

●焼酎、日本酒など、濃厚なお酒が好きな人にはたまらない本でしょう。

中国人の酒の付き合い方(普段は全く飲まないが、飲む時は底なし沼で

飲む人がいるかと思えば、「酒も仕事の一部」とばかりに、

昼も夜も接待と称して、飲んでばかりの社用族の人など)や、

バックパッカー的な中国貧乏旅行マニュアルとして読んでも

有用な本でしょう。

銘酒には必ずニセモノが出回り、その真贋をめぐるエピソードや、

タクシー、ホテル、列車での、悲喜こもごもの値段交渉エピソード、

アサヒスーパードライが日本と中国のものでは味が微妙に違う

(中国では、ギンギンに冷えてないビールを出す店も多い)などという

お話も面白かったです。

●冒頭に、訪れた場所のスナップがカラーで一気に掲載されているのだが、

やはり、本文を読みつつ、その写真を確認するという作業をするということを

考えると、本文中に挿し込んだ方が良かった

(文章がメインの本だとはいえ、やはり、

関口知宏さんの中国大紀行の本(必読本第625冊目参照)のように、

写真メインの作りにする方が読者には読みやすかったでしょう)。

また、「酒紀行」と謳ったわりには、酒自体の写真が少なすぎる。

カメラマンとの二人旅だったのだから、

本文で紹介した酒はすべて掲載するぐらいのことはすべきだった。

登場人物の写真が少ないなど、写真数をケチったのはマイナスポイントです。

●大したトラブルもなく、中国大陸女二人旅を無事成功させたようですが、

あえて中国経験者として一言書いておくと、

本書にもあるように、一般の市場、屋台では、

儲かれば多少のことは気にしないとばかりに、

ニセモノの酒を平気で売っていたり(戦後、闇市で買った粗悪な

酒を飲んで目がつぶれたという人が日本ではたくさんいたらしいが、

同様な事件が最近の中国でも発生したと本書で記されている)、

食モラルに鈍感で、禁止されている野生動物を提供したり、

あまり火を通さないで料理を提供したり、

ミネラルウォーターと称して、水道水を入れて売っている店はいまだに

たくさんあるようです。

汚濁極まる公衆トイレや、開発ラッシュで大気が公害のように汚れている

都市部の道路事情を考えますと、

マスク、濡れティッシュ、手袋、マイ箸、マグカップ、正露丸、強力わかもと

などの整腸薬、帽子、ノド飴(空気が乾燥していてノドをやられる)などは

旅の必携品と言ってよいでしょうね。

●併せて、本書の旅も、関口さんの旅も、

日本のマスコミがバックについているということがしっかりと現地人に

伝わっていたであろうから、おそらく、過剰なぐらいにフレンドリーだったわけで、

若い女性の中国貧乏一人旅は、やはり、レイプ、誘拐、強盗などの

危険性が高いことを考えると、あまり賛同はできません。

日本でも無計画な一人旅が円満に成功することがないことが多いことを

考えればわかるように、安易な海外放浪旅行などというものを、

テレビや本の影響を受けて軽はずみに実行すべきではないでしょう。

変なトラブルで後悔したくなかったら、

海外旅行傷害保険には必ず加入して、

ホテルはそれなりに定評のある所に泊まり、

列車、飛行機のチケットは手数料を払ってでも、旅行社で手配し、

おみやげはしっかりとしたデパート、免税店などで

買うということがやはり基本でしょうね

(本の企画として、このような「飲兵衛貧乏旅行」を実行したわけであって、

昼間から高アルコールの酒を平気で飲んだり、

大して知り合いでもない現地人とその場のノリで酩酊するまで飲んだり

(睡眠薬を入れられたら、ひとたまりもない)、

値段が安いという理由だけで、防犯上、不安が高い安宿に泊まるということは、

常識で考えれば、全く無防備であると言わざるをえない。

大酒を喰らって醜態を晒すということが恥だとされる国が多いのも、

ひとつの常識として知っておきたい)。


※今回は旅行記ものなので、マストポイントはお休みいたします。

 

【著者略歴】

江口まゆみ
神奈川県鎌倉生まれ。早稲田大学卒業。酒紀行家。「酔っぱライター」として世界の地酒を飲み歩く旅をライフワークとし、酒飲みの視点から、酒、食、旅に関するルポやエッセイを手がける。これまでに旅をした国は20カ国以上、訪ねた日本酒・焼酎・地ビール・地ワインの蔵は100カ所以上にのぼる。SSI認定利き酒師、JCBA認定ビアテイスター。



ラベル:江口まゆみ
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