【こういう物騒な事件も世の中で起こりうると考えて生きるしかない】
●厚生省の高級官僚を狙った連続殺傷事件の犯人が
逮捕され、その生活や性格の無軌道ぶりや、
意味不明な犯行理由などが次々と明らかにされ、
世間を震撼させている。
●こういう事件が起こってつくづく恐ろしいと思うのは、
この犯罪者が犯した罪の内容そのものよりも、
この手のタイプの犯罪をいつ犯してもおかしくないような
人間が世の中にゴマンといるという事実である。
取るに足らないことを、何年も、何十年も恨みに思って、
いつか復讐してやろうと企んでいる者がいる。
人並み以上に被害妄想的で、何でも悪意に捉え、
細かいこと、自分に無関係のことでさえ、
隣近所や店舗にクレームをつけてくる者がいる。
実名や写真を挙げたくてウズウズするぐらいだが、
私が在住している山形県酒田市という田舎も田舎でも、
その手の人物はいくらでも存在する
(田舎の人間の、何が嫌かと言えば、
自分の家庭のことは棚に挙げ、
隣近所のプライバシーに首を突っ込んでくる
オバタリアン連中の余りの多さである)。
●詳しいことはわからないのだが、
くだんの犯人は、職にもつかず、必要最小限の用件以外は、
ほとんど外出せず
(無職にもかかわらず、家賃などを一切滞納していなかったことが
話題になっているが、おそらく、サラ金で借りているか、
理工系で人並み以上にパソコンの知識は持っていたようだから、
ネットを使った、合法、違法取り混ぜた、
各種の収入源を持っていたのだろう)、
一日中インターネット、テレビ、DVDなどに噛り付くような生活を
何年も送り、外部の人間との交流が全くなかったこともあり、
過去のごくごく瑣末な個人的体験を自分の心の中で歪曲、増幅させ、
何かの事情でその憤懣が一気に爆発し、
今回の事件に及んだと見るしかないだろう。
●「本当に嫌な世の中になった、怖い世の中になった」と
言ってしまえばそれまでだ。
しかし、そんな剣呑な世の中であっても、
大過なく生きていく方法を我々は模索していくしかない。
拙いものばかりだが、私が現状で考えた方策というものは
以下のようなものである。
●個人情報、つまり、
現住所、(一般、ケータイともに)電話番号、勤務先などは
今一層の厳重な管理が求められる。
ネット上に公表するなどもってのほか、
ごくごく親しい者以外には一切教えないということを
徹底すべきである
(名簿業者、電話帳というものが合法的に存在する以上、
同窓会名簿、NTT電話帳などというものにも
掲載することが憚れる時代になった)。
あの勝間和代さんは、自著で、
ケータイの番号を数年毎にわざと変更し、
その段階で、交際しても良いと認める人物だけに、
自分の方からケータイの番号を教え、人間関係の整理をしている
という人のエピソードを書いていた。
非通知拒否設定をしていても、その着信が残っていれば、
誰がかけてきたのだろうと、やはり気分が悪いものである。
ケータイを用途別に2個持ちして、付き合う人間を自分で選別するなど、
色々と対策を考えなくてはいけない時代となった。
●見知らぬ者から自宅に電話などで問い合わせがあっても、
「本人から連絡させます」と言って、
勝手に他の家族の個人情報を一切教えないこと
(振り込め詐欺、ストーカー対策上も大切だ。
家族しか知りえない共通の合言葉を事前に作っておき、
それに返答できない人物は一切相手にしない、というのも重要)。
また、宅配便を装って玄関で襲われたという内容を考えると、
宅配業者、郵便業者、新聞配達人という職種に関わる人物も
安易に信用できない時代になった。
自宅への訪問を嫌うタイプの人は、
荷物を営業所や郵便局で留置きしてもらうことを
習慣化させた方がいいだろう。
●また、それなりに社会的地位の高い人や高収入者などは、
自宅のインターホンに防犯カメラを設置するということが要求される。
その設置が無理ならば、通常、玄関ドアは施錠し、
自宅のピンポンを鳴らされても、いきなりドアを開けず、
「何かと物騒な世の中なので、どんなご用件でしょうか?」と
来客者の素性、用件をドア越しに問い質し、
無用な場合は「間に合ってます」(例・新聞、宗教の勧誘)とか、
「ちょっと今風呂に入っています(電話中です)から、
こちらから連絡します」(知り合いの場合)とか、
顔を出さないで告げるぐらいの機転を利かせた方がよいだろう。
そこまでしなくてもと思うかもしれないが、
今後、類似犯が起こる可能性があることも考えると、
それぐらいの注意深さは当面必要である
(玄関の靴の数や、パッと見た廊下や部屋の状況だけで、
犯罪者や狡猾なセールスマンは、
内部状況を瞬時に把握するものである)。
結局、一見して危ない感じがする連中、
素性が知れていない連中は、
家には上げない、個人情報を伝えないようにするしかない。
●商売を経営されている方で、
これはちょっと困るなあ、というタイプの迷惑客が来たとしたら、
角が立たない方法で、
自然と来店しなくなる方法を考えるしかない
(石原明さんの本のタイトルではないが、
ある種のお客さんのことは「断ることも覚えなくてはならない」)。
たとえば、迷惑客が来店したら、
店員だけでわかる合言葉(デパートの店内放送のような符丁)を
作っておいて、社長や店長をはじめ、すぐに勢揃いし、
無法、迷惑行為をやらないようにじっと監視するとか、
あらかじめ警察、警備会社などに事情を話し、
あまりにも無茶な行為をし始めたら、すぐに通報するとか。
地元の交番のおまわりさんと日頃から仲良くなって、
定期的に店に顔を出してもらうというのも、
クレーマー対策上、非常に効果的である
(パトカーがいつも店前に横付けされていると、
ナメたことをやってくる連中が寄り付かなくなる)。
●隣近所で迷惑行為を繰り返している者がいれば、
匿名で(実名だと、仕返しされる可能性がある)
警察、自治会などにパトロールを要請することが大事だろう。
特に、違法駐車、深夜の徘徊、下着泥棒、ゴミ出し違反、
子供への付きまといなどが発生したら、
早めに通報しておくことが大事だ。
何でも、芽が小さいうちに摘んでおくことが肝心。
放置すれば、必ず後で大事件に発展する。
警察、自治会はそれが仕事なのだから、遠慮なくお任せすべきだ。
●私の実家の両親は、小さなアパートを経営し、
十数年間に渡って、色々な賃借人との「攻防」を経験している。
そのことを踏まえ、
アパートで間借りする人間のことに関しても数点書いておきたい。
まず、部屋を借りたいと言ってくる人間の面接は、
慎重にも慎重を期さなくてはならないということだ。
職業、実家の連絡先、家族構成、婚姻歴、
飲酒、喫煙、自家用車などの確認、
住む本人と会わず、また、本人に部屋の下見もさせずに
部屋を貸すなどもってのほかである。
また、初対面の段階で、「おや?」と不審に思うような点が
ある人物は、
まず間違いなく何かしらのトラブルを後年起こすという
(例・家賃の滞納、ボヤ火災、禁止されたペットを飼う、
酒を飲んで深夜に騒ぐ、
内装を一新したのに、入居後、超短期で出て行ってしまうなど)。
今は、空室に悩まれているアパート経営者も多いので、
少しは条件を妥協しても、
誰かに住んでもらいたいという方も多いことだろう。
しかし、やはり、ここは心を鬼にして、
好ましからざる人物には一切部屋を貸してはならない。
絶対にろくなことにはならないからである
(職業、人種差別ではないが、
やはり、公務員、銀行員、教師などの
お堅い職業の人は問題を犯さない人が多かったが、
タクシー運転手、土建労働者、生活保護者、外国籍の人は、
問題人物が多いという傾向もあったそうだ)。
●本当に予想外なことがいつ起きてもおかしくない時代である。
備えあれば、憂いなし。
あらゆる対策を事前に立てるしかない。