必読本 第835冊目
自分でも不思議なほどに クレーマーを味方にしてしまう私の方法
浦野 啓子 (著)
¥ 1,575 (税込)
明日香出版社
単行本(ソフトカバー): 245ページ
2008年10月14日 初版
●イギリス大使館、医療法人徳真会グループ、NTT、気象協会、
第一三共株式会社、東芝、日本赤十字病院、ヤマハ、各地商工会議所など多数。
初期段階で食い止める“浦野流クレーム対応テクニック”
30年にわたる数々の指導実績の集大成。
●経済不安など、先行きが見えないご時勢もあり、
世の中には、ちょっとしたことが我慢できず、
イライラを募らせている人を数多く目にします。
ご商売を経営されている方も、
なんでこんなしょうもないことで言いがかりをつけてくるのか?
お店側には落ち度はない、単なるお客側の個人的な悩みや不満を
ウップン晴らしのように持ち込んできているだけではないか?と、
頭を抱えるような事例も多いのではないでしょうか。
商売は、こちらが求めている層のお客さんだけ来てくれれば
話は早いのですが、想像を絶するようなことを言ってくる人が
たまにいますので、本当に油断できないものです。
●本書は、先日ご紹介したばかりの本(必読本第826冊目参照)の
著者、コミュニケーションインストラクター
浦野啓子さんのクレーム対応マニュアル本です
(余談だが、本著者は既に多数の著書を上梓されているようだが、
本書のようにタイトルのネーミングセンスが秀逸なものが少なくない。
本のタイトルのつけ方は、もっと研究されてもいい分野だと思う)。
●そもそも、商売におけるクレームとはどういうことなのか、
お客さんが粘着質のクレーマーに変容するのはなぜなのかという
「クレーム」の定義、基本概念を丁寧に解説した冒頭部分は特に精読したい箇所である。
著者が喝破しているように、世の中の商売人は、
実際には大したことがないのに、必要以上にクレーマーを
怖がって、その怖がり様にクレーマーが増長して
更にしつこいクレームをつけてくるという
悪循環に陥ってるケースが非常に多いとのこと。
そもそもの基本の大前提をおろそかにしているから、
あらゆる種類のお客さんを、出もしないお化けのように
クレーマーになるんじゃないかとビクビクと怖れなくてはならないのである。
●第2章ではクレームをものともしないコミュニケーションスキルアップの
ための自分作りの方法を、第3章ではクレーム対応の基本テクニックを、
第4章ではクレーム実例集全15シーンを、
第5章では特に電話でのクレーム対応テクニックを、
最終第6章では、本当の意味での厄介なクレーマーを全6種類挙げ、
その対応術を簡潔に記すという内容になっている。
全240ページだが、わかりやすいイラストや図解、ポイントなどが
適宜挟み込まれ、全体的なまとまりも非常によく、読みやすさは最上である。
この一冊をボロボロになるまで使い込めば、
類書は不要じゃないかというぐらいに充実した内容となっている。
●ビジネス実学系の出版社が出した本だけに、
非常に実践的に、具体的に作り込まれているのがうれしい。
ただ、内容的には膨大なので、
一読しただけではすべてマスターするのは困難でしょう。
特に有用な部分を個人的に暗誦して繰り返し練習してみたり、
全社的にクレーム対応マニュアルの教本として採用して、
特に大事な部分を集団で練習したりなどするという使い方をすると良いでしょう。
業種を問わず使用できる汎用性もうれしいところです。
【マストポイント】
@【クレーム対応の心得3か条】
1、クレーム対応は、怖くない(放火される、拳銃で撃たれる、自分が解雇される、
会社が莫大な賠償金を払うなどという最悪な事態まで行くことはまずない)
2、クレーム客が皆、クレーマーではない(クレームの中で、いわゆるクレーマーのものは全体の1割。
更に、金品を要求する悪質クレーマーは、その中のほんの一握りである。
ほとんどのクレームは、常識人が持ち込む、根拠のある苦情で、怖れるには足らない)
3、あなたに悪意があるのではない(ほとんどのお客は、従業員の個人攻撃を
目的としているというよりも、お客側の「心の問題」でクレームを言ってきている)
A「クレームのお客様、クレーマーは寂しい、
誰かに構ってほしい人がほとんどである」。
よって、彼らへの対応は、距離をおかず、親身になって話を聞いてあげると
いうことが基本となる。
「北風と太陽」の寓話のように、
自分が太陽のような、暖かく、思いやりあふれる存在になれば、
怒り狂っているクレーマーも感化されて、自然とおとなしくなる。
B怒っている人を怖がる人は多いが、
「怒るのにも体力が必要である」。
30分から40分ぐらいがずっと怒っていられる平均的な時間で、
どんなに体力がある人でも、最長で1時間10分というデータがある。
つまり、どんなに頑健な人でも、永遠に怒っていられるわけではない。
怒りというものは一過性のものなので、
怒りの炎を出し切るまで、相手に言いたいことを言い尽くさせて、
こちらは、ひたすら黙って待っているのが賢明である。
怒っている人へは、言いたい胸の中をスッキリさせて、
楽にしてあげるのが最善の策。
(以上本文より。一部改変)
【著者略歴】
浦野 啓子
東芝商事を経て、対話総合センター入所。上級インストラクターとして、多くの企業・団体で社員教育を担当。その後コミュニケーションインストラクターとして独立し、現在に至る。管理職研修、接客応対研修、営業マン研修、新入社員研修、インストラクター研修などを手がけ、「育てる研修」に定評がある。元産業能率大学東京事業本部講師。(財)日本電信電話ユーザー協会テレコミュニケション講師。企業診断電話コンクール審査員講師。






