2009年01月26日

必読本 第846冊目 決断力。 人間「東国原英夫」から何を学ぶか

必読本 第846冊目

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決断力。 人間「東国原英夫」から何を学ぶか

東国原 英夫(著)

創英社

¥1,575(税込み)

ソフトカバー:247ページ

2008年11月25日 初版



●人間・教育・成長とは何か?

宮崎県知事、東国原英夫が赤裸々に明かすその人生のメッセージとは。

●行動派の知事として、地元宮崎県のみならず、

全国的な人気を誇る東国原英夫知事の自伝。

実父は、合法、非合法何でも手広く行う、昔よくいたタイプの豪腕経営者で、

新奇なものにも詳しく、仕事は抜群にできるのだが、

妾を何人も囲い、酒を飲めばすぐに暴れていたという。

東知事は、その実父西村英治の妾さんの子供で(上に姉がいて、2人兄弟)、

学童期は、普通の家庭ではとても想像できないような、特異な家庭環境であった。

あまりの酒乱と自宅を放火されるなどの事件で、その関係に疲れ切ってしまい、

結局母子3人は父と離縁、与えられた豪邸を出て、ボロボロの長屋暮らしを強いられる

(ネットで調べると、実父は仕事上で非常に敵が多く、揉め事は日常茶飯事、

本書では触れられていないが、悲惨な最期であったようである)。

その後、母は現姓の東国原利夫さんと正式結婚するのだが、

この方は、実父と180度違うという朴訥、無感情の地味な男性であった。

事業家だが問題人物だった実父と無口で目立つことを嫌った養父という

対照的な2人の父親、

言うに言われぬ苦労を散々舐めてきたが、働き者で教育家で人格者だった母親、

ここらあたりの家庭環境は、後に師匠となるたけしさんとの

共通点が見え隠れし、非常に興味深い。

●妾の子供だといじめられるので、勉強もスポーツも人並み以上にがんばり、

文武両道の優等生だった。

サーカスで、小人というハンディを背負いながら、

人を笑わすことに命をかけていた「オサムさん」との

出会いなどに感動し、お笑い芸人になることを決意し上京

(大学受験料、入学金、授業料などとして、

養父から渡された100万円を東京で豪遊して半分ほど浪費してしまい、

先に合格発表のあった専修大学分のお金しか残っておらず、

やむなく入学手続きを完了。実は合格していた早稲田大学を蹴ってしまい、

友人から後でその事実を知らされるという珍事も犯す。

後年、早稲田大学に入り直したのは、そういう縁もあるらしい)。

●たけしさんに弟子入りしてからの(出身地を宮崎県だと告げたのに、

宮城県と間違われてしまい、東北弁の練習をひそかに行った)、

芸能活動に関する記述には、ほぼ初めてというぐらいの秘話が次々に語られている。

最近のたけしさんの本と読み比べてみると、

東さんが所属事務所を辞めて政界入りを決意したくだりには明らかに相違点がある。

つまり、たけしさんは自著で、自分は東には一切ノータッチの姿勢だったと書いているが、

真相はそうではなく、選挙に応援に行かなくてもいいのか、もし県知事選挙で落選しても、

芸人として戻る場所は用意しておいてやるからな、という実に親身な態度で

送り出していたのである。

この事実は間違いなくホロッと来る。弟子と師匠とはかくあるべきだと思わされる。

度重なる謹慎中に和田アキ子、上岡龍太郎、島田紳助などに助けてもらったこと、

成功するお笑い芸人と消えていくお笑い芸人の分析など、

芸能界を語った部分には、実に鋭い着眼点が示されております。

●たけしさんのお笑い芸人としての才能の秘密、フライデー事件、淫行事件でマスコミ不信になったこと、

マラソンを始めた経緯、かとうかずこさんとの離婚の内幕、

「日本一飛行機に乗る男」なのにマイレージは貯めない、などに関しては

非常に細かい部分まで語られているが、

元軍団だった現在の秘書、相方だった大森うたえもんとの出会い、

一度目の結婚や、手切れ金を渡したという最近まで交際していた

女性とのことなど、師匠直伝とも言える女好きの性格などには全く触れられていない。

写真や本文を見ると、ある程度の期間を取って、

ホテルかどこかで、ロングインタビューを行ったものを

筆記して一冊にまとめたものようだが、

現役知事だという事情もあるのか、問題ある部分は絶妙にカットされている。

●総合的に言って、相当の分量がありますが、読み始めたら止まらない面白さがあります。

一政治家として、私心をなくし、人々のために身を捧げるということは

どういうことなのか、

地獄の底から這い上がってくる男の生き様とはどのようなことなのか、

読後には、熱い炎がメラメラと湧いてきます。

この本を読了したら、たけしさんがテレビで語っていた、

「東がもしかしたら総理大臣になるかもしれないよ」という冗談半分の発言も、

あながちウソじゃないな、本当に日本を変革するのはこの男しかいないな、

と思わされてしまうものがあります

(オバマ大統領も東さんも、短髪でスリム、何となく雰囲気が似ている)。

地方の県知事レベルで終わる人じゃない。

知事任期終了後に、中央に打って出るのはほぼ間違いないでしょう

(昨年末、麻生首相とたけしさんが都内の料亭で秘密会談をしたことが

大きく報道されたが、まさか、首相がたけしさんに、

師匠だから、東さんを自民党から総選挙で出馬してくれるように頼んでくれと

お願いしたのか、という見方までしてしまう)。

●現役知事で、ちょっとしたスキャンダルが政治生命に関わるのが

明白なのにもかかわらず、

これほどまでに、己の「すねの傷」を赤裸々に晒しまくるというのは、

ある種の命がけの精神、本気さ、真剣さがなければできないこと。

過去の恥ずかしい職業、出自、病歴などというものは、誰でも

隠蔽したくなるものだが、包み隠さず開陳した方が、

逆に、世の人々の共感、感動を得られるという好例。

年齢サバ読みや愛人の存在など、スキャンダル隠しに腐心している芸能人、政治家、経営者や、

言うに言われぬ過去のトラウマに一人悩まれている方、

人生のどん底状態で苦しんでいる方、

本気で、自分の人生を、日本を変えたいという気概に燃えている方などは必読です。

最近読んだ自伝モノとしては文句なくオススメですよ。



【マストポイント】

@「人間、いつどん底におちてしまうかも分からん。

じゃけん、いっつも辛抱する稽古をしちょっとよ」

「恥ずかしがってちゃ、生きていけない」

(東国原知事の母の言葉。

本妻ではない、金持ちの愛人という特殊な立場であった東知事の母は、

世間からの厳しく冷たい視線の中で、いつ男から捨てられるかわからない、

よって、どんなものにも屈しない、不動の精神で生きていかざるをえなかった。

東知事の芸能界の親友、とんねるず石橋貴明さんも、たしか、

父親の会社が倒産、妾の子供であったはずである)

A「自分がやらなきゃ、何も始まらない。

私は徹底した現場主義者を自負している。自分が進んで行動するということを、

生きる際の理念、哲学として持っているつもりだ。

口でいうだけ、というのはあまり好きではない。

理論武装をして、ロジカルな部分だけを突き詰めていくという作業は

自分のスタイルではない。まずは行動が伴わないと、と思っている。

知事室のデスクの前で思案しているだけでは、実感出来ないことがたくさんある。

地域地域に住む住民の方々の声を聞かずに、物事を判断することは出来ないと考えている。

生活観や本音というものは、自分自身で感じて、自分自身で聞く。

そもそも、自分の眼で見たこと以外は自信を持って話すことが出来ない。

知事自ら動けば、当然職員の方々も動かざるを得ない。

とにかく、自ら率先して動き、自ら実践する、動くことが当たり前となっている」

B「時代が変わるように、システムも構造も変化していく。

変化というのは、ついて行くものではなく、自分自身で作り上げるものだ。

変化に追随していると、必然的に後手後手に回ることになる。

変化というものは、それほど急激なのである。

変わるには、あるいは変えていくには、大きな勇気が必要なのだ。

古い自分を捨てて、新しい自分に生まれ変わるのである。

変わることに対して勇気も迷いも怖がることもない。

時代を変えた人達は、みんな一般法則が通用しないような人だったのではないだろうか。

常識を変えた人達が、世界の頂点に立っているのではないかと思う」

(以上本文より。一部改変)



【著者略歴】

東国原 英夫
1957年9月16日、宮崎県生まれ。専修大卒業後、ビートたけしの一番弟子として芸能界で活躍。2004年、早稲田大学第二文学部卒業。その後、再び同大政治経済学部入学。06年3月、同大退学。宮崎県知事選立候補を表明し、07年1月に当選。“宮崎のセールスマン”として奮闘中。








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