2009年02月17日

必読本 第857冊目 絶滅食堂で逢いましょう―なぎら健壱が行く東京の酒場・食堂・喫茶店

必読本 第857冊目

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絶滅食堂で逢いましょう―なぎら健壱が行く東京の酒場・食堂・喫茶店

なぎら 健壱 (著)

¥1,575(税込み)

徳間書店

ソフトカバー:111ページ

2008年10月31日 初版



●「おねえさん〜、もう一杯もらおうか!」

今、訪れておかねばならぬ店がある。今、呑んでおきたい人がいる。

だからほら、アナタも行かなくちゃ。「食楽」人気連載が単行本化。

●フォーク歌手でタレントのなぎら健壱さんが、

東京の、ちょっと変わった食堂、居酒屋、喫茶店25店舗を巡るグルメガイド。

誤解を与えやすいが、タイトルの「絶滅食堂」とは、

カリスマシェフやミシュラン3つ星などという小じゃれたものとは全く無縁の、

その土地の人々に長く愛されている昔風の飲食店のことを、

やや自嘲的に指したもの。

大手外食チェーン一辺倒の世の中でも、たくましく営業をし続けている

名店珍店を、豊富な写真(カメラにも造詣の深いなぎらさんの

スナップも何点か掲載されている)と軽妙洒脱な文章で紹介する。

●本書で紹介されているお店は、大手外食チェーンのように、

儲け一辺倒、効率重視でやっているお店ではない。

お客さんに喜ばれる心憎い接客、遊び心満載の内外装、明朗かつ良心的な価格、

そして、どんなわがままな希望にも柔軟に応えてくれる豊富なメニューを旨としている。

よって、お客は自然自然と繰り返し通い、常連さんになってしまう。

来店すれば、必ず店の人が笑顔で出迎えてくれる、きさくに声をかけてくれる、

その場に居合わせた初対面の他のお客さんともすぐに意気投合してしまう。

たとえ手持ちが寂しくても、何がしかの手料理とお酒で腹一杯になれる。

忘れかけた昭和の香り、日本の原風景を思い起こさせてくれる。

経営者のエピソードにもホロリとさせられるものが多い。

東京在住者は、本書片手に立ち寄りたい気分にさせてくれるお店ばかり。

●最近の外食屋さんは、どこもかしこも無愛想な店員ばかりで、

ちょっとコーヒー1杯頼んでゆっくり読書でもしようかなと思っても、

長居されたら迷惑だ、みたいな顔で、

露骨にカウンターの中から睨まれたりすることも珍しくない

(コーヒーおかわり無料という喫茶店が本当に少ないのが嘆かわしいことである)。

しかし、本書で登場している店主、女将さんなどは、

店の回転率を上げるためにお客を急かすようなこともないし、

酔客のあしらい方も巧いし、常連さん、一見さん分け隔てなく親身に接客してくれそうな

方ばかりで、非常に好感が持てる。

飲食業従事者の方は、飲食店経営をするということの「初心」を

思い起こさせてくれる本です

(しかし、最近の首都圏の再開発ラッシュの波の中で、

本書で紹介されているお店の多くが、向こう20年後に生き残っているのだろうか、

また、経営者が比較的高齢な方が多く、その後継者がいなければ、やはり、

店を閉じるしかないのだろうな、それは実に惜しいことだ、

と思わざるを得なかった・・・)。

●年齢を感じさせないオシャレな服装、

ご年配の女将や女給さんのことも「おばさん」と呼ばず、

「おねえさん」と呼んで女心をくすぐる、細やかな心配り、

常連風を吹かさず、酒が入っても最低限のマナーはきちんと守るなど、

その場の雰囲気を自然と和やかなものにしてしまう、

なぎらさんのお人柄にも注目したい本です。

多趣味で、昼間からガンガン生ビールを飲める境遇というものは、

中高年にとって、羨望の的以外の何物でもないでしょう。


※本日の【マストポイント】は割愛いたします。



【著者略歴】

なぎら 健壱
1952年、東京銀座(旧・木挽町)に生まれ、下町で育つ。1970年、岐阜県中津川で開かれた全日本フォークジャンボリーに飛び入り参加したことがデビューのきっかけ。現在はフォークシンガーとして毎月ライブを行うほか、俳優、司会、執筆、写真…と活躍の場は幅広い。

ラベル:なぎら健壱
posted by miura at 14:08| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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