2009年02月22日

必読本 第862冊目 財運はこうしてつかめ―明治の億万長者本多静六 開運と蓄財の秘術

必読本 第862冊目

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財運はこうしてつかめ―明治の億万長者本多静六 開運と蓄財の秘術

渡部 昇一(著)

¥1,890(税込み)

致知出版社

ハードカバー:253ページ

2000年3月15日 初版



●「一生食うに困らぬ財産を持てば、仕事は道楽となる」

日本初の林学博士となり、明治神宮の森などを設計した本多静六。

「4分の1天引き貯金」等の実践で巨万の富を築いた本多の人生哲学と、

誰でもできる貯蓄術を紹介。

●最近のブックガイドで、あの和田裕美さんが推薦されていたと記憶する本。

明治時代を代表する大蓄財家、本多静六さんの蓄財の秘密と、

その知られざる実像に迫った本。

最近、何かと縁のある渡部昇一さん執筆の本である。

今更、本多静六か…という感も無きにしもあらずだが、

未読だったことと、サラリと読めそうな感じだったので、

本日一気に読んでみました。

●改めて、このような本多さんの人生をまとめた本を読んでみると、

氏は、ただただ「金の亡者」型の人間なのでは決してなくて、

当初から依存するようなものが全くなかった不遇の身であり、

必然自分一人の力でコツコツと貯金していくしかなかったということ、

そして、自分の名前を喧伝するような見栄っ張りなことを嫌い、

進んで人に功を譲ったこと、

人から悪意を受けても激高することなく、スルリと身をかわすことのできた

交際術の天才だったこと(北里柴三郎、後藤新平、渋沢栄一などとの

交遊録も楽しく読める)など、

一般にイメージされる大金持ちとは全く違った実像に非常に驚かされます。

●天才型ではなく、寸暇を惜しんで猛勉強した努力型の人だったこと、

万難を排して「4分の1貯金」「一日1ページ執筆」を貫き通した

「継続の鬼」だったこと、

やる運命になった仕事は、嫌々やらず、「娯楽化」してしまうこと。

他力本願的なことを一切排する勤勉努力の人であったという意味では、

最近再注目されているサミュエル・スマイルズの「自助論」と

一脈通じるところのある人でしょう。

●本多さんの話に触発されて、実際に蓄財を開始し、

文字通り物心ともに豊かな人生を送ることができたという

渡部さんのエピソードにも得るところが多いですね。

ちょっと本論からそれてしまうところがあるのが玉にキズですが、

無一文の状態から、徹底的に無駄遣いをせず、

人並み以上の蓄財を収めることができたという氏の人生には、

節約が軽視され、楽して大金を稼ごうという風潮が強い現代社会において、

何かと見直されてもよい部分があるのではないでしょうか。

●家柄も申し分なく、日本で3番目の女医となった才媛との縁談話を持ち込まれても、

断固として拒み続け、勉学優先の姿勢を貫いたというエピソード

(女嫌いではないかと邪推してしまうぐらいに、

この縁談話を断り続けた話は非常に興味深い)、

そして、その奥さんが、結婚後、

(医師免許もあり、英語も堪能にもかかわらず)自分の才能を放棄し、

専業主婦としてひたすら内助の功に尽くしたこと、

本多さんが、薄幸の芸者に言い寄られて情けをかけてしまい、

それがバレてしまった時、夫の浮気(肉体関係はなかった)を殊更に非難せず、

お小遣いを増額してあげた話などに、

何か夫婦のあるべき姿を垣間見たような思いがしました。

本多さんの人生を総括しますと、

やはり、奥さんの存在抜きにしては考えられないようです。

「悪妻は百年の不作、良妻は百年の豊作」ということでしょうか。


【マストポイント】

@本多静六「経済の自立がなければ、精神の自立はありえない。

金を馬鹿にする者は金に馬鹿にされる。

財産を無視する者は財産権を認める社会に無視される」

A「相談事は金持ちにしたほうがいい―これは私自身にも経験があることだ。

金銭に関する相談はことにそうだが、人生の相談をするときには、

やはり豊かな人に尋ねたほうが実のある回答が返ってくるのではないか。

この世の中に生きている以上、金銭とは無縁では生きていけない。

恋愛でも、仕事でも、人生のあらゆることに金銭は関係してくる。

すべてがそうだとは言わないが、やはり自分の努力で富を手にした人は、

そうした世間の現実をよく知っている。

だからこそ、相談相手にしたときに、本当に地に足の着いた、

役に立つ知恵が出てくるのだろう」

B「幸福は社会の希望に反してはならない。

社会の一員として生きていく以上、他人との調和を無視してはいけない。

自分が幸福だと思っていても、他人がそれに不快感を感じるのであれば、

その不快感はやがて自分にはね返ってくるものである。

その意味において、必要以上の大邸宅を構えたり、必要以上の華美な服装や

贅沢な生活はけっして好ましくないというわけである」

(以上本文より。一部改変)


【著者略歴】

渡部昇一

1930年、山形県鶴岡市に生まれる。1955年、上智大学修士課程修了。英語学専攻。ドイツ、イギリスに留学。現在、上智大学教授。Dr.Phil.著書は、『英語学史』――大修館、『日本語のこころ』『英語の語源』『発想法』――講談社現代新書――など多数。




posted by miura at 14:01| 山形 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | お金・貯蓄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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