2009年02月24日

必読本 第863冊目 「病気の値段」の怖い話 (講談社プラスアルファ新書)

必読本 第863冊目

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「病気の値段」の怖い話 (講談社プラスアルファ新書)

有村 英明(著)

¥880(税込み)

講談社

新書:176ページ

2008年12月20日 初版



●医療二極化時代に命を守る患者学を初公開!

医師不足、病院倒産時代が到来し、

今や日本の医療界は「上流・下流」に分かれた!

危ない下流病院・医師を見抜くためのマル秘情報が、

あなたと家族の命を守る。

●先月、保険適用外の高額治療をすることになり、

その際に対応した医師とのやり取りにやや戸惑ってしまったことがあり、

患者として、あまりにも治療や医療費というものについて無知だったと、

反省の意味も込めて読んだ本。

いわゆる、患者側にはなかなかわかりにくい、

医学界の内幕、医療費のからくり、

良い医者(病院)と悪い医者の見分け方を解説してくれる本である。

●著者は、医療関係のコンサルタントをされているのだが、

その息子さんが生まれながらの心臓病で、日本ではできない

心臓移植という大手術のために渡米。

ドナーが現れず、悲しくもその息子さんはかの地で亡くなってしまうのだが、

その時に請求された医療費が何と1億7千万円。

あまりにも法外で仰天してしまい、

藁にもすがる思いで来たという事情を話すと、

特に深い検討もされることなく、一気に1億円まで減額してくれたという。

この呆れんばかりのいい加減な医療費の仕組みに疑問を持った著者は、

日本の医療費、治療方針、薬品の実態を知るために取材を重ねる。

本書はその所産となった本。

●やはり、三流大学出身よりも一流大学出身の医師の方が信頼性が高い、

「生活苦」の医師が最近急増している、

患者にとって不要にもかかわらず、病院経営という身勝手な理由から、

検査、薬、手術などが乱発されている、

ジェネリック医薬品にはカラクリがあり、安いからといって効能を鵜呑みにはできない、

「その道の権威」だからといっても盲信できない、

何でもすぐに「切りたがる」とんでもない悪医も混じっているので、

セカンドオピニオンが欠かせないなど、

およそ患者側にとっては衝撃的な内容が続きます。

専門用語も特に多くなく、非常に小気味よく読んでいくことができます。

●銚子市立病院が倒産したわけ、妊婦の「たらい回し」死亡事件、

医療過誤、誤診、薬害などへの対応策、医師会の実態、

ホームドクターを持つ重要性、医院のHP、看板の見極め方など、

最近世間を騒がせた医療問題やすぐに役立つ情報も満載です。

病気、治療費という問題は、当事者になる前はどうしても軽く考えてしまいがち。

いざという時に泣かないために是非とも読んでおきたい本です。

●医療という問題とは直接関係ないのですが、

経営学的な意味で非常に興味深く読めたのが、

第4章「私が見つけた良い医師、悪い医師」の章。

キレイどころの女性ではなく、気が利く居酒屋店長経験者を受付に置き、

大繁盛している医院、誰よりも早く来院し、トイレ掃除に励むイケメン歯科医、

多忙な会社員の利便性を考え、朝7時から検査を実施する医院、

「納得シート」という、治療経過をわかりやすく書いたプリントを渡し、

診察室からわざわざドアをあけて呼び入れてくれる医師など、

患者の評判を得ることに成功した医師の実例が掲載されている。

本文にもあることだが、これほど医院過剰の世の中で、

患者側の口コミや情報交換が活発になされている中、

「お役所的な」意識のクリニックは、これからは間違いなく淘汰される。

商売繁盛を考える意味で、一読の価値があります。


【マストポイント】

@「セカンドオピニオンを求めるときに守らなければならないことは、

しがらみのない医師に意見を聞くことです。

医学界にはいろいろなしがらみがあります。

医師は、同じ大学出身者や親しい医師の診断に反する診断をまずしません。

典型的な村社会である医学界は、ほとんどの医師が先輩や仲間の診断に

異議を唱えることはまずしないのです」

A「日本は世界で一番、薬を処方している国です。

そしてそれは、他国よりも薬の副作用やいろいろな薬による危険に

さらされている機会が多いということにもなります。

複数の薬を長期で服用していたときの、10年後、20年後の副作用は、

じつは、誰もわからないことです。

ひとつずつの薬の副作用は、長い間、研究されているから、

ちゃんとしたデータも出ている。

けれども、それら複数の薬をいっぺんに飲んだときの副作用は、

未だかつて誰も研究したことがない。

現実に今の医療業界には、そのデータが何もないのです」

B「どんな腕のいい医師でも、失敗する可能性がある。

自分を守れるのは自分。だから、これからは自分で納得のいく病院を

選んでいかなければならない」

「医師はスーパーマンじゃないから、すべての深い知識を持っているわけではない」

(以上本文より。一部改変)


【著者略歴】

有村 英明
1962年、北海道に生まれる。慶應義塾大学卒業。宮崎大学医学部講師。NPO法人日本移植支援協会理事。(株)アースクリニカルサポート代表取締役。1999年1月、3男勇貴君の心臓移植のため家族5人で渡米するが、同年4月に勇貴君が死去。2000年、患者家族、支援者らとNPO法人「日本移植支援協会」を設立。理事として臓器移植を必要とする患者と家族のサポートにあたり、また現在は、医療コンサルタントとして全国で医療モール設立に尽力している。



ラベル:有村英明
posted by miura at 12:41| 山形 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 健康・食事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちわ。小次郎です。
病気の値段、面白そうな本ですね・
参考になりました
また来ます
Posted by http://aitore.net/ at 2009年03月08日 18:25
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