2009年03月08日

必読本 第869冊目 経営者に贈る5つの質問

必読本 第869冊目

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経営者に贈る5つの質問

P.F.ドラッカー(著)上田惇生(訳)

¥1,575(税込み)

ダイヤモンド社

ハードカバー:111ページ

2009年2月19日 初版



●1990年代にドラッカーによって開発された、

組織とその活動全体を自己評価するための手法が、

この「5つの質問」である。

最もシンプルでありながら、最も奥深い洞察は、

ドラッカーの全経営思想の真髄といえる。

本書は、ドラッカー自身による各質問の説明に、

各ジャンルの第一人者が解説を加えた実践的な内容である。

●久しぶりに読むドラッカーの著書である。

日経新聞だったか週刊ダイヤモンドだったかの広告で紹介されていて、

興味をそそられ購入した。

しかし、ビジネス界を代表する巨人で根強い人気があるだけに、

没後も、次から次へと関連書籍が刊行され続けますね。

●このページ数でこの価格なの?と、店頭ではあっけにとられるぐらいの

薄い本である。

小冊子的な本をそれなりに膨らませて完成させたものなのかと、

購入をやや迷わせるが、

内容的には、ドラッカーマネジメント哲学の根幹となるべき

原理原則がギュウギュウ詰めでまとめられている。

一応、本国アメリカでは「非営利団体」向けの本という扱いで発売されたらしいが、

営利企業や各種団体をうまく運営していくための簡便なマニュアル本として

我々日本人が普通に使用しても全然問題はない。

ポイントがコンパクトにまとめられているので、使い勝手は最上である。

●本書が一連のドラッカー本と違って一種独特なのは、

ドラッカーが提示した「経営者への5つの質問」に対して、

氏と知己でもあるビジネス界のスペシャリスト5人が

補足的な解説を付けてくれていることにある。

その5人も、ジム・コリンズ、フィリップ・コトラーと豪華な面々ばかり。

解説文も長たらしくなく、適度な文章量にまとめられている。

上田氏の翻訳文も例によって詩的な文体に仕上がっていて、

読むほどに陶酔感さえ感じさせます。

●長大なドラッカー本を購入する資力も時間もない人には極めてお薦めな本。

ドラッカーの「いいところ」だけを短時間で吸収できる。

「信者」の方々も、復習的に使用するにはもってこいの本です。


【マストポイント】

@ドラッカー「金のために妥協してはならない。

品位にもとる機会は拒否しなければならない。

さもなければ、魂を売ることになる。

受け入れ難い条件が付いた美術品寄贈の申し入れを受けたことがある。

「ありがたくいただこう。問題は時間をかけて処理すればよい」という意見があった。

これに対し、「だめだ。良心にかかわる問題だ」という答えがあった。

会議は長引いた。

最終的には、申し訳ないが原則を曲げるわけにはいかないということになった。

立派な彫刻を何点か入手しそこなった。

しかし、美術館としての原則のほうが大事だった」

Aジム・コリンズ「ミッションをもつことは、激動の世の中ではますます重要となる。

世界がどう変わろうとも、人は、誇りあるものの一員たることを必要とする。

人生と仕事に意味を必要とする。絆と信条の共有を必要とする。

予測不能な暗夜にあっては、導きとなる原理、丘の上の灯を必要とする。

人類の歴史上、今日ほど、自由と責任という自治の精神のもとに、

意義あるもののために働くことが必要とされているときはない」

Bドラッカー「顧客のほうが一歩先を行っているということは、よくあることである。

われわれの顧客は誰かを考えなければならない。

しかも、繰り返し考える必要がある。

顧客は変化してやまない。

成果をあげるには、原則に忠実でありつつも、

顧客の変化に応じて自ら変化していくことができなければならない」

Cドラッカー「人は、陳腐化したもの、うまくいくはずのもの、

もはや生産的でなくなったものに愛着をもつ。

しかも、かつて私が独善的製品と名づけたものに最も執着する。

しかし、最初に行うべきものは廃棄である。

廃棄を行うまでは何も行われない。

何を廃棄するかの議論は苦々しいものとなりがちである。

廃棄は難しい。だが、それも一時のことである。

死せる者を廃棄して、初めて復活はなされる。

半年後には、「なぜずぐに止めなかったのだろう」と皆が言っている」

(以上本文より。一部改変。今回は特別に4つ)


【著者略歴】

P.F.ドラッカー
1909‐2005。20世紀から21世紀にかけて経済界に最も影響力のあった経営思想家。東西冷戦の終結や知識社会の到来をいち早く知らせるとともに、「分権化」「自己目標管理」「民営化」「ベンチマーキング」「コア・コンピタンス」など、マネジメントの主な概念と手法を生み発展させたマネジメントの父。

上田 惇生
ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連会長秘書、国際経済部次長、広報部長、(財)経済広報センター常務理事、ものつくり大学教授を経て、現職。ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳。『プロフェッショナルの条件』(はじめて読むドラッカー・自己実現編)ほかを編集。著書に『ドラッカー入門』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会代表。


posted by miura at 15:27| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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