
食いしばるために、奥歯はあるんだぜ!
―会社と社員が元気になる伝説の人生相談
大條 充能 (著)
¥1,155(税込み)
ポプラ社
ソフトカバー:247ページ
2008年12月3日 初版
●リクルートの社内報で17年間、
社員の悩みに答え退職して10年経った今も連載中。
『ダ・ヴィンチ』『B‐ing』『就職ジャーナル』…
さまざまな雑誌でも独特の人生相談を展開。
大條充能の人生相談には、
マイナスをプラスに劇的に変換するすさまじいパワーがある。
ビジネスや人間関係に応用できるヒントに充ちた驚異の一冊。
●著者の存在は今まで全く知らなかったのだが、
図書館の新刊コーナーになにげなく置かれていたので、読んでみた本。
リクルート社の社内誌、関連雑誌で、十数年もの間好評連載中という、
一風変わった人生相談本である。
●見開き2ページに右に質問文、左に回答文という構成。
著者と社員時代に縁のあった著名人4名も含め、
約100個ほどの悩みが掲載されているのだが、
とにかく、回答者の口調がぶっきらぼうで、へんてこりんなのである。
今はなきホットドッグプレスに連載されていた北方謙三さんの
伝説の人生相談コーナー「試みの地平線」(必読本 第338冊目参照)に
影響を受けたということもあり、
「熱いぜ!」という言葉が事あるごとに
文中で繰り返され、小気味のよいリズムを与えているのである。
人生の酸いも甘いも経験したアニキが後輩に懇々と説教するスタイルを
とっているのだが、時に暴論、時に爆笑が絶妙に挟み込まれ、
熱めな男なのに、不思議とウザさは感じない。
●なぜなら、路線はあえて奇をてらっているのだが、
著者の思想、志は非常にまっとうだからである。
この手の人生相談本にありがちな、
変に常識におもねった、きれいごと的な回答で済まさず、
ピアスと茶髪で就活したい学生には、サングラスまでかけて目立てと言うし、
外食ばかりの生活をどうにかしたいサラリーマンには、
外食にお金を使うのは消費拡大、景気回復に繋がるすばらしいことだ、
お金をドンドン使って人脈やいい店を開拓しろと言うし、
とにかく、そんな角度から来たか!と膝を打ってしまうような
斬新な回答を寄せている。
扱われている内容も、恋愛離婚、人間関係、お金、ダイエット、
性格改善、仕事など多岐にわたる。
どんな年齢層の人が読んでも楽しく読める。
●初めは何気なく読み始めた本だが、
読むごとに引き込まれ、一気に読了してしまった。
読んだ後の爽快感は格別なものがあるし、
悩んでいたり、落ち込んでいたりする学生、社会人の方は、
確実に元気と勇気がもらえるはずである。
しかし、著者は、青森県から高卒でリクルート入りしたという
経歴だそうだが、
田舎者にありがちな変に物怖じしたところが全くなく、
やりたいこと、言いたいことを何でも速攻でやってしまうという
このバイタリティの強さにはホトホト感服させられる。
それほどメジャーな方ではないかもしれないが、
これからもっと脚光を浴びる予感がします。
【マストポイント】
@「そもそも自立ってことは、精神的にも経済的にも苦しいことだぜ!
親が子どもに干渉するのは当たり前のことだぜ。
それは、愛情以外の何物でもないぜ。
そして、その愛情から徐々に距離を取っていくことが自立ってことだぜ」
A「お金に対して甘えるやつは人生すべてにおいて甘えるぜ。
支払い方が人格を決めるぜ!
本来、どんなことがあっても正しい人間関係は割り勘だぜ。
払ってもらうことに慣れているやつは人間失格だぜ!
ただより高いものはないという事実を実感できないやつは、
必ずや人生において落とし穴にはまるぜ!」
B「プライドと見栄は全く違うぜ!
あえて言っておくぜ。
見栄というのは、自分を偽って良く見せようとすることだ。
プライドとは、ありのままの自分を信じることだぜ。
もし、お前が素直になれないというのであれば、
そんな見栄は捨ててしまえ!」
(以上本文より。一部改変)
【著者略歴】
大條 充能
1965年生まれ。1984年株式会社リクルートへ入社。総務部にて社員向け全社イベント企画を担当。リクルートのお祭り男として稀有の才能を発揮し注目を集める。90年、リクルート事件のさなか「総務部DaijoBand」を結成し、TBS『いかすバンド天国』に出演したことが社内で話題に。91年リクルート社内報『かもめ』で人生相談コラムを開始し、リクルートナンバーワン有名人の座を不動のものとする。更にリクルートが発行する情報誌『ダ・ヴィンチ』、『B‐ing』、『就職ジャーナル』、『フォレント』や当時リクルートに資本参加していたダイエーの社内報『Dai好き』などでも人生相談コラムが実施され、その人気はリクルート関係者の誰もが認めるものとなる。現在も『かもめ』、『ダ・ヴィンチ』の人生相談コラムはキラーコンテンツとして17年目に突入。98年にリクルートを退社。IO(イオ)契約社員1号として、同社と契約を結ぶ。99年、企業の節目に社員総会などのコミュニケーション施策によってインナーブランディングをプロデュースする会社、株式会社ゼロインを設立、代表取締役社長に就任。
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