
すべては宇宙の采配
木村 秋則 (著)
¥1,500
東邦出版
単行本:198ページ
2009年8月8日 初版
●神秘体験を通じて高位の精神世界へ。
高い精神的境地に達していく著者の魂の変遷。
宇宙的・霊的な話ばかりではなく、極めて人間的な泣けるエピソードも満載。
●NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」出演や、その関連で出版された
大ベストセラー『奇跡のリンゴ』(必読本 第875冊目参照)で一気に有名になった
無農薬・無肥料栽培農家、木村秋則さんの、昨年夏に発売された一風変わった書物。
実は、昨年、出版直後に図書館から借りてきていたのだが、
忙しさにかまけて読まずに返却してしまった。
今月、都内で著者の講演会があり、私自身参加するつもりなので、
予備学習的に是非読んでおいた方が良いと思い立ち、
再度借りて本日一気に読んでみました。
しかし、木村さん関連の本は、ここ数年の間に大量に出版されているようですね。
人気の高さを物語っております。
●前記したように、本書は、リンゴを無農薬・無肥料で栽培する意義や経緯を記したものというよりは、
木村さん周辺に起こり続けたスピリチュアルな、オカルト的な話を集めたものである。
とにかく、冒頭から、木村さんに寄り添ってきた守護霊(人魂?)の話から始まり、
時間がストップし、道端に突如龍神が現れた話(前もこのブログのどこかで書いたことがあるが、
龍の神様というものは、出る人の所には本当に出るらしい。
その皮膚や顔立ちのリアル感たるや、見た人にしかわからないぐらいに凄まじいものらしい)、
UFOや宇宙人との遭遇体験、霊地青森独特の占い儀式、
運送業のバイト時代に幽霊を乗せて運転した話、幽体離脱後の臨死体験など、
奇妙奇天烈な話のオンパレード。
小林正観さん好きの読者ならば、喜びそうな体験談がわんさか出てくる。
●しかし、本書で個人的にとりわけ興味をそそられたのは、木村さんが宇宙人?に遭い、
地球の滅亡時刻を告げられ、それが意外に遠くない未来であることを知ったエピソードである。
昨晩、テレ東京系『やりすぎコージー』で、古代マヤ文明は地球滅亡年を2012年であると予言し、
その信憑性を面白おかしく芸人が紹介するというコーナーがあり、
それをたまたま見ていたものだから、尚更、興味をそそられた。
木村さん曰く、宇宙人に、その正確な年を口外することを固く禁止されたらしく、
奥さんにも話していないとのこと。そして、木村さんが休日をほとんど取らず、
日夜日本のみならず世界中を飛び回っているのは、
「時間がない」という切迫感を常に持っているからだととも告白されている。
エピローグで、謎の美女から、木村さん自身が気づいていない「使命」を告げられる場面と共に、
非常にインパクトのあるお話であった
(しかし、ここ1,2年の短い間に日本や世界で起こった様々な事件や出来事を概観してみると、
今や地球は、今までとは比べ物にならないようなスピード感で、
終末期に向かっていると考えても全く不思議ではない気がする。
私も、自堕落な生活などしているヒマなどない、時間は有限であるという危機感を
持たなくてはならないと自省した次第であった…)。
●他にも、耳を疑ってしまうような不思議系の話がわんさか紹介されている。
別に自慢するわけでもないが、私も小学生のころ、夏のプールの授業中、
UFO(良く言われる、銀色の円盤型)を一度だけ見たことがあるから、
木村さんの話は真実だと思ってしまうのだが(本人だけではなく、
家族などが同時に見ていることからも本書のエピソードのほとんどは信じざるを得ない)、
本書を読むと、つくづく、
大きなミッションを神さまから与えられた人というものは、
自殺しようとしてもその場で逆に最高のプレゼントを授けられて奇跡的に復活するし、
大事故で即死してもおかしくない場面でも奇跡的に命が救われるし、
餓死寸前、一家心中も仕方あるまいという危急の時でも、誰かしら助け船を出してくれる。
何か見えないもの、大いなる守護霊から守られているとか言い様がない。
●では、なぜ、こんな不可思議な現象が頻繁に起こり、
超常的な存在から守護されているのかと考えてみますと、
木村さんの、素直で、思いやりがあり、打算性がない人柄に起因しているからだと思う。
畑の昆虫も我が子同然に愛で、
罠にかかったタヌキやネズミも殺さずに逃がしてやる動物愛があるし、
そもそもリンゴの無農薬、無肥料栽培だって、
一発儲けてやろうという山師的な発想から始めたことではなく、
奥様が農薬被害で散々な目に遭い、それを救いたいという思いやり、優しさからであった。
アポなしで突然リンゴ畑を見学に来る団体客にも鷹揚に対応し、
まさに邪念や私心がないとしか言い様がないお人柄なのであろう。
よく、占い師や霊能力者で、最初は人助けのつもりが、徐々に金儲けに走り、
最後には自滅してしまうというケースを見ますけれども、
木村さんはその対極に位置するお方なのでしょう。
●信念をやり通せば必ず成就する、言霊はやはり大事で、
人間や動物や、心を持たないと思われる車などの機械類にさえ、
常に優しい、温かい心で話しかける気持ちが大事など、
多くのメッセージが詰まった本です。
全く勉強不足で、最近は木村さんの本などとんと御無沙汰でしたが、
これからは手に入る限り読みたいと思います。
【マストポイント】
@「言葉や思いはだれにでも、たとえ相手が動物や植物でも、伝わるものだと思います。
これは絶対にそうだといい切れます。
キュウリのヒゲは指を差し出すと、子供とか無垢な人には向こうから絡んできます。
巻きつけてこないときは、優しく撫でてあげると、しーっと絡んでくれることもあります。
わたしは絡んでもらえますが、だれでも知っている大きな宗教系の方々が試したときは、
お弟子さんたちは全員絡んでもらえたのだけれども、
一番偉いトップの方には絡んでもらえませんでした
(又、他の箇所では、ベテラン職工がミスばかりするのを、
普段使用する道具に愛着を全く持ってないせいだからと著者が見抜き、
それを指摘してから後、人が変ったようにミスが激減するというエピソードも紹介されている)」
A「(末期癌で、医者にも見放されてしまった知り合いが)
「もう一年も、もたないくらいにダメだ…」と諦めていました。
しかし、私は「ダメだと思ったら負けなんだ」と諭しました。
そして、言葉療法を提案したのです。
治療をして排除しようとするから、癌はしゃかりきになって進行するのかもしれません。
自分の癌に向かって、「俺のからだが完全にダメになったら、お前たち癌細胞も生きていけないんだよ」と
よく言い聞かせてみればいいのではないかと思ったのです。
ヘタな化学療法を行うより、手術ができないほど進行してしまったなら、
「共生してさぁ、末永く共に生きていこうよ」と仲良くなったほうがいいに違いないと思ったのです。
彼は癌に毎日のように話しかけ、すごく元気になりました。
余命1年と宣告された直後は死人のように生気がなかったのですが、
見た目にも元気を取り戻し、3年経ったいまもまだピンピンしています」
B「『食の大切さ』は少しずつ見直されてきますが、もっと真剣に取り組む問題だと思うのです。
食べ物は、人間のからだだけではなく、心も作っているのです。
いま、日本はとても殺伐としています。
いつからか、「ありがとう」「すいません」が自然にいえない社会になってしまいました。
たとえいっても上辺ばかりで、薄ら寒い世の中です。
心が荒んでいるのは、食べているものが荒んでいるから…そう思うのです。
農家や畜産家には作る責任とモラルを持ってもらいたいですし、
食べる人には、食の大切さについて本気で知ってもらいたいと思うのです」
(以上本文より。一部改変)
【著者略歴】
木村 秋則
農家。1949年、青森県中津軽郡岩木町生まれ。弘前実業高校卒。川崎市のメーカーに集団就職するが、一年半で退職。71年故郷に戻り、リンゴ栽培を中心とした農業に従事。農薬で家族が健康を害したことをきっかけに78年頃から無農薬・無肥料栽培を模索。十年近く収穫ゼロになるなど苦難の道を歩みながら、ついに完全無農薬・無肥料のリンゴ栽培に成功する。現在、リンゴ栽培のかたわら、全国、海外で農業指導を続けている。
木村 秋則さんオフィシャルホームページ http://www.akinorikimura.net/
ラベル:木村秋則