2010年10月18日

必読本 第931冊目 善の循環経営

必読本 第931冊目

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善の循環経営

大久保一彦(著)

¥1,500(税込)

実業界

単行本:216ページ

2010年9月21日 初版


●少子化がこの先進むと、ずばり新規顧客不在もあり得る。

それらを解決し経営が継続するヒントがこれだ!

人口減少時代を生き抜くメソッド。

●個人的にも親しくさせていただいてる、飲食系コンサルタント大久保一彦先生の最新刊。

先月末に発売されたばかりの書き下ろし作品だが、

最近、アンケート関連の書籍ばかりが立て続けに出版された

著者としては、全く毛色の違った作品が出来上がった。

最近の著者の考えを総まとめしたような異色の内容です。

●第1章では、以前著者のメールマガジンでも記されていたことがある、

個人的な生い立ち、経営コンサルタントとしての遍歴を語るという、

自叙伝めいたスタイルをとる。

ご両親が短期間に立て続けに重病で倒れられ、その治療費を捻出するために、

大学中退、飲食業界入りしたという特殊な事情があったため、

若い頃の著者は、とにかく結果至上主義者というか、

売上げアップのためならば、手段を問わないというほどの、

ある種、冷酷無比なタイプの人間であった。

著者のファンならば、初めて語られる秘話も多く、非常に面白く読める。

●ご両親を亡くされ、その後に結婚、ご子息も誕生されたここ5年程の間に、

成熟化を迎えた飲食業界の現状もあり、著者の考えや生き方には大きな変化が生ずる。

これからの時代は、人口が加速度的に減少する方向に向かう。

つまり、新しいお客さんは増えず、既存客が何度でも足を運びたくなるような

善の心、温かい心を持ったお店だけしか生き残ることができないのだと。

●第2章、第3章では、著者がサラリーマン時代に勤務し躍進させた「新宿さぼてん」や、

プライベートで体験した興味深いエピソードを引き合いに、

「善の循環経営」とはどういうことなのかを具体的に解説していく。

第4章では、著書が直接取材した、

「善の循環経営」を実践し成功している繁盛店を5例紹介している。

最終第6章では、「善の循環経営」を行うためのわかりやすいコツを伝授する。

●不景気で、どうしても人心が荒廃しがちなこの世の中で、

安物買いのお客しか来店しない、従業員や自らの士気が上がらず、

売上げ不振や店舗運営に悩んでいる経営者は少なくないと思う。

本書において、その原因は、経営者自らに内在する「悪の心」であると

著者は喝破する。 

つまり、性悪説に根差した考え方を持っている人間が店を経営すれば、

盗みを働いたり、些細なことでクレームをつけてくる程度の低いお客ばかりが

来店したり、志の低い従業員ばかりが店に集まるということである。

●そして、それらを打開するには、精神面、行動面をともに

「善の心」に転換していくことが肝要だと説く。

本書においては、それを会得するための具体的な方法が

後半を中心にわかりやすく解説されている。

マイナスワードを使わない、信念を貫き通す、

人の温かな感情に訴えかける、中国の古典を読み、良識を身につけるなど、

非常に多くのヒントが散りばめられています。

●本書は、根本的な経営打開策を求めている経営者のみならず、

人としてのあるべき姿、人生で本当に大切なことは何かを

知らしめてくれるという意味で、一般の方にもおススメの書である。

苦境の時ほど、本物の人間力を備えた人だけが生き残る、

ハードウォーミングな心がすべてを救うということを教えてくれる名著です。

読みやすい文体もあり、サラリと読破できますが、

何度も繰り返し再読して頭に沁み入らせたくなるような本です。

 

【マストポイント】

@「コンサルタントという仕事だから、お客様の店をつぶさないようにいろいろなことを

考えるだろう。でも、それはお客様のためにならないんだ。

会社がつぶれるとしたら、それはその人の運命だからね。

あなたがちょっと何かをやって仮に売上げを上げたとしてもいつかはつぶれるんだよ。

それがその人の運命なんだ。

だから、あなたはつぶれることを恐れずにお客様のやりたいことができるように

一生懸命手伝ってあげなさい」

(著者に大きな影響を与えた、自然派ビュッフェ「ティア」元岡健二さんの言葉)

A「これからの時代は、考え方を変える必要があります。

仕事に合わせて人が動くのではなく、人に合わせて仕事を作るのです。

確かに、成長の時代は仕事に対して人を割り当てる時代でした。

しかし、これからはやりたいことだけの数の仕事がある時代だと考えるべきです。

これからの時代は、自分の得意なこと、やりたいことを元にして、世の中に役に立ち、

その感謝の印としてお金を得るのです。

このような仕事や生産についての考え方が、善の循環経営につながっていきます」

B「人口減少のこれからは、今までの経営者や労働者という枠組みを撤廃し、

関わり合った者同士が助け合い、お互いにとって正しいことを行う時代なのです。

会社の中や取引先との関係は、思いやりや愛情のある家族のような感覚です。

これが善の心による経営なのです。

サービス業という仕事は、自分が幸せでなければ、周りの人を幸せにはできません。

従業員が幸せでなければ、お客様を幸せにはできないのです。

だからこそ、単に経済的な利害の合致した仕事仲間"という割り切った関係ではなく、

家族のような関係が求められるのです。

それが強いつながりをつくっていきます。

みんな感情というものを共有する仲間を欲しているのです」

(以上本文より。一部改変)


【著者紹介】

大久保 一彦
1965年生まれ。食の商いのご意見番。サラリーマン時代に勤務していた中食のチェーン「新宿さぼてん」において、損益分岐点を下げる仕組みをつくり、惣菜店の基礎づくりをした。1997年独立。現場に精通して数々の不振店の業態改善を行い、多くの店を繁盛店にした。通算2年以上の海外視察を行い、国内および海外で1万店を視察した。その経験を生かしたコンサルティングには定評があり、食品メーカー、流通チェーン、地域密着の店、老舗料亭・フレンチ・イタリアンなど幅広い食のブレーンとして活動する。



ラベル:大久保一彦
posted by miura at 09:18| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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