2010年11月02日

必読本 第932冊目 木村秋則と自然栽培の世界

必読本 第932冊目

51zcauFaU1L__SS500_.jpg 

木村秋則と自然栽培の世界

木村 秋則(著, 編集)

¥1,575

日本経済新聞社

単行本:272ページ

2010年6月24日 初版


●自然栽培はリンゴだけでなく農作物全般へ応用可能だ。

木村秋則とその仲間たちが就農希望者や消費者を主な読者に無肥料・無農薬栽培とは何か、

実践する際の注意点、全国各地からの事例報告、流通上の課題などを紹介する。

●無肥料・無農薬栽培の「奇跡のリンゴ」の栽培に成功した木村秋則さんの考えに共鳴し、

全国で同様の栽培を実践、活躍されている生産者、流通業者、研究者の

事例報告をまとめた本。

木村さん自身が総まとめ役として、責任編集という役回りを演じ、

その指導や影響を受けた全国の方々が自分の成果、現状を報告するという体裁を取る。

今までの木村さん関連の本とやや違い、農業関係の専門書という風情に仕上がっております。

●木村さんの執筆箇所、ならびに対談部分以外は、

2段組みの文章がギッシリで、サラリと読破するわけにはいかないボリューミーな本。

この分野にこれから意欲的に取り組むたいとお考えの方以外の一般読者は、

読破までには相当の時間を要するはず。

時間がない方は、木村さんの部分だけでも集中的に読まれると良い。

やはり、非常に示唆的なメッセージに満ちている。

●木村さん以外の部分で心に残ったのは、

木村秋則の名前が付いている商品はやはり飛ぶように売れるのだが、

同様の品質を誇る一般生産者の商品が、いまいち反響が薄いという事実である

(宮崎県の東国原知事のケースを想起するとよい)。

木村人気だけにあやかろうとするのではなく、

一般生産者、流通業者が、自立した経営を目指さなくてはならないと主張されている方が多かったのが

とても印象的であった。

単に生産に成功するだけではなく、採算がとれるような仕組みづくりを両輪で実行することを

忘れてはダメであるとのことである。

●巻末おまけには、自然栽培の簡単なマニュアルが図解入りでついていて、

これから家庭菜園などをお考えの方には非常にうれしい特典である。

是非活用されたい。

●本書に関連して、先月9月24日に東京有楽町で木村さんの講演会を実際に聴いた感想を

最後に少々書いておきたい。

そのお姿を一歩でも間近で見てみたいと思い、かなり早くから並び、

最前列のベストポジションに座ることができたのだが

(守護霊らしきものが背後に出るかもしれないと、固唾を飲んで

凝視し続けたが、そのようなものは一切出現しなかった。笑)、

まず、その農家らしい細身で垢ぬけしない容貌に似合わず、

語り口が非常にパワフルだったのに驚かされた。

物怖じしたところが一切なく、本当に使命感からこの仕事をやっているのだ、

自分がやっていることを世間に広く伝え、一刻も早くこの世の中を変えていきたいのだ、という

意欲がヒシヒシと伝わるような圧倒的な口調だった

ユーモアセンスも抜群で、歯が一切ないので、食物はヘビのように丸飲みされるらしく、

レントゲンを撮った医師が、

「普通の人と違い、胃のひだが独特の形に進化しているので、是非研究用に長生きしてほしい」と

頼まれたなど、爆笑の連続であった。

講演主催者によれば、やはり、大人気の方のようで、講演のオファーは引きも切らないらしい。

近場で聴く機会がありましたら、万難を排してでも是非駆けつけてみてほしい。

多くの気づきと感動を確実に得られると思う

(ただ、講演の時間的制約があり、当日、来観者の質疑応答を一切受けつなかったことと、

場内で発売されていた書籍にサインがなかったのが残念だった)。

 

【マストポイント】

@「【木村秋則の4カ条】

1、常識にとらわれない。

2、バカになれ。

3、自分に置き換える。「もしも自分が(りんご、米、大豆・・・etc)なら」

4、足りない足りない、工夫が足りない」

A「私は講演なんかで、『バカになれ』とよくいう。

それは常識にとらわれるなということ。

これがもっとも大事なこと。

テレビニュースで新事実を発見したと伝えられることがよくある。

それは常識にとらわれなかったから生まれた場合が多い。

私は温故知新という言葉が好きだ。昔はこうだった。

それが戦後の高度経済成長の中ですべて忘れ去られて、

常識と思っていることが全く逆になっていることがよくある。

人間の知識のついたてが邪魔して、正しいことを正しく見られない身になっているのではないか」

B「これからの農業は、食べる人のことを考えていかなけば発展しないと思います。

それで、生産者には「農薬・肥料を多投する栽培を見直そう」、

消費者には「正しい食をしよう」という話をしています。

日本は、農薬漬け、肥料漬けの農業を見直し、新たな考えを持って取り組むべきときではないかと思います。

そして、農業は楽しいものだ、農業はやり甲斐がある仕事なのだということを、

農業に取り組もうとする人たちすべてに分かっていただきたい気持ちでいっぱいです」 

(以上本文より。一部改変)


【著者紹介】

木村 秋則
1949年青森県弘前生まれ。木村興農社社長。弘前実業卒。川崎市のメーカーに集団就職、1年半後に故郷に帰り、71年から家業のリンゴ栽培を中心に農業に従事。農薬で家族が健康を害したことをきっかけに、無農薬、無肥料栽培を模索した。10年近い無収穫、無収入の苦難を乗り越えて成功。「奇跡のリンゴ」と呼ばれた。現在は、国内各地と世界各国で自然栽培の農業指導を行っている。



posted by miura at 15:18| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・食事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。