2011年05月03日

必読本 第975冊目 仏の発見

必読本 第975冊目

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仏の発見

五木 寛之(著), 梅原 猛(著)

平凡社

¥ 1,470

単行本: 256ページ

2010年2月25日 初版

 

●ブッダとは誰なのか。仏教の救いとはなんなのか。

親鸞の眼を通して肉薄する作家と、仏教史の常識を覆す知の巨人とが、

仏教思想の秘密を語り合い、悪の時代を生き抜くための7つのヒントを提示する。

●平凡社から好評発売中の五木寛之さんの「発見」シリーズ最新刊。

今年2011年2月に発売された。

学者梅原猛さんとの仏教にまつわる対談集です。 

しかし、改めて感心させられることだが、

五木寛之さんは、売れる小説を書く物書きとしても超一流、

売れる企画を次々と立ち上げるプロデューサーとしても超一流だということです。

出版社側からは非常に重宝されるタイプの稀有な作家さんでしょう。

●それぞれお二人の代表書、『地獄の思想』、『ヤマトタケル』、

『青春の門』、『蓮如』、『親鸞』などの

著作を著した経緯、創作上の秘密などを随所に挟みながら、

仏教思想とはそもそも何なのか、何のために存在するのか、

人が仏になるとはいかなることなのかなど、

誰もが感じる仏教にまつわる素朴な疑問を、

門外漢にもわかりやすいような平易な言葉で語り尽くしてくれます。

文壇、学会で注目されるようになった若かりし頃の日々を振り返ったり、

なかなか人に語ることが憚られるような生誕の秘密を語ったりなど、

お二人のファンには非常に楽しめるような内容が盛り沢山です。

●それぞれ、80,90近いご高齢で、学会、文壇の大家にも関わらず、

パワースポット、仏像ガールなどのトレンディな話題にも

通暁しているなど、老いを全く感じさせないお二人の好奇心、

情報感度の高さにも驚かされます

(作家の中には、変に難しい言葉をもったいぶって使う方が

よくいますが、いつもわかりやすい現代的な言葉を使う五木さんは、

個人的に非常に好感が持てる)。

●2人が直接に交流のあった、

川端康成、三島由紀夫、水木しげる、美空ひばりなどの

一般には知られていない秘話がわんさか紹介されているのも

読みどころのひとつ。

各人の意外な素顔に驚かされる読者は多いはず。

特にノーベル賞まで受賞した国民的作家川端が、

実はどうしようもない女好き、変態癖の持ち主

(今ならば確実にセクハラで逮捕されるぐらいに、

手の付けられないお触り魔だったらしい。

加賀まり子、NHKの女子アナもやられたと、本文で記されている)で、

恐ろしい心の闇を抱えた「魔界」の人だと語った個所は、

個人的に特に興味を惹かれた。

●対談集ということもあり、口語体で非常に読みやすく、

私は二日あまりで一気に読破してしまった。

震災、原発事故、大不景気、ビン・ラディン暗殺と、

日々混沌とした日々が続いております。

今一度、仏教の存在意義を考え直したい方におススメの本です。

 

 【マストポイント】

@「梅原『45年間、仏教を勉強してきましたよ。

最近になって、ようやく少しだけ、

仏教とは何ぞや、ということがわかりかけてきた。

仏教とは要するに、「仏になる」ということなんやな』

五木『なるほど、仏になるですか。

宗教学者の蒲田東ニさんは「神は在るもの、仏は成るもの」と言っています』」

A「五木『蓮如は、ものすごくわかりやすいことばで、いろいろ言った人です。

たとえば「人は慣れると、手ですべきことを足でするようになる」なんていうのは、

蓮如の言葉ですよね。

これは難しいことでも何でもない。

私なんかも冷蔵庫を足で閉めるたびに、あ、蓮如さんに叱られるって、

こう思ったりします(笑)』」

B「梅原『仏教の思想の根底に、

世界は苦であるがその苦の原因は、人間の欲望にある、という考えがある。

この欲望を完全にコントロールするのが仏です。

私は現在、日本人で欲望のコントロールを完全に実行しているのは、

イチローではないかと思います。

マリナーズのイチロー選手は、仏に近いといっても、

お釈迦さんは反対しないと思います』」 

(以上本文より。一部改変)


【著者紹介】

五木 寛之
1932年、福岡県生まれ。両親と共に朝鮮半島へ渡り、小学校時代をソウルですごす。中学1年の時ピョンヤンで敗戦を迎え難民生活ののち、38度線をこえて南へ脱出、福岡へ引き揚げる。1952年、早稲田大学に入学するも学資が続かず中退。ルポライター、放送作家、編集者など多くの職業を経て、66年、小説現代新人賞、67年に直木賞を受け、衝撃的なデビューをはたす。その後ジャンルをこえた文芸活動で圧倒的な支持を集め、吉川英治文学賞を受賞した長編『青春の門』は、総発行部数が2200万部をこえるロングセラー。

梅原 猛
1925(大正14)年、宮城県仙台市に生まれる。生後1年9ヶ月で伯父夫婦に引き取られ養子となり、愛知県知多郡で育つ。私立東海中学、旧制八校(現・名古屋大学)を経て1945年京都帝大の哲学科に入学する。入学直後に徴兵されるが、敗戦によって9月に復学、48年に新制京都大学を卒業し大学院に進む。1967年、中公新書から『地獄の思想』を刊行しベストセラーとなる。その後、文芸誌などを舞台に古代史研究の評論連載を開始する。1972年『隠された十字架』を刊行、毎日出版文化賞を受賞する。



ラベル:五木寛之 梅原猛
posted by miura at 14:48| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 精神世界・不思議系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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