2011年07月07日

必読本 第993冊目 それでも「人と会おうよ」

必読本 第993冊目

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それでも「人と会おうよ」

横澤 彪

¥900 

新講社 

単行本: 189ページ

2009年8月1日 初版


●誰だって仕事で人と会うのは気が重いもの、

しかし…「人に会いたい!」という気持ちを育てる秘訣。

自分で思っているより人は「あなた」を求めている。

だから「人と会おうよ!」。

「人と会う」のが苦手な人へ!著者からの熱いメッセージ。

●「オレたちひょうきん族」や「笑っていいとも!」など、

伝説的なお笑い番組を数多く生み出したことで知られる、

元フジテレビの名物プロデューサー横澤彪さんの、交際術の名著。

著者は、本年1月に惜しまれつつも逝去されたが、

先月何気なく読んだブックガイドの中で絶賛されていたので、

取り急ぎ入手し、読んでみました。

●TVマンと言えば、有名人無名人を問わず、

毎日、無数の人々と嫌でも付き合わなくてはとてもやっていけない商売だろうが、

意外なことに、著者は、元々人と付き合うのがとても苦手だったという。

本書は、そんな交際下手の横澤さんが、

ひそかに努力研究を重ねた末にたどり着いた、

「人とうまく付き合っていく」ための心得を一冊にまとめたものである。

●口述したものを編集者が文章化したものなのだろうか。

とにかく、本文は軽妙洒脱で読みやすく、

内容的に優れていたこともあって、一気に読破してしまった。

TV業界の人は、あまり読書しないようなイメージがあるが、

東大文卒の横澤さんは、相当の読書家だったのでしょう、

文章は軽やかですが、無駄なことを一切述べず、

重要ポイントを過不足なくサラッと述べる。

相当の美文家です。

●本文中、著者が実際に見聞きした一般の人々の交際や出会いにまつわる

エピソードが沢山紹介されておりますが、心温まる感動的なものが非常に多く、

今まで引っ込み思案で、初対面で自分の方から声をかけるのが

億劫だった人は、大いに励まされるはずです

(惜しむらくは、たけし、タモリ、さんまなど、

著者が見出したと言っても過言ではない大物お笑い芸人の秘話が皆無だった点。

お笑い好きとしてはやや残念だった。

ただ、トップに行く芸能人ほど、TVで見せている姿とは全く違い、

無口で人見知りで交際下手な人が意外に多いという指摘は面白かった)。

ブログ筆者は、生来の人見知りで、大勢でワイワイ騒ぐことがとても苦手、

よって、学校や会社生活では、とても苦労し、孤独感を

覚えることが少なくなかったのですが、

本書を読むと、そんな一匹狼タイプで、人と群れるのが苦手なのは、

自分だけではない、世の中にそんな人は沢山いるのだと思い知らされ、

とても安堵させられました。

●他にも、定年退職を迎えてからの第2の人生を

いかにして生きればよいのかとか、

趣味の作り方、人の見分け方、一人の時間の過ごし方、

会社内でのポジションの取り方など、

非常に多くのアドバイス、至言が満載されております。

下のマストポイントに心に残った言葉を掲載しましたが、

3点に絞り切れないほど、候補となる名言がとても多かったことを付言しておきます。

●何かと言えば、直接会うのを嫌い、ケータイ、メール、ツイッター、FAXなどの

電子ツールでコミュニケーションを済ませていた方などには、

是非とも手に取っていただきたい本です。

希薄な人間関係が問題視されている現代こそ、再評価されるべき名著。

人生は人との出会いで劇的に変わることがある、

そして、運というものは、ひきこもっていては決してやって来ることはない、

人が運んで来てくれるものなのだから、自分の方から積極的に人に会いに行こうよ、

と心底痛感させられます。

(自戒を込めて言いたいのですが)孤高を気取るのがカッコいいと勘違いしていた人、

初対面の人にいつも緊張してしまう人、恋人や友だちとの交際に悩んでいる人、

そして、数多くのお客さんと日々付き合わなくてはいけないセールスマン

(ナンパにもある意味使える内容でしょう)などにも推薦したい本です。

ウソのように、今までの人間関係の苦痛さ、ストレス感が霧消するはずです。

 

 【マストポイント】

@「人と会うのが苦手な人は、自分の時間や居場所や生き方にこだわり過ぎているのではないか。

自分自身にこだわりを持つということを悪いとは言わないが、

人と会うことはまた別の問題なのだと思いたい。

自分にこだわってばかりいるのではなく、

相手の都合やペースに合わせなければならないことも多い。

それができるかどうかの訓練の時間と思えばいい。

一人でいるときには一人でいることの楽しさ、人と会うときには人と会うことの楽しさだけを

求めればいいのだ。

人と会うのが苦手な人は、たぶんこの切り換えがあまりうまくないのではないかと思う」

A「挨拶はもともと、常識とか礼儀といったものではなく、

自分が元気になるためのおまじないなのではないか。

どんな相手にも爽やかな挨拶を返せる人間は、

それだけで溌剌とした印象を与える。

事実その通りで、世間に対して風通しよく生きようと思うから、

爽やかな挨拶ができる。

他人に対する苦手意識を、挨拶が少しずつ取り払ってくれるのは本当のことだ。

人と会うのが苦手になってくると、まず挨拶が苦手になる。

気がつかないふりをして相手をやり過ごしたくなる。

ということは、道の真ん中を歩けなくなるということだ。

広い世間を狭く生きる、ことになる。

挨拶なんて、元気に、さっさとすませたほうが気持ちいい」 

B「人と会うことによって初めて何かが起こる。

予想外のことがたくさん起こる。

嫌な結果が出ることだってあるだろうが、

それを怖がっていたら、幸福感と出会うこともないだろう。

そしてもう一つ。

自分が一人ぼっちで生きているのではないことを知る。

人と会ってかえって孤独感を持つこともあるが、

そんなことは気にしなくていいし、怖れてはいけない。

とにかく、人と会おうと決心したとき、カチリと幸せの歯車が回り出すのだと思う」

(以上本文より。一部改変)


【著者紹介】

横澤 彪
群馬県生まれ。東京大学文学部卒。同新聞研究所研修生修了後、フジテレビジョンに入社。「THE MANZAI」「オレたちひょうきん族」で80年代のお笑い番組の路線を確立する。長寿番組「笑っていいとも!」も、当時、氏が手掛けたもの。その後も話題作を制作し、編成局専任局長、エグセクティブプロデューサーを経て、95年、フジテレビを退社。吉本興業(株)東京本社代表を経て、現在にいたる。20011年1月8日逝去。



ラベル:横澤彪
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