2011年08月22日

必読本 第998冊目 フランクリン自伝 (中公クラシックス)

必読本 第998冊目

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フランクリン自伝 (中公クラシックス)

フランクリン, 渡辺 利雄

¥ 1,550

中央公論新社

新書(ソフトカバー): 382ページ

2004年12月10日 初版

 

●しばしば「典型的なアメリカ人」と呼ばれるフランクリン。

彼の生涯と思想のなかにアメリカ人すべての性格や特徴が体現されているというのだ。

意欲的な新訳が無類の面白さを伝える。

●最近、めっきりブログの執筆を怠っておりまして本当に申し訳ございません。

1000冊突破という個人的な金字塔を目の前にして、

足踏み状態といいますか、正確に言いますと怠慢状態が続いており、

我ながら情けなく思っております。 

●ただ、その弁解をするわけではございませんが、

最近、すべてのことを脇に追いやっても

真っ先に飛びつきたくなるようなビジネス本、自己啓発本がめっきり少なくなったような

気がいたします。

特にそういう情報を関係者から聞いたわけではありませんが、

小手先のテクニックに走ったような軽いタッチの自己啓発本、

時流にただ乗っかたような安直な成功法則本というものは、

こういう過酷な時代には全く売れない、誰からも見向きもされないのかもしれません。

●ということで、自分としては、最近、

「古典」を見直そうという気持ちが高まっております。

やはり、昔から読み継がれてきた古典的名著には、

それだけ長い期間多くの人々に支持されてきたほどの、

普遍(不変)的な原理原則に満ちていると、考えます。

今回は、アメリカ建国の礎を築いたのみならず、

異分野で多くの業績を残したマルチな才能の持ち主、

ベンジャミン・フランクリンの自伝をご紹介したいと思います

(念のため書いておけば、現100米ドル紙幣の人物がフランクリンです)。

●自己啓発的な意味で言いますと、

まずベンジャミン・フランクリンで有名なのは、いわゆる「13の徳目」でしょう。

第6章に、それを一生の習慣にしてしまおうと決意した経緯と、

どのようにしてそれを達成したのかの詳細な内容が記されております。

他の章が、身辺で起こった出来事を綴った日記調の文体に終始しているのに対して、

この章だけは、独立して読むことができるほど、

いい習慣を身につけるためにはどうすればよいのかを

極めて手短にまとめられている。

全体の分量が結構ある書物だけに、

時間がない人はこの章だけを優先的に読んでしまうという手もあるだろう。

●印刷業者として職業生活をスタートしたフランクリンだが、

発明家、科学者、政治家、文筆家など、数多くの分野で、

目覚ましい業績を残している。

本書を通読して、なぜ、そんな人並み外れたことが可能だったのか私なりに

考えてみると、やはり、幼少時から、並はずれて読書家だったということが

挙げられる。

ろくに学校教育を受けていなかったフランクリンだったが、

知識欲は非常に旺盛だったようで、本書を読むと、

とにかくちょっと暇があると本ばかり読んでいたという描写が出てくる。

読書の恩恵に人一倍与ったせいか、

後年、現在の図書館システムの原初となるような会員制図書館を創設するという

活動まで起こした。

●他に見過ごせない習慣は、

倹約家であることと、人との交際術の秀逸さだろう。

前者についていえば、貧しい家の出であったこともあり、

とにかく子供のころから節約を旨とし、贅沢を排除、

最終的には多くの事業が成功したこともあって、

相当の資産を形成する大実業家となる(ただ、それを自慢するような記述はほとんど見られない)。

昨今誰もが知るところの蓄財術の基礎の基礎を築いたと言っていいだろう。

後者についていえば、とにかく、人間観察に長けているというか、

人との交渉事においてはどのような手段をとれば成功するか、

集団をまとめ上げるにはどのような弁舌、態度でいればよいのかなど、

非常に参考になるエピソードに満ちている

(後半、ほとんど未開民族といってもよい野蛮なインディアンたちとさえ、

丁々発止に渡り合ったという面白い話も紹介されている)。

●全体的な印象としては、

やはり、今から300年前もの古き時代に生きた人物の自伝ゆえ、

現代人にはちょっとピンとこない部分も多い本です。

また、事あるごとに脚注が付載され、それをいちいち

後ろのページで参照するのが面倒くさいといった構造上の難点もある。

しかし、それらに目をつぶっても、

やはり、極めて学ぶところの少なくない自伝本の中では筆頭の名著です。

下に記載したような名言箴言の類も非常に多かったことも最後に記しておきます。

 

 【マストポイント】

@「ある種の人間の行為は、神が禁じているから悪いのではなく、

また、神が命じているから善いのでもなく、

おそらく、私たち人間にとって悪であるから神は禁じているのであり、

私たちに有益であるから神は命じているのだ」

A「人間の幸福とというものは稀にしか起こらない大きな幸運よりは

毎日起こる小さな便利さから生じるものなのだ」

B「人間というものは忙しく仕事をしているときがもっとも満足しているものである」

C「万物を創造された唯一の神が存在する。

神はみずからの摂理に従って世界を治めておられる。

神は、礼拝、祈祷、感謝によって崇拝すべきものである。

しかし、神が最も嘉たもう奉仕は、人に善をほどこすことである。

人間の魂は永遠不滅である。

神は現世あるいは来世においてかならず徳に報い悪を罰する」 

(以上本文より。一部改変。今回は特別に4つ)

【著者略歴】

ベンジャミン・フランクリン
1706~90。政治家、文筆家、発明家、科学者、印刷業者。ボストンのろうそく製造業者の家に生まれ、12歳で兄の営む印刷所に奉公に入る。その後、フィラデルフィアに移り、印刷の仕事に携りながら文章の錬磨に努める。買いとった新聞社から出版した暦が好評を博し、財をなす。やがて経営をパートナーにまかせ、科学・学術の分野での活動、政治活動に専念した。1776年の「独立宣言」の起草ではジェファソンを助けた。

渡辺 利雄
1935年(昭和10年)台湾新竹市生まれ。1958年、東京大学文学部英文科卒。東京大学文学部教授、日本女子大学文学部教授・文学部長などを歴任。東京大学名誉教授。専門はアメリカ文学。



この記事へのコメント
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Posted by デコログ at 2011年10月22日 14:29
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Posted by モ バ ゲー at 2011年12月10日 22:55
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Posted by 中山大障害 2011 at 2011年12月13日 14:35
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