2012年01月12日

必読本 第1014冊目 社長が戦わなければ、会社は変わらない

必読本 第1014冊目

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社長が戦わなければ、会社は変わらない

金川千尋(著)

東洋経済新報社

¥1,470

単行本: 214ページ

2002年12月19日 新版



●八方ふさがりでも「活路」あり!

深刻な不況が続く業界にあって、7年連続で最高益を更新。

世界トップシェアのメーカーを米国で経営するなど、国際的に評価の高い「金川流経営」のすべて。

●昨年末にご紹介した(必読本第1011冊目参照)、信越化学工業社長の金川千尋さんの10年前に発売された本。

最近、タイトルも変え、内容も加筆されて改訂されたが、

それの元となった本である。

ちなみに、その本は、以前もチラリと書いたことがあるが、

昨年発売されたビジネス書の中では筆頭の名著という誉れである。

●「株式会社の経営者のボスは株主だけ」と、ドライな持論をいきなりぶったり、

GEのジャック・ウェルチを崇拝していたり、アメリカで事業経営をされていることもあり、

欧米流の、血も涙もない冷酷な経営者なのかと、初めての方は心配してしまうだろうが、

贅沢を嫌い、質素な生活を好む、

権謀術数を使い、人を陥れるような卑怯な手法を嫌悪し、人の恩義、人間関係を重視する、

山本五十六など、軍人などの生き方にヒントを見出すなど、

和洋折衷というか、西洋と東洋のいい面だけを効果的に吸収する、

バランスが非常に取れた経営者といった印象を受ける。

●増補改訂されたぐらいに定評があっただけのことはあり、

他にも、「金川流会社経営の極意」が、非常に単純明快に語られている。

少数精鋭主義、徹底した無駄の排除、

時流を先読みし、未来に備える、

是々非々、非合理的な守旧派の意見に屈しない、

人真似でなく、オリジナリティを持った経営感覚を養う、

海外でのビジネス成功の秘訣など、とにかく参考になる話が満載である。

●前回ご紹介した書もそうだったが、

とにかく文章が軽妙洒脱で読みやすいのも長所だ。

無駄を嫌う性格を反映しているのか、

ポイントが手際よくまとめられているので、

200ページの薄さもあり、読み始めたら一気に読破できる。

本書は、特に、斜陽産業でもがいている中小企業経営者におススメの書です。

新しい本をご希望の方は、既述の改訂版をご購入すればよいのですが、

内容的に大して古びてないので、本書でも十分満足できるかと思います。



【マストポイント】


@「会社の理念さえ正しければ、それだけでうまくいくのなら、

こんなに簡単なことはありません。

事業はそれほど甘くなく、予測不可能な事態が次々に起こり、

そのたびに臨機応変な対応を迫られます。

実際の事業のなかで経営者は試され、

それを乗り越えることで事業家としての手腕が磨かれます。

また、危機を乗り越えるにつれて、会社は強くなっていくのです。

現在の私は、常に最悪を想定して経営にあたっており、

このことは現代の経営者にとって必須の姿勢だと思っています」

A「日本企業が海外に出ると、よく国際性がないと言われます。

日本人が一番いけないのは、イエス、ノーをはっきりさせないことです。

そして、出来ないことでもあたかも出来るかのように言ってしまうことが、

トラブルを招いてしまうのです。

海外で仕事をするときには、

『出来るかどうかわからないけど、まあ、いいや、

出来ると言っておこう』という態度ではいけません。

出来ないときは、理由を明確にして、『出来ない』とはっきり言う。

これが大切です。

英語圏で、一度『出来る』と言ったことを実現できなかったら、

それだけでもうおしまいです。

決定的に信用を失い、二度と話を聞いてはもらえません」

B「(著者のことを信用し、ずっと重用してくれた元社長の)小田切さんと

私とは、経営者としての共通点がいくつかありました。

私もそうなのですが、小田切さんもだめな人はあまりあてにしていませんでした。

小田切さんは温厚で円満な人柄でしたから、

口に出してそういうことはおっしゃいませんでしたけれども、

だめな人は相手にしていませんでした。

小田切さんは人をよく見て、その人の実績を公平に評価し、

真価を正しく見抜く経営者でした。

その上で、真に有能な人だけを信頼していました。

もう一つの小田切さんと私に共通していることは、

オリジナリティを持っていたということだと思います。

小田切さんは、問題が起こったときに、

人に教わったことでも本に書いてあることでもなく、

独自の発想で解決していました。

その発想は、昔の経験から出るものもあれば、

まったくのひらめきから来るユニークなものもあったようです。

そんな独自の発想を総合して、事業を成功させるということです」

(以上本文より。一部改変)


【著者略歴】

金川 千尋
信越化学工業株式会社・代表取締役社長。1926年当時日本統治下の朝鮮・大邱生まれ。50年東京大学法学部卒業、極東物産(現三井物産)入社。62年信越化学工業に入社し、70年に海外事業本部長となる。78年塩化ビニール事業の海外子会社、米国シンテック社長に就任、塩ビ事業を世界最大規模に成長させた。90年シンテック社長と兼務で、信越化学工業の代表取締役社長に就任。2007年3月期決算では12期連続で最高益を更新。



ラベル:金川千尋
posted by miura at 10:28| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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