2006年10月09日

必読本 第141冊目 夜と霧 新版

必読本 第141冊目

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夜と霧 新版

ヴィクトール・E・フランクル(著), 池田 香代子(翻訳)

¥ 1,575 (税込)

みすず書房

単行本: 169ページ

2002年10月25日 初版

 

 

●『心理学者、強制収容所を体験する』

飾り気のないこの原題から、世界で600万部も売れた、永遠のロングセラーは生まれた。

“人間とは何か”“生きるとはどういうことなのか”を描いた

静かな魂の書を、新訳・新編集で送る。

●身の毛もよだつような悲惨な収容所の話だからと、読むのを敬遠されている方が

少なくないと思いますが、戦争を糾弾したり悲惨さを訴える自伝というよりも、

むしろ、ビジネス書、自己啓発書的角度から読むと興味深い本です。

極限状態における人間の心理状態、行動傾向を、

同じ立場で観察し続けた精神分析医の貴重な記録とでも言えばよいでしょうか。

●人間というものは、ほんの些細な相違点によって、善人にもなれば、悪魔にもなりうること、

未来に希望が失われると、人間はあっという間に“死滅”してしまうこと、など、

人間の精神の脆弱性を学ぶ上で、格好のテキストと言えます。

●ただユダヤ人だという一点の理由だけで、

強制収容所送りとなった精神科医。

美しい若妻、2人の子供をガス室(もしくは餓死)によって殺されながらも、

そこで行われるナチスの非道な行い、同じ収容所仲間の行動形態を、

疲労や絶望、飢餓、病苦の連続の中、冷静な視点で

観察し続けていった、凄まじき職業魂にも特に拍手を送りたいものです。

我々がもし同じ状況下だったら、このような仕事が果たしてできたでしょうか。

必読本 第134冊目の土井英司氏が挙げる必読の

名著30冊のうちの1冊としても紹介されております。

同じタイトルの、アラン・レネ監督の傑作ドキュメンタリー映画や、

ナチス、ホロコーストを扱った映画、本と併せ、

今一度戦争の無意味さ、生きることの根源的意味について深く考えてみたいものです。

●はからずも、本日、隣国北朝鮮において、

性懲りもなく地下核実験が強行されたという恐ろしいニュースがあった。

憲法9条を保持し、恒久平和を標榜する我が国の隣に、

このような危険思想を持った独裁国家が存在するという

現状に憂慮の念は消えない。

また、世界の至る所において、いまだに不毛な戦争が毎日のように行われ、

大規模なテロの危険も心配されている。

我々が日々謳歌する平和の尊さ、また、戦争の悲惨さ、愚かさを

再考する意味でも、このような人類の遺産とも言うべき名作は、

連綿と読み継がれていかなければならないだろう。

 

【著者紹介】

ヴィクトール・E.・フランクル
1905年ウィーン生まれ。フロイト、アドラーの影響を受け、精神科医となる。第二次大戦下、ナチスによって強制収容所に送られ、妻を始め家族の多くを失う。その後精神療法医として独自の「ロゴセラピー」を展開、ウィーン・ポリテクニック神経科部長、ウィーン大学教授、合衆国国際大学特別教授などを歴任。1997年没。

ラベル:夜と霧
posted by miura at 15:31| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 自伝・一日一話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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