2006年12月24日

必読本 第216冊目 怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉

必読本 第216冊目

怒らないこと.jpg

怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉

アルボムッレ スマナサーラ(著)

¥ 735 (税込)

サンガ

新書: 203ページ

2006年8月20日 初版

 

●昨今では、怒らないと不甲斐ないとでも言わんばかり。

しかし、ブッダはこれに真っ向から反対した。

ブッダはなぜ怒りを全面否定したのか。

最初期の仏教であるテーラワーダ仏教の長老が、その真意を平明に解き明かす。

● 正直に申し上げますと、この本の著者と出版社の名前は、

私はずっと知らなかったのです。

しかし、馴染みの本屋さんでいつも平積みにされていて、

すごく目立つものですから、

何となく横目でずっと気になっておりました。

最近、「怒る」ことの不毛性を痛感することが多く、

何か私の現在の心境にピッタリ合った本なので、昨日購入して

早速読んだのですが、やはり期待通りの傑作です。

もっと早めに読めばよかったと後悔することしきりです。

●日本語にも精通している著者が(翻訳本ではない)、

「怒り」の本質、発生する仕組み、デメリット、制御する方法

など極めて読みやすい言葉でわかりやすく解説してくれます。

著者は僧侶さんですが、難解な宗教用語がほとんどない

一般書なので、安心して読めます。

口語体の本なので、1時間もかからず読破できるはずです。

●とりわけお釈迦様やその高弟の、怒りにまつわるエピソードが

面白く、現代人にも非常に参考になるものが多い。

面白半分で、泥棒からノコギリで体を切られそうになっても

怒ってはならぬと説いたお釈迦様。

現代人はさすがにマネできそうもないが、

その真意は何となくわかるような気がする。

●ほとんどの罪悪、事件、戦争、殺人、不幸、病気は

「怒り」の感情から発しているからだ。

ちょっとしたイライラや、カッとなった結果として、

各種の事件や不幸が連日報道されていることからも、

このことはわかる。

キレてしまったら、本人が結局、負けてしまう、

損をしてしまう、だからどんなことがあっても、

怒ったらダメだよとお釈迦様は言いたかったのだと思う。

●「怒る」人のまわりで、いつも災難や事件が「起こる」。

怒ることを放棄し、常に笑っている人、

どんなことがあっても、怒らない人には、

奇跡をもたらしてくれると本文末尾にある。

(笑いを常に維持する方法を書いたこの部分は、

実に鋭いことが書いてあり、特に精読したい)。

何かとちょっとした些細なことで、イライラ、ガミガミ

している人が多い昨今、とりわけ自戒したい教えである。

●何が起こっても怒らず、終始笑顔でいること。

言うは易く、行うは難しだが、

何かと反省することが多いこの年末、

新年生まれ変わったように、自分を変身させたい向きには、

強く推薦したい本です。


 

【著者紹介】

アルボムッレ・スマナサーラ
スリランカ上座仏教(テーラワーダ仏教)長老。1945年4月、スリランカ生まれ。スリランカ仏教界長老。13歳で出家得度。国立ケラニヤ大学で仏教哲学の教鞭をとる。1980年に来日。駒澤大学大学院博士課程を経て、現在は(宗)日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教の伝道と瞑想指導に従事し、ブッダの根本の教えを説き続けている。朝日カルチャーセンター(東京)の講師を務めるほか、NHK教育テレビ「こころの時代」などにも出演。
 

日本テーラワーダ仏教協会 ホームページ http://www.j-theravada.net/

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