必読本 第330冊目
あなたにとって一番大切なもの―
フェラーリを手放して、お坊さんになった男
ロビン・S. シャーマ(著), Robin S. Sharma(原著),
鈴木 智草(翻訳)
1,365円(税込)
PHP研究所
単行本: 260ページ
2004年3月10日 初版
●仕事に燃え尽きた敏腕弁護士が、チベットで再生する物語。
東洋思想を軸に、人生の目的やつまらない日々の改善法など、
7つの基本原則を教えてくれる。
●必読本第122冊目で紹介した、
話題の著者が過去に出した一風変わった自己啓発本。
小説風の流れの中で、
我々を成功に導く、数々の知恵や法則が語られていく。
●正直に言うと、その必読本122冊目のベストセラーの方は、
自己啓発書としては、そんなに感動はしなかった。
しかし、かなり売れたのは確かで、どこの古本屋でも頻繁に見かけたものだが、
私個人としてはそんなに評価するほどの本でもなかったと思う。
しかし、今回紹介する本は・・・ちょっとすごいですよ。
●めったにお目にかかれない大名著の中の1冊だと
文句なく申し上げてよい傑作です!
既述のように、オグ・マンディーノ的な小説風の本なのですが、
この本の中で語られている成功法則は、
もう厳選に厳選を重ねたものばかり凝縮してあります。
久々に興奮して一気読みした本です。
●ストーリーを簡単に言うと、
考えられる限りの物質的成功を手に入れた辣腕弁護士が、
ある日、それまでの無理がたたって、心臓発作で倒れる。
それをきっかけに「改心」し、フェラーリをはじめ、すべての財産を処分し、
弁護士もやめ、インドの山奥に行き師匠について修行に励む
(中村天風の実話をヒントにしたのかと勘ぐりたくなるぐらい話は酷似している)。
そして、そこでマスターした「人生成功のための法則」を、
かつての弁護士事務所の、特に目をかけていた
後輩弁護士に語る、という話。
僧侶になった元辣腕弁護士と、後輩弁護士の二人語りとして
本文は進行していく。
●しかし、小説風の話の中で、
これほどまでに手際よく、多くの成功法則を絶妙に
詰め込んだものだと感嘆しないではいられない本。
著者の物書きとしての手腕に文句なく脱帽した。
「早起き」、「利他主義」、「夢は紙に書く」、「アファーメーション」、
「菜食主義」など、今誰もが知っている類の成功法則は、
ほぼこの1冊にまとめ上げられております。
この1冊を何度も何度も繰り返し読めば、他の本は要らず、
なおかつ、お釣りが来るぐらいに内容充実の本です。
●又、沖縄の話、あの「カイゼン」、相撲の力士など、
日本的叡知の数々がたくさん出てくるという意味においても、
我々日本人にも親しみやすい内容です。
又、インド的知恵も数多く出てくるという意味において、
今話題のディーパック・チョプラ氏のファンの方にも超おススメです
(特に、チョプラさんの傑作(必読本第250冊目参照)と2冊併せて読むと
成功法則的に完璧かも)。
●しかし、この本は、残念ながら絶版です。
古本屋さんで見つけたら、文句なく即買いして下さい。
おそらく、将来、著者の本が増えてくるごとに、
ありえないぐらいの高価格で取り引きされることは
確実ですから。
めったに大推薦しない私が、文句なくおススメする超名著です。
【著者略歴】
ロビン・S・シャーマ
リーダーシップ、能力開発、人生マネジメントなどの権威として国際的に知られる。自己啓発本の古典とも言える“Megaliving!”など、4冊の著書で高い評価を得ている。法学士および法学修士の学位を持ち、訴訟弁護士としての輝かしい経験も持つ。数々のテレビ番組にパーソナリティーとして出演するかたわら、著名な新聞・雑誌でも紹介された。取り上げられたメディアは、USAトゥデー、サクセス・マガジン、ファイナンシャル・ポスト、グローブ&メール、NBC、CBC、CTVなど、多岐にわたっている。また、シャーマ・リーダーシップ・インターナショナルを設立。同社は、リーダーシップ開発、変化に直面する個人および組織の潜在能力開発などを専門とした研修プログラムを提供し、顧客には大手企業、団体、医療法人などが名を連ねる。