必読本 第342冊目
ぼくを探しに
シェル・シルヴァスタイン(著), 倉橋 由美子(著),
Shel Silverstein(著)
1,575円(税込)
講談社
ページ記載なし。
1977年4月24日 初版
●何かが足りない
それでぼくは楽しくない
足りないかけらを探しに行く
ころがりながらぼくは歌う
「ぼくはかけらを探してる、足りないかけらを探してる、
ラッタッタ さあ行くぞ、足りないかけらを……」
●以前から何度かご紹介している
シルヴァスタインの代表作(必読本第299冊目、第303冊目参照)。
ピースマーク?それともタマゴ?のような
不思議な物体が、自分の「欠けた部分」
(これが本書の原題)を探す楽しい旅に出る。
●すごく有名な本なので、
ストーリーを既にご存知の方も多いことでしょう。
絵もシンプル、ストーリーもシンプル、
しかし込められているテーマは実に深遠です。
一読してそれで終わりにするのにはもったいない本です。
子供への読み聞かせにとどまらず、
休日時に、大人が読む絵本としても超最適ですね。
●人間は常に自分に欠けているもの、
足りないものを探して毎日悩んでいる。
しかし、その欠けていたものが手に入ったかと思うと、
それでも実は完璧にはならない。
又、違った悩みが生まれてくる。
完璧な人などない、
いや、完璧だとつまらない。
みんな欠けた部分があって、それが個性を作り、
その人の味わいになる。
今の、欠点があるままのあなたでいいんだよ。
そういうことを教えてくれる素晴らしい本です。
●この本の続編に当たる本(下記参照)は、
まだ未読なので、入手後ご紹介致します。
とても発行部数が多いようで、
古本屋さんでもよく見かけることも
併せて付記しておきます。
【著者略歴】
シェル・シルヴァスタイン
シカゴ生まれ。作家、イラストレーター、歌を作りギターも弾く。カウボーイ・ハットを愛し、いつもジーンズ姿でいる自由人。『歩道の終るところ』(講談社刊)など作品各種。
【倉橋由美子】
作家。高知生まれ。明治大学卒。著作に『パルタイ』『スミヤキストQの冒険』など多数あり、翻訳はこれが初めて。