必読本 第377冊目
孫正義語録―孫氏の兵法
孫氏の兵法製作委員会(著)
¥ 1,260 (税込)
ぴあ
単行本: 255ページ
2007年2月22日 初版
●革命を起こし続けるソフトバンク・孫正義社長、初めての名言集が登場!!
ビジネスの世界を変えた男は何を語り、
どんな決断を下したのか?
孫正義の勝利の秘密に迫る226の言葉!!
● 日本のIT業界を代表する存在と言ってよい巨人、孫正義。
少年期からの経歴、勉強術、発想術、目標設定の仕方、
経営法、そして未来のビジョンなど、
孫正義の全体像を一度につかむことができる名言集。
●孫氏が愛読書の1冊だという『孫子の兵法』に
なぞらえ、「情熱の兵法」、「発見の兵法」、「決断の兵法」、「逆境の兵法」、
「参入の兵法」、「事業の兵法」 という章タイトルになっている。
孫氏に関わる膨大な本、雑誌、記者会見、インタビューでの
言葉を総点検し、一般人にも役立つ言葉を抽出していった
編集部の骨の折れる作業には特に拍手を贈りたい。
●この本の中では、特に「逆境の兵法」が
個人的には面白く読めました。
飛ぶ鳥を落すような勢いの26歳の時に、
思いがけずB型肝炎に罹ってしまい、
余命5年と容赦なく医師から宣告されてしまう。
その絶望的な境遇の中で悟った言葉、
特に、130ページの「たかが、自分の命ぐらいでくよくよしてどないするんや」は、
中村天風、稲盛和夫などの病床時の心境を想起させ、
とても感動しました。
●かつて、ぴあは、イチローの名言集(必読本第176冊目参照)を
発売し、大変好評を博したが、同じ体裁の本ですね。
ページ中央に、名言を掲載し、
末尾にその簡単な解説を付記するという構成になっている。
多忙な方や本を読むのが苦手な方には、
一度に孫氏のエッセンスを学べるので、
実に使い勝手のよい本です
(ただ、価格は、税込み1,000円きっかりにしてほしかったところ)。
●公式には、孫正義本人名義の
著書というのは出版されていない。
孫氏自身、現役の間は、本を執筆しようという気が
さらさらないのだろう。
このあたりは、クロネコヤマト創業者の小倉昌男さんだったか、
本を書き始めると、その経営者の会社がすぐに傾くというようなことを
かつて著書で書いていたことを想起させる。
孫氏がそれを意識しているのかどうかは定かではないが。
●これから起業を目指されている若者にとっては、
必読の書でしょうね。
起業の際の注意点、心構え、資金の集め方、人の使い方など、
成功するためのポイントが全文に散りばめられております。
何度も何度も読み返すに値する本です。
下記には、本文で紹介されている本も含め、
孫氏の愛読書、関連書も併せて挙げておきますので、
併せてご参照下さい。
【著者略歴】
孫 正義
1957年8月11日生まれ。日本人の実業家、福岡ソフトバンクホークスのオーナー。
佐賀県鳥栖市出身。学歴はカリフォルニア大学バークレー校経済学部卒業。学位は経済学士(カリフォルニア大学)。 在日韓国人3世で、四人兄弟の次男。後に通称名の安本正義ではなく本名の孫正義のまま1991年11月に日本人帰化する。 本人は孫家の本貫を根拠に古代中国の兵法家孫子の末裔と主張しているとのこと。 実業家の孫泰蔵は正義の実弟。ベンチャー企業の先駆けとして、パソナの南部靖之、HISの澤田秀雄とともにベンチャー三銃士と称された。