2007年06月12日

必読本 第386冊目 無常の見方 「聖なる真理」と「私」の幸福 お釈迦さまが教えたこと1

必読本 第386冊目

無常の見方.jpg

無常の見方

「聖なる真理」と「私」の幸福 お釈迦さまが教えたこと1

アルボムッレ スマナサーラ(著), Alubomulle Sumanasara(原著)

1,500円(税込み)

サンガ

単行本: 208ページ

2006年3月20日 初版

 

 ●ブッダが説く「無常」は、

「花が散って寂しい」「親しい人が死んで悲しい」といった

感情的なものではありません。

「無常は聖なる真理」。普遍的で客観的な事実であり、

一切を貫く法則であり、幸せに役立ち、

悟りに到る智慧の見方なのです。

驚くべきブッダの智慧の世界へご案内しましょう。

●スマナサーラさんの本は、

平易な文章と、難解なブッダの教えをわかりやすく

解説してくれることもあり、できるだけ読むようにしている。

日本の特定宗派のある種の僧侶のように、

自派の優秀性ばかり誇示して、

他派や他宗教をむやみに批判したり、攻撃したりすることが

比較的少なく、安心して読める度量の広い宗教家の一人である。

●しかし、この本はちょっとどうだろうか。

昨年発売されたばかりの本だが、

ズバズバ歯に衣着せぬ、一刀両断の内容である。

一般書籍の出版物は、出版中止や名誉毀損などを気にして、

特定の宗教や政党などの表立った批判などは控えるはずだが、

この本は、真正面からキリスト教、ヒンドゥー教など他宗教、

さらに、占い業界まで全否定するかのごとき

過激な内容を一部書いている。

ここらあたりはクレーム必至で、一読者ながら、

ここまで書いて大丈夫なのかと心配しないでは

いられないものがある。

●しかし、そんな瑣末な他者の批判など構っていられないぐらいに、

スマナサーラさんは、

ブッダの言われている普遍の真理には絶対の自信を

お持ちなのだろう。

そうでなければ、ここまで過激かつ独断的な

主張は展開できないはずである。

●この本は、単なる仏教解説書の枠を超えている本だと言える。

ブッダが悟った「無常」というテーマに絞り、

人間の幸せとは、人間世界の真理とは、楽に生きるための方法とは、

多角的に分析していく本。

われわれ凡人はえてして、自分のお金や健康や身分を

常住的なものだ、永遠なものだ、不変なものだと思い込みがちだが、

ブッダはそんなものはないのだ、すべてこの世のものは「無常」なのだと喝破した。

●文体は平易だが、読了後は、

何か深いため息と重々しい気分になる

複雑な書であった(駄本だという意味ではもちろんない)。

愚鈍な私には、何かわかったようで、

結局何だっただろうかというような、雲を掴むような

感想を持たせた。

寿命や健康や人生の意義を深く考えたい方にはおすすめな本だと思います。

●おしゃれなカバーで、

横書きの構成、重要文は太字になっているなど、

それなりに外観は初心者にも入り込みやすい

印象を与える本だが、内容的には一筋縄ではいかない

時間をとって繰り返し読むことが肝要だろう。


【著者紹介】

アルボムッレ・スマナサーラ
スリランカ上座仏教(テーラワーダ仏教)長老。1945年4月、スリランカ生まれ。スリランカ仏教界長老。13歳で出家得度。国立ケラニヤ大学で仏教哲学の教鞭をとる。1980年に来日。駒澤大学大学院博士課程を経て、現在は(宗)日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教の伝道と瞑想指導に従事している。朝日カルチャーセンター(東京)の講師を務めるほか、NHK教育テレビ「こころの時代」などにも出演。

日本テーラワーダ仏教協会 ホームページ http://www.j-theravada.net/

 

この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。