2007年06月24日

必読本 第398冊目  不動心

必読本 第398冊目

不動心.jpg

不動心

松井 秀喜(著)

¥ 714 (税込)

新書: 189ページ

新潮社

2007年2月20日 初版

 

●左手首骨折という選手生命を脅かすほどの大怪我から、

見事な復活を遂げた松井秀喜。

その陰には、マイナスをプラスに変える独自の思考法があった・・・。

コントロールできることとできないことを分ける、

悔しさはあえて口に出さない、7割の失敗と上手に付き合うなど、

戦い続けるなかで身につけた、松井流「心の構え」を初めて明かした書。

●ニューヨークヤンキース松井秀喜が

己の成功の秘密、野球観、知られざる

エピソードを語る話題の新書。

私が手にとった本は11刷で、本年2月に発売された

ことを考えると、大変売れ行きは好調のようである。

●昨年骨折していて比較的ヒマだった時に執筆を依頼されたのだろうか。

ご自分でパソコンで打ったのか、原稿用紙に埋めていったのか

定かではないが、野球人にしては意外に達者な文章を書く方である。

ある程度、プロの手直しはあるだろうが、

実に読みやすく、「知性」を感じさせる本だった。

●あの甲子園での5打席連続敬遠でも、

全く無表情で一塁まで歩いて行った姿が

象徴しているように、松井さんはとりわけ

己の感情を外部に示さないことで有名だ。

第2章でそのあたりの秘密は詳しく述べられているが、

極めて冷静沈着に野球に対して取り組む頭脳派で、

独特のセルフコントロール法を披露している。

このあたりのメンタル面での考え方は、

野球少年のみならず、他のスポーツ関係の方々、

そして我々一般人が読んでも大変参考になる。

すぐに怒らない、人に対してデカイ声を上げないなど、

感情的になりやすい人は松井さんの感情コントロール法を

学んで下さいね。

●又、この本では、左手や膝など、

骨折や痛みなどの持病に対する独特の対処法を

述べられているのが特に注目に値する。

今厄介な難病や慢性病を抱えて、日々一人悶々と

悩んでいる方ならば、是非とも松井さんの病気との

付き合い方の話は読んでみてほしい。

ものすごく参考になるはず。

●しかし、改めて痛感したのは、

大選手の陰には必ず名指導者が存在するということだ。

高校時代は山下監督、巨人時代は長嶋監督、

ヤンキース時代はトーリ監督と、

神の恩寵かというぐらいに、松井さんは

「メンター」に恵まれている(更にご両親の

陰のサポートも忘れてはなるまい。

放任主義や、「さん」づけで自分の子供を呼ぶなど、

教育法という意味で、参考になる話がとても多い)。

そして、その指導者が揃いも揃って、

ただの勝利至上主義者でなく、

野球人を超えた、一人の人間として、

模範人物たれと松井さんを指導してきた姿に非常に心を打たれた。

このあたりは、現在スポーツや教育関係に

従事されている方々は見習いたい部分

(又、長嶋監督がとりわけ素振りの「音」に

こだわって、松井選手の好不調を判断したというエピソードは、

宮本武蔵などの剣豪を想起させ、実に面白かった。

阪神掛布選手(現解説者)が不調の時に、その素振りの音を「電話」を通して

聞いたという仰天エピソードも出てくる)

●他にも、テレビや新聞だけでは

なかなかわからない、食事のメニューやオフの過ごし方などの

プライベート話、右から左打ちに変えた話、

阪神を希望していたドラフト会議当日の話、

何かと比較されることの多いイチロー選手との違い、

チームメートでなければ書けないジーターやA・ロッドの秘話など、

野球ファンは一気に読める面白い本です。

●新書は、無味乾燥なカバーデザイン、

安い価格のせいで、普通の本ほど顧みられることが

少ないのですが、本書のように面白い本がたまにありますねぇ。

こまめにチェックして、紹介する価値がある本は

又ここで書評したいと思っております。

 

【著者略歴】

松井秀喜

1974(昭和49)年石川県生まれ。星稜高校時代、甲子園に四度出場。1993年にドラフト一位で読売ジャイアンツ入団。2002年、FA権を行使しニューヨーク・ヤンキースと契約。2006年5月に左手首を骨折するまで日米通算1768試合連続出場。右投げ左打ち、外野手。

松井 秀喜 ベースボールミュージアム 公式ホームページ http://www.hideki.co.jp/

この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。