2007年07月29日

必読本 第431冊目 21世紀 仏教への旅 中国編

必読本 第431冊目

仏教への旅中国編.jpg

21世紀 仏教への旅 中国編

五木 寛之(著)

¥ 1,785 (税込)

講談社

単行本: 261ページ

2007年4月25日 初版

 

●中国禅は、仏教の大革命だった。

禅の源流を訪ねて中国沿岸部をめぐり、

さらに、世界のZENを追ってフランスに飛んだスリリングな旅。

●人気作家の五木寛之さんが、

仏教の源流と未来を探るべく、

自ら世界の国々を旅した大人気シリーズの第3弾

(NHKBSでも、同内容で放送されたらしい。

見るのを忘れたのが実に悔やまれる)。

本来であれば、第1作目からご紹介するべきだったかも

しれませんが、個人的に何度も旅している

親しみがある国だったせいもあり、

『中国編』から今回書評させていだきます。

●氏のファンならば当然おなじみのように、

文章は実に読みやすい名文。

260ページとそれなりにボリュームはあるが、

内容の面白さもあって、とどまることなく一気に読める。

私は2時間弱で読めた。

●内容的には、ブッダが創始した仏教が、

中国大陸においてどのように変容し、

日本など諸外国にどのように伝播されていったのかを、

豊富な史実や現場での取材、そして、五木さんの考えも交え、

初心者にもとてもわかりやすいように解説されている。

特に、中国において生成発展した「禅仏教」に関して、

紙数を多くとり、かなり詳細に論じられているのが特色。

●中国、日本では誰もが知っている、

慧能、栄西、道元など、

名僧の面白いエピソードがたくさん紹介されているので、

仏教ファンのみならず楽しく読める。

又、後半部分では、氏のもうひとつの深い関心事のひとつ

と言える、健康分野に関連した話がたくさん出てくるのが

興味深い。

特に、座禅、瞑想、呼吸法に関しては、

参考になるエピソードが多かった

(原因不明の咳に悩まれていた若い女性が、

五木さんの、口呼吸をやめ鼻呼吸に変えてみては、

という何気ないアドバイスひとつで、今までの苦しみが

ウソみたいに治ってしまったという話が特に心に残った)。

●冒頭に、本文で実際に五木さんが訪ねた

各地のお寺などの写真が掲載されているのだが、

もうちょっと数を増やすべきではなかったか。

五木さんの文章が主眼の本ゆえ、

あまり写真には重きを置かれなかったのかもしれないが、

もうちょっと色々な写真も楽しみたかった。

それがやや玉にキズ。

●しかし、御年75歳になられるというのもかかわらず、

好奇心旺盛、行動力抜群の、驚嘆すべき作家さんである。

つくづく感心するのは、五木さんの、

売れ筋を事前に見極めているかのような、

大衆受けする本を量産されるセンスである。

村上龍さんも似たようなセンスを持ち合わせていると思うが、

まず存命の作家の中では、筆頭の実力の持ち主であろう。

本業の小説もノンフィクションも両刀で、

良質かつ売れる作品を常に生み出すことができる、

日本で希有な作家のひとりである。

 

【著者略歴】

五木 寛之
1932年
福岡県生まれ。『蒼ざめた馬を見よ』で第56回直木賞、『青春の門 筑豊篇』ほかで第10回吉川英治文学賞を受賞。81年より一時休筆して京都の龍谷大学に聴講生として通学。ニューヨークで刊行された英文版『TARIKI』が2001年度ブック・オブ・ザ・イヤー(スピリチュアル部門)に。2002年、菊池寛賞を受賞。2004年、仏教伝道文化賞を受賞。

  

posted by miura at 18:53| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(2) | 精神世界・不思議系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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