2007年08月03日

必読本 第436冊目 二宮尊徳一日一言―心を耕し、生を拓く

必読本 第436冊目

二宮尊徳.jpg

二宮尊徳一日一言―心を耕し、生を拓く

寺田 一清(編さん)

¥ 1,200 (税込)

致知出版社

単行本:213ページ

2007年8月10日 初版

 

●600以上の大名旗本家の財政再建および農村の復興事業に携わり、

「勤倹・分度・推譲」の思想を唱えた二宮尊徳。

その名言の数々を、「略解」付きで紹介する。

●最近、致知出版社は、「一日一言」本に力を入れている。

やはり、賢人哲人のエッセンスを効果的に吸収できるという

意味において、一般読者には非常に人気が高いし、

出版者的にも、相当の売上げを見込める、

ドル箱的存在なのであろう。

私もご多分に漏れず、「一日一話」本大好き人間で、

好きな作家のもの(中村天風、鍵山秀三郎など)は

事あるごとに読み返しております。

●そんな折、「一日一話」本の決定打とも

言える本が2冊同時に先月、出版された。

今回ご紹介する二宮尊徳と、その二宮翁を

終生愛して止まなかった、あの国民教育家、森信三氏の2冊である。

●二宮尊徳の名前を知らない方はまさかいないだろうが、

実際にその著書までじっくりと読んだ方は

よほどの勉強家以外いないだろう。

恥ずかしながら私も1冊も読んだことがなく、

その情けなさを埋めるべく、以前、二宮関連本を

急いで手にしたことがあったが、

(誇張ではなく)体に電流が走るような  

衝撃と感動を覚えたものである(必読本第281冊目参照)。

こんなすごい人だったのか、遅きに失したという

感想を持ったものだ。

●本書は、はじめに二宮翁の原文を載せ、

それに対して略解・注釈を寺田一清氏が

付けるという配置になっている。

色々な意見があろうかと思うが、

個人的には、寺田氏の解説を

前書きと後書きに配置し、原文の後方には

現代語訳を載せるだけの構成にした方が

随分とよかったかと思う。

各文末の寺田氏の解説はもちろん悪くはないが、

やはり現代人、特に若い人には、古文調の原文を

そのまま掲載されても、

すんなりと理解するのは困難である。

その点が実に惜しかった。

私が編集者だったら、絶対に私のプラン通りにしたと思う。

●しかし、その欠点を補って余りあるぐらいに、

二宮尊徳の教えは圧倒的な強固さと消えることのない輝きを持つ。

以前にも書いたと思うが、二宮翁は、

自ら鍬を担ぎ、種を蒔き、汗水たらして農業に力を注ぎ、

のみならず後年は、全国各地の財政再建、農地復興のために

尽力したという労働者、実業家、実践家としての側面と、

その日々の労働と不断の勉学の中から、

珠玉の教え、知恵、原理原則を数多く残したという、

啓発家、教育者、伝道者な面を両輪で

併せ持った、世界でも実に希有な存在なのである。

自分では大して体を動かさず、

ただ偉そうなことをベラベラと喋っている、

昨今の薄っぺらな「成功者」風情とは

月とスッポンの違いなのだ。

●本書冒頭で記されているように、

かつて、イギリスのサッチャー首相がひそかに二宮尊徳の教えを

自国の政治経済に活用し、強いイギリスを復活させたという

逸話まであるぐらい、他国の指導者や識者などからも

一目も二目も置かれる「日本の巨人」なのである。

サラッと一遍だけ読んだらおしまいにせず、

時間をかけて何度も読み込むに値する本だ。

約200年前に活躍された方だが、

全く色褪せておらず、現代人にも有用な内容ばかりで、

誰もが感嘆しないではいられない。

ハンディサイズで1,200円(税込み)という廉価もうれしいですね。


 

posted by miura at 12:32| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 自伝・一日一話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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