2007年08月21日

必読本 第453冊目 人物をつくる―真の経営者に求められるもの

必読本 第453冊目

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人物をつくる―真の経営者に求められるもの

北尾 吉孝(著)

¥ 1,470 (税込)

PHP研究所

単行本: 201ページ

2003年5月12日 初版

 

●単なる業務知識や専門知識が身につくという次元ではなく、

人物が育つような教育や研修が企業にも求められている。

金融業界のイノベーター集団はいかにして生まれたか。開物成務の人間学を解説。

●著者は、例のホリエモン騒動の時に、

正義の味方の登場よろしく、

ホワイトナイトとして颯爽と世間に現れた北尾吉孝氏である。

個人的には全く初めてその著書に触れる。

●前半は、人間として、いかに生きるべきか、

幹部社員や一般社員に向けて語った、

人間哲学的な講話部分である。

口語体の文章ゆえ、大変読みやすい仕上がりで、

内容の平易さもあって、肩がこらずにスイスイ読める。

後半部分と違って、素人を惑わすような金融用語、カタカナ用語が

一切出てこないので、誰もが一気に読めるはず。

●後半は、時事的要素を題材にしながら、

本業のファイナンス部門で、考えていくべき事柄を

訓話した内容。

こちらはやや経済用語、カタカナ用語が出てくるが、

第一流の経済人である北尾さんの、

モノの見方、経済の分析力の一端を垣間見ることができますので、

株式投資、会社経営をなさっている方々には

特に有用な部分かと思います。

●土曜も日曜も祝日も定刻もない

超激務の金融最前線にいるもかかわらず、

なぜこれほどまでに、

無数の歴史書、古典書の類に通じているのか。

その万巻の書に通暁している読書量、読書習慣に

なんと言っても驚かされる。

個人的に最も注目している市川善彦さんもそうだが、

やはり、世に秀でる人間の特徴として、

昨今人気のベストセラーよりも、何百年、何千年も

読み継がれてきた古典に最終的には立ち戻るということ、

そして、仕事がどんなに忙しくても、

人間形成、人格鍛錬する上での読書は絶対に欠かさないという

ことが言えそうである

(下記に、本文で推薦されている北尾さん愛読書を挙げておきます)。

●この本を一通り読みますと、

例の事件の結果、ホリエモンも

村上ファンドもひとたまりもなかったというのが

心から納得できますね。

単なる銭勘定だけしか頭にないヒルズ族系の守銭奴たちとは、

人間の器が一回りも二回りも違う。

「子供」と「大人」ぐらいの差である。

それをシミジミ痛感させた

(記憶している人は記憶しているはずだが、

村上氏は、例の辞職会見の際、

極めて軽い口調で、「辞めた後はボランティアでもしますか」みたいな、

真摯にやられている関係者を冒涜するかのような言葉を吐いていたが、

物心共に、慈善事業に並々ならぬ力を投入している北尾氏とは

雲泥の差である)。

●著者は、孫正義さんの右腕として、

脇役的存在、縁の下の力持ち的存在かと思い、

今までそんなに著書自体は重要視してこなかったのだが、

遅きに失した感は否めない。

『論語』などの中国古典好き、

日本の正統的な成功哲学本好きな方には

文句なく推薦できる方です。

●奇抜なことをあまり語らず、

極めて常識的、オーソドックス、手堅い論調には、

凡庸さを覚える方もいるかもしれないが、

余命いくばくもない死病に冒された父親との感動的な思い出話、

前述した、恵まれない子供たちへの献身的なボランティア活動など、

生き馬の目を抜く過酷な金融業界において、

実に情けに通じた好人物である。

著書に触れた後は、必ずファンになってしまうはずです。

他の本も入手後すぐに書評させていただくつもりですので

ご期待下さい。

 

【著者略歴】

北尾 吉孝
1951年、兵庫県生まれ。74年、慶応義塾大学経済学部卒業。同年、野村証券入社。78年、英国ケンブリッジ大学経済学部卒業。92年、野村証券事業法人三部長。95年、孫正義社長の招聘によりソフトバンクに入社。現在、ソフトバンク・ファイナンス代表取締役CEO、他20社の代表取締役を兼務する

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