2007年09月06日

必読本 第469冊目 編集者という病い

必読本 第469冊目

編集者という病.jpg

編集者という病い

見城 徹(著)

¥ 1,680 (税込)

太田出版

単行本: 299ページ

2007年2月17日 初版

 

●顰蹙は金を出してでも買え!

驚異的成長を続け、沈滞する文芸出版界に衝撃を与え続けている幻冬舎。

その総帥である著者が、半生の生き方と仕事を振り返り、

七転八倒と感動と苦悩の日々を惜しみなく書き綴った人生の書。

●「作家以上に有名な編集者」、「ベストセラー請負人」など、

あまたの称賛を浴び続ける、伝説の編集者の初の著書。

自分の本を出さないという禁を破り、

今まで各メディアで発言し続けてきた貴重な言葉の数々を

まとめ、ベストセラーの生み出し方、知られざる経歴など、

人間「見城徹」の全体像を余すところなく示す。

●まずこの本のなんと言っても

読みどころは、今は亡き尾崎豊との

悲喜こもごもの思い出を語ったくだりだろう。

実際に間近で接した者しか知りえない、

尾崎の真実の姿が実にリアルに活写されていて、

ファンならば絶対に必読である。

尾崎を語る上では一級の資料ともなるはず。

●他にも、同じく早世した中上健次、安井かずみ、山際淳司や、

人気作家の五木寛之、村上龍、石原慎太郎、坂本龍一などの、

我々一般読者には見せない、

裏の表情や素顔が人間味たっぷりに描写されている。

彼らのファンならばたまらないはずだ。

●この本で是非とも読み取ってほしいのは、

見城さんの、仕事上の関係を飛び越え、

あまたの人気作家と胸襟を開いて付き合えたその人柄、

そして書籍に対する、仕事に対する並々ならぬ情熱や行動力である

(例えば、見城氏は、仕事を依頼したい作家の作品は

最大限の努力を払い、すべて手元に集め、隈なく読破し、

1週間も時間をかけて、丁寧な依頼文をしたためるという。

五木さんの著書が出るごとに感想の手紙を

送付しつづけ、18通目で返事が来て、25通目で会うことが

でき、後年の大ベストセラー『大河の一滴』につながることとなる。

又、「幻冬舎」の名付け親ともなられたことも有名である)。

異分野の方であっても、人を口説く時にはどれぐらいの

エナジーが必要なのか、人からOKをもらう時には

どれほど信義を尽くさないといけないのか、

仕事を成功させるためにはどれほどのパワーが必要なのかが、

本書のそこここに示されているので、是非とも読み取ってほしい。

●それと、これから脱サラして起業を

考えている方にも本書はオススメである。

ただ、自分が本が好きだ、自分のすべてを投入した

出版社を立ち上げたいという夢、情熱だけで開始した

幻冬舎は、資金的な見通しなど確かなものでは

なかったのにもかかわらず、なぜこれほどまでに

回りの支援が集まるのか、スタートダッシュに成功し、

既存の大出版社を脅かすほどのムーブメントを起こすことに

成功したのか。

緻密な分析力、用意周到な戦略など、数多くのヒントが得られるはずだ。

●何も保証されていなかった勝ち目のない戦いを前にして、

一世一代の大勝負を打ち、見事に勝利した著者の

泥臭くも確固とした生き様は、爽快な読後感を与えてくれるはず。

天職に命を捧げた男の(仕事の話ばかりで、

家族のことがほとんど語られていないのも
いかにも著者らしい)

激動人生をたっぷりと堪能してほしい。

 

【著者略歴】

見城徹

1950年静岡県生まれ。慶應大学法学部卒業。幻冬舎代表取締役社長。

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Excerpt:  就職活動をするに当たって、普段は読まないような新書、業界本の類をいくらか読んだ。  創出版の『マスコミ就職読本』、宣伝会議の『出版界就職ガイド』は編集者志望のバイブルで、ダイヤモンド社の『会社図鑑..
Weblog: 気が付けば今日もキーパンチ
Tracked: 2007-09-10 02:01

編集者という病い/見城徹
Excerpt: 編集者という病い/見城徹 書き下ろしではなくコラムやインタビューの寄せ集めなので内容の重複が多いのが気になります。 ちょっとキザで大げさな表現が鼻につきます。 見城徹が大物の有名人を口説き落とし..
Weblog: 仮想本棚&電脳日記
Tracked: 2007-12-09 18:33
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