2007年09月28日

必読本 第488冊目 わたしと小鳥とすずと―金子みすゞ童謡集

必読本 第488冊目

金子みすず.jpg

わたしと小鳥とすずと―金子みすゞ童謡集

金子 みすゞ(著), 矢崎 節夫(編集)

¥ 1,260 (税込)

JULA出版局

単行本: 160ページ

1984年8月31日 初版




●親しみやすい選集、珠玉の60編。

『金子みすゞ全集』から60編を選び、旧仮名遣い・旧漢字を改め、

美しい装丁の小型本にまとめました。

初めてみすゞに出会う方におすすめの本です。

●数多くの本を読んでいると、

表題になっている「わたしと小鳥とすずと」の詩

を引用される著名人の方が結構いるのだが、

誰が書いた詩なのか不明で、ずっと気になっていた。

そんな折、色々調べてみたら、

金子みすゞという女流詩人の代表作で、

なんと明治末に生まれ、

大正期に活躍された、結構古い方だというではないか。

それに続き、古本屋さんをブラブラしていたら、

折りよく著者の本が発見できたので、

喜び勇んで購入し、本日早速読んでみることにしました。

●この本を読んで驚愕したのが、そのみずみずしい感性である。

汚れを知らない子供のように、

純真無垢で、なおかつユーモアセンスに溢れる

その目線には、誰もが魅了される。

極めて稀有なセンスの持ち主である。

●仮名遣いや旧字体は、現代風に改変されているのだが、

それにしても、大正期の人が書いた作品だとは

とても思えない。

現代人が書いた詩集だと言っても、

だれも疑問に思わないぐらい全く古臭くない。

一つ一つの言葉の選び方も、シンプルな形態も

何か郷愁的で、日本昔話を子供の頃

親から読み聞かせしてもらったような心地よさ、懐かしさも

感じさせる。

あえて挿画を控えめにしているのも良い。

読者の想像力を喚起させることに成功している。

●童謡詩人であることもあり、

幼稚園児や小学生の朗読書として

一も二もなく大推薦したい本です。

ほとんどひらがなで綴られており、

難しい漢字もほぼないので、ごく幼い子供さんでも

充分一人で読書可能です。

ごくごく小さいうちから、この本を

繰り返し音読させれば、親がどうこうせずとも、

「美しい日本語」は自然と身につくはず。

併せて、弱者を思いやる心や、芸術的なセンスも

我が子に授けることができる。

お孫さんや他人のお子さんへのプレゼントしても最適な1冊でしょう。

●昔の文筆家の中には、

芥川や太宰のように、創作上の行き詰まりや、

悲恋の果てに自害する者が多かったが、

著者も26歳にして自らの命を絶ってしまったようである。

その経緯は本書には記されていない。

これほどまでに素晴らしい詩を残した方なのに、

なぜそんなに死に方をしなくてはならないのだという

疑念は当然起こるが、

しかし、その不幸な末期と、著者が残した詩の輝きは

全く矛盾しない。

尾崎豊のように、「虎は死して皮を残す」のごとく、

その残した作品は永久に不滅である。

悲惨な末期には、あまり拘泥する必要はないと思う。

 

【著者略歴】

金子 みすゞ
1903年(明治36年)山口県長門市仙崎(当時大津郡仙崎村)生まれ。本名は金子テル。大正末期から昭和の初めにかけ、雑誌「童話」「赤い鳥」「金の星」に投稿し、西條八十に、「若き童謡詩人の中の巨星」と賞賛されながらも、26歳の若さでこの世を去る。

posted by miura at 18:34| 山形 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説・詩集・エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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