2007年10月26日

必読本 第512冊目 フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか

必読本 第512冊目

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フリーエージェント社会の到来―

「雇われない生き方」は何を変えるか

ダニエル ピンク(著), Daniel H. Pink(原著),

池村 千秋(翻訳), 玄田 有史(解説)

¥ 2,310 (税込)

ダイヤモンド社

単行本: 394ページ

2002年4月18日 初版


●フリーエージェントとは

「インターネットを使って自宅で一人で働き、

独立していると同時に社会と繋がっているビジネスマン」のこと。

彼らの実態を把握し、

それにともなう社会の変化を分析・予測する。

●この本で言うところの、「フリーエージェント」という

言葉は、もちろんプロ野球の「フリーエージェント宣言」の

それとは違い、多くの意味を包含する。

フリーランスで働かれているライター、テレビ番組制作者、

写真家などの有名どころはもちろん、

いわゆるフリーター、ネットを使って現金収入を得ているすべての人々、

ごくごく小さなお店を経営しているプチ経営者など、

「会社などに雇われていない」で生計を立てている

あらゆる人々を意味する。

●様々な企業、役所などの組織に所属して働いていると、

人間関係のストレス、自分の思うようにならない固定化された勤務時間

など、誰でも悩みは持っているものである。

毎月安定的な給料が支払われること、

又、ボーナスが年2度支給されること、

そして、将来退職金がもらえることなど、金銭的な見返りと

引き換えに、色々な悩みやストレスを耐え忍んで

みな働いているのが現状なのである。

●しかし、誰もが、一度は「こんな仕事やってられるか!」、

「こんな会社やめてやる!」と思った経験はあるはずである。

しかし、心の中ではそう思ったとしても、

退職した後の見通しはどうなるのか?

独立、起業しても一人でちゃんとやっていけるのかどうかという

不安感を誰もが抱えているものだ。

だから、いまだに会社勤めを続けざるを得ない。

●そういう考えを1度でも持ったことがある方々には

非常に参考になる本である。

参考になるだけではなく、

背中を後押ししてくれるような本だ。

日本は、「組織に所属せずば

(又は、正社員であらずば)人にあらず」みたいな

旧弊な全体主義がいまだに根強い国だが、

派遣社員やフリーターや

個人事業主で頑張っている方々にとっては、

実際的な知識や情報に溢れる本である。

自分たちの生き方は間違っていない、

これからのスタンダードになるのだという自信をも

確実に得られるはずです

(書き忘れましたが、今話題の本田直之さんの

処女作で推薦されている本でもあります)。

●又、これから独立を考えている方々にも

得るものが多い本だ。

日本では「起業」という言葉があまりにも頻繁に使われすぎていて、

私などは少しく違和感を感じるのだが、

大々的に会社を興すようなリスキーなことをしなくても、

小回りが効き、比較的リスクが少ない、

フリーエージェントという形で活躍されている人々が

アメリカには数多くいるのである。

突発的な独立をして後で失敗するよりも、

その一歩前の準備段階で、

このような形の働き方があるということを知っておくのも、

無駄なことではないだろう。

●400ページの分厚さに、

尻込みされる方も多いかと思うが、

時間を捻出して一度は目を通しておきたい白眉の書である。

ケータイやパソコンなどITツールを武器に、

個人がどのようなスタイルで働いていくのかを

未来分析するという意味において、

『フラット化する社会』(必読本第311冊目356冊目参照)と

共に是非ともおさえておきたい本だ

(仮に、1万円札1枚を本代に自由に充てることが

できる人がもしいるとすれば、

2,000円代のしっかりとした作りの

アメリカのビジネス本を惜しみなく4〜5冊購入して

精読すれば、相当に力がつくし、

本代の有効な使い方だと言えますね。

やはり、定価2,000円前後のビジネス本には、

ハズレは少ないです。

例・ビジョナリーカンパニー2、ドラッカーの本など)。



【マストポイント】

@「国家」や「組織」に庇護される生き方は急速に廃れつつある。

将来、どんな状況下であっても「個人」でやっていけるような

知識やスキルを今のうちに身に付けておこう。

A「金銭的成果ばかりがすべてじゃない」という考えを持つ層がある。

会社員という身分保証と引き換えに、

己の「魂」を売り渡すぐらいならば、

自由な時間、誰からも指図を受けない解放感など、

自分らしさを表現できる、「フリーエージェント」という

ワークスタイルを選択する人々が数多く存在する。

B仕事、住居、医療、政治、結婚、教育など

あらゆる分野において、ドラスティックな変化が生じている。

役に立たないシステムや制度はドンドン崩壊し、

実態に即した新しいものにドンドン変わっていく。

我々は「置いて」いかれないように、

常に時代の大局、趨勢を見抜く目を持たなくてはならない。

【著者略歴】

ダニエル・ピンク
1964年生まれ。ノースウェスタン大学卒業、エール大学ロースクールで法学博士号(J.D.)取得。米上院議員の経済政策担当補佐官を務めた後、クリントン政権下でロバート・ライシュ労働長官の補佐官房スピーチライター、1995年から97年までゴア副大統領の首席スピーチライター。フリーエージェント宣言後、ファストカンパニー誌やニューヨーク・タイムズ紙、ワシントン・ポスト紙をはじめとする様々なメディアにビジネス、経済、社会、テクノロジーに関する記事や論文を執筆。妻と娘2人とワシントンD.C.在住。

玄田 有史
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業。1992年、学習院大学専任講師、95年に同大学助教授、2000年より同大学教授。その間、ハーバード大学、オックスフォード大学などで客員研究員を務める。2002年4月より東京大学社会科学研究所助教授。専門は労働経済学。

池村 千秋
東京都生まれ。上智大学法学部卒業。書籍・雑誌などの翻訳に従事。



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