2007年10月31日

必読本 第517冊目 知識ゼロからの論語入門

必読本 第517冊目

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知識ゼロからの論語入門

谷沢 永一(著), 古谷 三敏(イラスト)

¥ 1,365 (税込)

幻冬舎

単行本:190ページ

2007年6月25日 初版




●正しい心に導く人間力をつける言葉、

人間の裏側を見抜く人付き合いの極意、

勇気と決断力を与える指導者の心構え…。

人間の生き方を教え訓す古典「論語」を、

漫画を交えてわかりやすく紹介する1冊。

●この手の本は、

めったなことでは購入したりはしないのだが、

私の愛読書の1冊である『論語』関係の本であることもあり、

パラパラめくってみたら、結構面白い作りの本であるが判明した。

今回はこの本を取り上げることにする。

●『論語』自体の文章は繰り返し愛読していても、

膨大な言葉の数々の相互関係性や、言外の意味や、

弟子との人間関係や、孔子の細かいプロフィールに関して、

イマイチ通じていない方は多いかと思う。

そんな方々にはピッタリの本である。

『論語』や孔子にまつわる裏話、マメ知識の類が、

非常に多く掲載されているからだ。

図表やイラストの類を豊富に採用し、

スッキリとまとめられているので、読みやすいことこの上ない。

『ダメおやじ』で有名な古谷さんのマンガも

いい味わいを醸し出しております。

●基本的には、『論語』の言葉を引き合いに出し、

それに谷沢さんが解説をつけていくような形で

進行していく。

『論語』の言葉自体は極めて簡単明瞭であることで

有名ですが、

それに対する訳文がちょっとくどくどしい感じがある。

もっとシンプルな訳にして、その分、

解説の方をじっくりと本文でやればよかったと感じた。

●ただ、全文は掲載されていないので、

岩波文庫なり講談社学術文庫なり『論語』本体を

きちんと買い求め、その参考本、注釈本的な

使い方をするのに適していると思う。

本書で扱われているのは、

論語の中でもとりわけ有名な言葉ばかりだが、

ほんの一握りだけしか掲載されていない。

他にも有名な言葉は多いので、この本だけで

『論語』の全貌を知り尽くしたと早合点してはいけない。

●見城徹氏率いる幻冬舎は、

機を見るに敏というか、金脈を掘り当てたというか、

本文をその道の権威に執筆してもらい、

イラストの方を有名マンガ家に描いてもらうという

面白い試みの速習本を続々と発売しているようである。

他にも、弘兼憲史さんなど、興味深い本もあるようなので、

ご自分で探してみて下さい。

 

【マストポイント】

@孔子ともあろう大賢人であっても、

我が子、孔鯉からは先に死なれ、

最愛の門弟、顔淵さえ、若くして失うという悲劇に遭う。

為政者になろうという志があったが、

その夢も結局果たせず、晩年は流浪の人生を送る。

聖人であっても人生はままならないものなのである。

A孔子はおそらくあらゆることを知り抜いていた

博覧強記の超人のごとき人物だったが、

言ってもムダな人、知ってはいても、

言うべきではないことには、努めて沈黙を貫いた

(死後の世界、神霊など)。

B孔子は幼くして両親を失い、大変貧しかったため、

農作業や家事など、

実に細々とした仕事に精を出した。

その時に、人間生活の機微をよく学んだと思われる。

世事に疎く、高遠な思想ばかり喋る学者気取りの人間だったら、

万民を信服させるほどの教えとはならなかっただろう。

【著者略歴】

谷沢永一

昭和4年大阪市生まれ。関西大学大学院修了。関西大学教授を経て現在名誉教授。日本近代文学および書誌学専攻。サントリー文学賞、大阪市民表彰文化功労賞、読売文学賞、毎日書評章。『いつ、何を読むか』(小社刊)『紙つぶて自作自注最終版』(文藝春秋)『人間通』(新潮社)『名言の智恵人生の智恵』(PHP研究所) 。

古谷 三敏

漫画家。1936年、旧満州生まれ。終戦とともに茨城県に移る。55年、少女マンガ『みかんの花さく丘』でデビュー。その後、手塚治虫氏、赤塚不二夫氏のアシスタントを経て、『ダメおやじ』を発表(第24回小学館漫画賞)。以後、『BARレモン・ハート』などのヒット作を次々と発表し、多くのファンを魅了している。

ラベル:論語 孔子
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