2007年11月08日

必読本 第523冊目 よみがえる商人道

必読本 第523冊目

商人道1.jpg

よみがえる商人道

藤本 義一(著)

¥ 1,260 (税込)

日刊工業新聞社

単行本: 206ページ

1998年5月26日 初版

 

●政府・政治・政策を信じないところにこそ、商人の意地と力が宿る…。

江戸商人の生きざまを今に伝える藤本商人道の決定版。

商人に常禄なし、立身に限りあり、早耳の早倒れ、

手代の仕損じ主の罪、先用後利、借金心得、商人の女房等。

●本書は、斎藤一人さんが推薦書として

挙げられたことで一躍有名になった本です。

最近では、本田直之さんの処女作でも、

ビジネスの原理原則本として推薦されている。

ずっと探していたのだが、

古本屋さんでもなぜか置かれている所を見かけず、

やっと先週見つけたので、今回はこの本を書評します。

●著者は、あの『11PM』などの司会でも

有名だった作家の藤本義一氏である。

現代の商売人にも役立つ、

往年の江戸商人、大坂商人の

商売のコツ、商売道の要諦を紹介していく内容となっている。

元は、商業系の新聞に連載されてあったものである。

●本文では、

井原西鶴の『世間胸算用』、『日本永代蔵』など
の文章を豊富に引用し、

著者が実際に見聞きしたエピソード(松井秀喜、

野村克也などの名前も見られる)も交え、

商売上注意すべき点や成功法則などを挙げていく。

1話2〜3ページほどの短いエッセイなので、

スイスイスイスイ読めます。

●本書の中では、特に、質屋商人だった父君と藤本氏の

やりとりがとても面白い。

名目的なことを嫌い、実利に徹したそのナニワ商人魂は、

がめつさの中にも何か物事の本質を見抜くような

したたかさ、ある種のバランス感覚を感じさせる。

『ナニワ金融道』、中谷彰宏さんに通じるものがありますね。

お金にだらしない人にはハッとさせられることが

多い本です。

●いっぱしの商売人ならば、

一度は目を通しておくべき基本書と言えるでしょう。

資金繰り、在庫管理、物の値付けの仕方、

接客、子弟の教育、相続問題などなど、

商売人であれば当然突き当たる各種の問題に対する

回答をそこかしこに見つけることが出来るはずです。

一人さんがいかにも好みそうな本で、

お弟子さんなどに推薦していたのも

納得の1冊です。



【マストポイント】


@「商人に常禄なし。稼ぐは一生のつとめ」

商売人には、公務員のように定収入はない。

牛のよだれのごとく、蟻の歩みのごとく、

常に努力、工夫を重ね、利潤を生み続ける。

A「有卦(け)頼むべからず、無卦愁うべからず」

いい占いだったからといって、信用してはならないし、

悪い占いだったからといって、退くこともない。

大阪から見て、鬼門である門真市に工場を建設することに

周囲から反対されても、松下幸之助はそんなことには耳を貸さず、

最終的には世界的メーカーとして大成功した。

斎藤一人さんも、鬼門だからこそ俺が行って良くしてやる、

厄年は飛躍する年だから気にすることはないなどと

迷信の類を一蹴している。

占いは所詮そんなもの。

又、占いは「売らない」に通じ、

本来金を要求する占い師はおかしいと思わなくてはならない。

法外な金を要求する八卦師はニセモノの可能性が

限りなく高い。

B「商は笑なり、商いは飽きない」

同音異義語で巧みに商売人の心意気を伝えた

江戸商人の諧謔精神、遊び心を

現代人も忘れたくないものだ。

厳しい商売の世界でも、笑いがあるから長続きする。

 

【著者略歴】

藤本 義一
1933年、大阪生まれ。大学在学中からラジオ・テレビドラマの脚本、舞台台本を手がけ、67年『つばくろの歌』で芸術祭戯曲部門の文部大臣賞を受賞。74年『鬼の詩』で第71回直木賞受賞。歴史、教育、文化、風俗など幅広い分野で執筆活動を行う。

posted by miura at 12:53| 山形 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。