2007年11月25日

必読本 第538冊目 老子 (図解雑学)

必読本 第538冊目

zukai rousi1.jpg

老子 (図解雑学)

蜂屋 邦夫(著)

¥ 1,470 (税込)

ナツメ社

単行本: 230ページ

2006年8月3日 初版

 

●「老子」には、ことわざや格言、逆説による真理の追究、

受動性や柔弱さの尊重、女性や赤子の理想化などが説かれており、

内容は複雑かつ豊富。

その多面性を伝統的な「老子」解釈から、

学説まで反映して解説する。

●ご存知のように、

「老子」には、反語的表現、逆説的表現が

大変多いことで有名である。

又、一読しただけでは意味が判然としない、

難解な言い回しが多いことでも知られる。

●よって、「老子」本体を読んでいても、

意味不明ですっ飛ばしてしまったり、

理解してないのに理解したつもりになっていたりなど、

満遍なく意を汲み取っていないことが

個人的にずっと気になってはいた。

本書は、そういう悩みを解決するために手にとった

参考書的意味合いの本である。

●本書は、以前、ユングの本(必読本第530冊目参照)でも

取り上げた同じ出版社の速習本シリーズです。

右ページに解説文を、左には

イラストなどの図表類を配置する。

「老子」本文を読んでいるだけでは理解しづらい所を

噛み砕いて解説してくれているので、

今までモヤモヤしていたことがかなり鮮明になる。

●この手の速習本というのは、

何か安直な感じがして、

ずっと好意的には思っていなかったのだが、

読んでみると意外にまとまりがよく、又、視覚的にも

イラストや図表を多用しているので、

漫画世代の若い読者にも抵抗が少ない。

短時間で、当該分野の知識を

ザッと覚えるにはかなり使える本のようだ。

●この本の中でオヤッと思ったのは、

最近発掘された最古の「老子」のテキストによれば、

世によく知られた「大器晩成」という言葉は

本来、「大器免成」の綴りが正解だったということ。

つまり、「大器は晩年になってから完成する」のではなく、

成ることを免れる、

つまり、「大器は最後まで出来上がらない」ということが

正しい意味だったというのだ

(「晩」と「免」では、字形としては、

日篇があるかないかだけの違いで、

確かに間違いやすい)。

この新しい学説は大変興味深い。

安易なもの、世俗的成功、自己顕示欲などを

ことごとく嫌った、いかにも老子らしい言い方である。

マメ知識として覚えておくとよいでしょう。


【マストポイント】

@「怨みに報いるに徳を持ってす」、

「天道は親(しん)無し、常に善人に与す」、

(天の道にえこひいきはなく、常に善人に味方する)

「夫れ惟だ争わず、故に天下能く之と争うは莫し」

(そもそも自分を立てて人と争わないから、

世界中に聖人と争うことが出来る人はいないのだ)。

「金持ちケンカせず」とはよく言われる言葉だが、

聖人も争いごとを好まない。

争いを避け続け、自分を下に下に置いておくようにするから、

逆に、最終的には、上の方に引き上げられるようになるし、

自分の目的も達することが出来る。

A「知る者は言わず、言う者は知らず」。

ベラベラと喋ってばかりいる饒舌な人間は

実際は何もわかっていない。

逆に、真の賢人は、ほんの一言二言、

ボソッと喋った言葉で、物事の本質をズバリと言い尽くす。

物知り顔で喋っても、自分より詳しい知識人が

世の中必ず存在する。

どっちしろ、余計なおしゃべりをしないで、

口を閉じている方が、無用な恥をかかず、

大過なく過ごせるということだ。

B「我に三宝あり、持して之を保つ、

一に曰く慈、二に曰く倹、三に曰く敢えて天下の先に為らず、と」。

「三つの宝」を常に抱いているから、

無事に生きることが出来る。

慈悲の心があるから、人から信頼されて逆に勇敢でいられる。

倹約の心があるから、いざと言う時に人に施しもできるし、

危急の時も、蓄えがあるのであわてふためくこともない。

でしゃばって人の先に立とうとしないから、逆に

人材をうまく登用して、首領となることができる。

この三宝がなければ、どんな人でも、

安泰に生きることはできない。

 

【著者略歴】

蜂屋 邦夫
1938年、東京都荒川区生まれ。東京大学教養学部卒業、東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。文学博士。東京大学東洋文化研究所教授を経て、大東文化大学国際関係学部教授、東京大学名誉教授。専門は中国思想史、道教思想史。

タグ:老子
posted by hiroyoshi at 17:38| 山形 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 自己啓発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/69103017

この記事へのトラックバック