2007年12月04日

必読本 第545冊目 人生の王道 西郷南洲の教えに学ぶ

必読本 第545冊目

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人生の王道 西郷南洲の教えに学ぶ

稲盛 和夫(著)

¥ 1,785 (税込)

日経BP社

行本: 264ページ

2007年10月25日 初版

 

かつて、とびきり美しく温かい心をもった、ひとりの上質な日本人がいた。

魂を揺さぶる西郷の思想と行動を、混迷の時代に蘇らせた渾身の1冊。

西郷の「遺訓」をもとに、経営者としての経験から、

また一人の人間として、七五年間の人生から、著者が学んだことを伝える。

●今や、日本を代表する名経営者として

名高い稲盛さんであるが、

大学卒業後せっかく就職した会社を辞め、

ないない尽くしの中で今の京セラを創業した当時は、

経営の「け」の字もわからないような

素人社長で、何から手を付けてよいのか

五里霧中のような状態で、毎日不安でたまらなかったという。

●そんな折、西郷隆盛の教えを伝承する会を

組織しているという山形県の地方銀行の元頭取の方から

「西郷翁遺訓」を贈られ、その内容に思うところあったのか

座右の書としてずっと愛読してきたのだという。

悩んだ時、苦しい時、腹が決まらない時には、

すぐにこの書に立ち戻り、

己の指針として生きてこられたのだという。

●言うまでもなく、鹿児島県出身の稲盛さんとしては、

地元の偉人西郷隆盛は、

子供の頃からずっと私淑してきたはずで、

やはり、何か奇妙な縁を感じ取ったのだろう。

京セラの社是「敬天愛人」は西郷が

頻繁に使った言葉として有名である。

●本書は、

その西郷翁の遺訓を引き合いに出しながら、

人としての生き方、経営のポイントなどを、

「無私」「大義」「希望」など、

テーマごとに全12章分語った内容となっている。

稲盛さんが味わった悲喜こもごもの

実体験を数多く絡めながら、西郷翁の教えを

懇切丁寧に解説してくれていて、とても理解しやすい。

二宮尊徳、吉田松陰ファンの方にも、テイストが似ているという

意味でオススメの本です。

●稲盛さんを代表する大ベストセラー

『生き方』(必読本第121冊目)に感銘を受けた方などには

文句なく読むべき本でしょう。

その本と同じぐらいに、本書の文章は軽妙洒脱で

非常に読みやすい。内容的にも関連性が深いです。

1,785円(税込み)で、260ページの重厚感溢れる本ですが、

内容は極めて平易ですので、

外観に臆することはありません。

巻末には西郷の略年表もしっかり記載されております。

●最後に余談だが、

「西郷翁遺訓」四十一箇条は、西郷没後、

薩摩から遠く離れた旧庄内藩、

つまり現山形県酒田市周辺の有志の手によって

編纂されたものである。

私自身、酒田市出身にもかかわらず、

そんな経緯で完成された書だとは、今の今まで知らなかった

(西郷隆盛と言えば、

上野の西郷さんの銅像ぐらいの知識しか正直ない)。

先月11月だったか、地元を代表する大ホールで、

稲盛さんの講演会が盛大に主催

されていたのだが、そのような縁があったからわざわざ

こんな田舎まで来られたのだなと、

今ごろになって気づいている有り様である

(諸事情で残念ながら私は行けなかった)。



【マストポイント】

@人を相手にせず、天を相手にせよ。天を相手にして、己を尽し

人を咎めず、我が誠の足らざるを尋ねべし。

(人を相手にしないで常に天を相手にするよう心がけよ。

天を相手にして自分の誠を尽くし、決して人の非を咎めるような

ことをせず、自分の真心の足らないことを反省せよ)(遺訓25条)

A命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、

始末に困るもの也。この始末に困る人ならでは、艱難を共にして

国家の大業は成し得られぬなり。

(命もいらぬ、名もいらぬ、官位もいらぬ、金もいらぬという

ような人は処理に困るものである。このような手に負えない大人物

でなければ、困難を一緒に分かち合い、国家の大きな仕事を

大成することはできない)(遺訓30条)

B稲盛さん提唱「6つの精進」

一、誰にも負けない努力を日々続ける。

二、謙虚にして驕らず。

三、反省のある毎日を送る。

四、生きていることに感謝する。

五、善行、利他行を積む。
 
六、感覚・感性を伴うような悩み、心配事はしない。


【著者紹介】

稲盛 和夫
1932年、鹿児島生まれ。鹿児島大学工学部
卒業。59年、京都セラミツク株式会社(現・京セラ)を設立。社長、会長を経て、97年より名誉会長。また、84年に第二電電(現・KDDI)を設立、会長に就任。2001年より最高顧問。84年には稲盛財団を設立し、「京都賞」を創設。毎年、人類社会の進歩発展に功績のあった人々を顕彰している。他に、若手経営者が集まる経営塾「盛和塾」の塾長として、経営者の育成にも心血を注ぐ。

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