必読本 第565冊目
ある広告人の告白[新版]
デイヴィッド・オグルヴィ(著), 山内 あゆ子(翻訳)
¥ 1,890 (税込)
海と月社
単行本:275ページ
2006年7月7日 初版
●「現代広告の父」による広告人のための教科書。
「売る広告」を作るための技術とは?
広告人はそれぞれの仕事の最先端でどう考え、
どう行動するべきか? 広告の基本的な考え方、戦略、テクニックが凝縮した一冊。
●世界14ヶ国で翻訳出版、100万部超の世界的名著!
世界中の広告人のみならず、
あらゆる産業界のビジネスパーソンに読み継がれてきたビジネス書の古典。
私自身、ずっとその存在自体知らなかったのだが、
最近、土井英司さんが推薦していたことを知り、
運良く古本屋さんで購入できたこともあり、
本日読んでみることにしました。
●著者は、スコットランド出身で、
世界各国を渡り歩いた後にアメリカに移民し、
37歳で、後に世界的広告会社となる
オグルヴィ&メイザー社を設立する。
本書は、著者の自伝的要素を色濃く絡めた、
広告業界で成功するための法則を記した本である。
●序文を書いたのは、なんと、
あの『ミッドナイト・エクスプレス』、『愛と哀しみの旅路』
などで名高い映画監督のアラン・パーカーである。
監督業をやる前の若手時代には、
コピーライターをしていたそうで、
そのころに本書をバイブルのごとく愛読していたとのこと。
●しかし、この豪放磊落というか、
歯に衣着せぬというか、ジョークや毒舌を多用し、
思うところをズバズバと言ってのける小気味良い文章は、
読んでいても実に心地よい。
ちょっと厚い本だが、読み始めたら止まらない面白さがある。
名訳に仕上げた翻訳者の方にも拍手を贈りたい。
偉人の伝記ものとして読んでも非常に面白いでしょう。
●本書は、広告業界の人間ならば、
まず読んでいなければモグリと言われても
仕方ない「教科書中の教科書」と言われる本で、
この1冊に成功するためのあらゆる要素が詰まっている
(広告代理店勤務の方ならば、ジェイ・エイブラハムやダン・S・ケネディ
などのダイレクトマーケティグ本や『電通鬼十則』なども
併せて必読書でしょう)。
のみならず、全く畑違いのビジネスマンにも強力にオススメしたい本である。
ハードワークの大切さ、顧客との付き合い方、人材登用の秘訣など、
仕事をする上で是非とも守りたい、
普遍的な原理原則が豊富に記されている白眉の書だからです。
●やや値が張る本だが、一生モノの価値がある。
マイナーな出版社であることもあり、
私のようにずっとその存在を知らなかった方も多いかと思うが、
ボロボロにするぐらい繰り返し愛読する意味がある、
真の名著です。
【マストポイント】
@ピーナッツしか撒かないようなところへ、
せいぜいやってくるのはサルぐらいなものだ
(払うべき経費はケチらずしっかりと払うこと、
優秀な社員にはしかるべき高給で報いること、
安売り競争は厳に慎むことなどを戒めた、
著者を代表する言葉)。
A自分が楽しくなければ、いい仕事などできない。
もしこの仕事が楽しくないのなら、頼むから他の仕事を
探してもらいたい。
スコットランドにこんな諺がある。
「生きているうちは楽しめ、死の時は長いのだから」
B家族に読ませたくないような広告は絶対に書くな。
愛する家族に顔向けできないようなことをしている
仕事で、いい結果が出るわけがない。
※あえて3つの名言を選んだが、本書には3つに厳選するのに
苦労するほど、他にも秀逸な名言格言非常に多し。
【著者略歴】
デイヴィッド・オグルヴィ
1911年、スコットランド人株式仲買人の5人兄弟の末っ子として、イギリスのウェスト・ホースリーに生まれる。エジンバラのフェテス・カレッジ、オックスフォードのクライスト・チャーチに学ぶが、学位取得を前に放校。これは人生において痛恨の失敗だったとオグルヴィは回想している。パリのホテル・マジェスティックの厨房でコック見習いをした後、スコットランドのアガクッカーズで家庭用コンロの訪問販売員を経て、1938年アメリカに移住、ジョージ・ギャラップ博士の視聴者調査研究所で副所長を務める。第二次世界大戦中は、英国安全保障調整局でサー・ウィリアム・スティーブンソンのスタッフとして働く。戦後、37歳でニューヨークを本社とする広告会社を設立、後に合併し、現在オグルヴィ&メイザーとして知られる国際的大手広告会社となる。1999年没。