2008年01月02日

必読本 第571冊目 「みんなの意見」は案外正しい

必読本 第571冊目

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「みんなの意見」は案外正しい

ジェームズ・スロウィッキー(著), 小高 尚子(著)

¥1,680(税込み)

角川書店

単行本:286ページ

2006年1月31日 初版



●交通渋滞の解消やテレビのクイズ番組、

株式市場、選挙予測からグーグルに至るまで、

幅広く興味深い逸話とケーススタディを繰り出して、

当代きってのコラムニストが全米の話題をさらった噂の本。

●今最も注目度が高い著者の一人、

勝間和代さんが推薦書として紹介していたこともあり、

図書館から借りて読んだ本。

ちなみに、勝間さんは、たしか、

「ちょっと背伸びして読んでみたい本」と、

やや高度な本と注意書きしていたことも付記しておく。

●アマゾンのレビューでも喧々諤々、

賛美と批判が相半ばする「問題書」のようである。

ひとえに、それは、やや長文で、なおかつ、

その専門的に振れ過ぎた文章のせいにある。

はっきり言って、初心者が気軽に読み飛ばせる本ではない。

いわゆる経済のプロが、それなりの知的レベルを

持つだろう読者を想定して書いた、やや硬質で難度の高い本。

(ついでに一言言っておきたいが、

プロフィールに著者や訳者の生年を書いていない本

というのは、本当に不親切なことだと常日頃から思っている。

全く初めて読む読者にとって、執筆者がその道何十年の

大権威なのか、新進気鋭の若手なのか、

年齢を見て判断材料としている人は非常に多い。

女性は何かと自分の年齢を気にするのは仕方ないとしても、

別に女性アイドルじゃないんだから、

ビジネス専門書で年齢を隠したって仕方ないだろう。

本書は著者も訳者も生年の記載がない。

訳者は女性なので意図的だろうが

(東大大学院卒→電通という

誰もが一目置く学歴&仕事歴だけは、

生年を秘しているにもかかわらず、

しっかりと明記されてあるのも、何かと不興を買うはず)、

著者だって本国に問い合わせればすぐに調べがつくだろう。

瑣末なことだが、そこだけは大いに不満)。

●群集心理、集団知の持つ功罪などを、

数多くのケースを例示しながら解き明かした、

かなりの労作。

「集団の意見の方が、個人よりもたいていの場合、

正しい」という著者の主張に

心理的抵抗感を感じない人はおそらくいないだろうが、

数多くの興味深いエピソードを読むだけでも

十分に勉強になる本

(類似書と言う意味で、

こちらこちらを併読しておくと、より理解が深くなる)。

本の作りとしては、章末にポイントがまとめられてあれば

より便利だったかなと思う。

●株式投資、マーケティング、ITなど、

未来予測的な要素がある仕事に従事されている方には

オススメの本である。

群集心理の何たるかを学ぶには一読の価値があります。

やや大部で、文庫本のように文字サイズが小さく、

読みこなすのは大変だが、

一度は通読しておいても損はないでしょう。


【マストポイント】

@優秀な意志決定者とさほど優秀ではない意志決定者が

混在している集団の方が、前者だけの集団よりも、

必ずと言ってよいほど、よい結果をもたらすことが多い。

つまり、最高峰の頭脳を持った同質集団は

予想と違って最高の結果をもたらすわけではないのみならず、

危険なケース、失敗をもたらすケースさえある。

どんな集団でも、異分子、劣性分子がいた方がよい。

Aよって、言えることは、各人が独立性、自立性を

保ちながら正当な意見を個別に主張しながらも、

常に全体の意見、大まかな趨勢もチェックしていくという

バランス感覚が大事だということだ。

B誰からの影響力も受けていない

個々人の英知、情報、知識などが集積し、

思いもよらない価値体系や新奇な創造物を生み出すことがある。

現代は、「船頭」が一人よりも、

「船頭」が多数いた方が無事に川を下ることができるし、

のみならず、思いもよらない未踏の別天地を発見できたりもする時代である

(例・2ちゃんねる、ウィキペディア、いわゆる都市伝説など)。



【著者略歴】

ジェームズ・スロウィッキー
「ニューヨーカー」金融ページのビジネスコラムニスト。「ニューヨークタイムズ」「アートフォーラム」「ワイアード」などでも幅広く活躍。ニューヨーク、ブルックリン在住。

小高 尚子
東京都生まれ。東京大学大学院修士課程修了後、株式会社電通総研入社。現在株式会社電通勤務。

posted by miura at 18:54| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | セールス・マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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