2008年01月08日

必読本 第577冊目 中国古典の知恵に学ぶ 菜根譚

必読本 第577冊目

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中国古典の知恵に学ぶ 菜根譚

洪自誠(著), 祐木 亜子(翻訳)

¥1,785(税込み)

ディスカヴァー・トゥエンティワン

単行本: 288ページ

2007年12月15日 初版



●人生にとって重要な原則を的確に表していると

高く評価されている処世訓『菜根譚』。

田中角栄、川上哲治、吉川英治など

著名人にも愛読者が多かった。

原点300項目以上の中から、

現代人に適していると思われる220項目を選び出し、翻訳する。

●中国近代の大傑作『菜根譚』を

1ページに一名言のシンプルな構成でまとめた本。

この出版社お得意の、

あまたの成功法則を1冊に網羅し、

それに相当する文章を、『菜根譚』の中から引っ張り上げてきて

完成したような本である。

よって、『菜根譚』の全文が掲載されている本ではないことには

注意を要します。

●中国の古典を読む時には、

原文、読み下し文、現代語訳、解説などが

一緒くたになっていて、

どうしても読みにくさを感じてしまうことが

少なくないが、

本書は1ページに、現代語訳だけを載せる

極めてシンプルな構成となっている。

よって読みやすさは最上で、困難なく一気に読破できます。

巻末には、原文と読み下し文が掲載されておりますが、

ほとんどの人は読まないでしょうから

あえて掲載する必要もなかったでしょう。

●しかし、バルタザール・グラシアンの

ベストセラー(必読本第495冊目参照)で味をしめたのか、

同時に発売された『アランの幸福論』(いずれご紹介します)と

ともに、かなり強気な価格である。

ちょっと厚みがあり、外観にも

それなりに力を入れたハードカバーなので

この価格になったのでしょうが、

1ページに名言ひとつの文章スカスカの本であることを鑑みると、

やはり、暴利のそしりは免れない。

1,470円(税込み)ぐらいが適正価格の本である。

●数年後の古本価格の暴落ぶりが目に浮かぶようである。

原著自体には全く問題ないのだが、

相変わらず、通の読書人には、

よくぞこれほどまで、同じ手法で、

名言集の類を連続して出せるものだなという印象を与える。

まあ、それがこの出版社の売りだし、

そういう本を喜んで買う人も数多くいるのだから、

文句を言う筋合いでもないのですが。


【マストポイント】

@「感謝を求めない」

何か報奨を期待してやる行為には、

イヤらしさが必ずある。

一方、何も報奨を期待しないでやった行為には、

崇高さがある。

自分がやった行為に対していちいち見返りを求めない。

きちんとやっている人のことは、誰かがしっかり見ているから、

焦らないでしっかりと善行を積むこと。

A「我を張らない」

俺が俺が、私が私が、と、いつも

自分のことばかり主張してくる人間は

まず間違いなく拒絶反応を抱かせる。

逆に、謙虚で聞き上手の人は、

万人から受け入れてもらえる。

B「世間の悪習に染まらない」

最近は、いわゆる「オバカ」芸能人が

テレビでブームだが、

それを真似して、実生活で本物のバカッぷりを

披露しても、まわりから冷笑されるだけである。

かつて流行した「ガングロ」でいる女の子は今存在するか?

悪いものはどこにいても悪い。

恥ずかしいものはいつの時代でも恥ずかしい。

一過性の世間のブームに踊らされないこと。

 

【著者略歴】

洪自誠(こう じせい)
明代の人。詳しい経歴は不明。儒教・仏教・道教を深く学び、互いに足りない部分を補って練り上げた人生訓の書が『菜根譚』である。


祐木亜子(ゆうき あこ)
山口県生まれ。東北大学経済学部卒。日本での4年間のOL経験を経て中国西安の大学に留学。その後、上海の法律事務所で翻訳・通訳業務に携わる。現在は中国関係の著作に関わる傍ら、日中関係及びコミュニケーションに関する講演活動を行う。著書に『となりの中国人』(小学館)などがある。


ラベル:菜根譚 洪自誠
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