2008年01月14日

必読本 第581冊目 村上ソングズ

必読本 第581冊目

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村上ソングズ

村上 春樹(著), 和田 誠(著)

¥2,310(税込み)

中央公論新社

単行本:179ページ

2007年12月10日 初版



●ポピュラーなあの曲、知る人ぞ知るこんな曲。

厖大なレコード・コレクションから村上さんが選び、

歌詞を訳して紹介するジャズ、スタンダード、ロックの名曲。

訳詞とエッセイに和田さんの絵も満載。

●村上さんが、誰もが一目も二目も置くぐらいに

洋楽に精通している、そして、

膨大なレコードの所蔵枚数を誇るということは

ファンならば誰も知っている事実である。

本書は、その無数のコレクションの中から、

特に村上さんが好きな曲、思い出に残っている曲を

ピックアップし、

村上さんが原詩に日本語訳をつけ、そして、

それにまつわるエッセイを載せるという本である。

イラストは和田誠さんが担当されている

(全29曲中、ラスト2曲だけは

和田さんが訳詩と解説を担当)。

●私のような邦楽好きの洋楽音痴には、

知らない曲、又は、名前は知っているがメロディが

出て来ない曲のオンパレードである。

村上さんの訳された詩は文句なく美しく、

それだけでもウットリとさせられるが、

やはり曲自身を聴かなければ、お話にならない。

それなりに年齢を重ねた大人ならば、

世界の名曲の知識も徐々に広げていかなければ

ダメですよということを痛感させられもする本。

●見落としがちだが、

本書のLPジャケット(一部CD)の写真は、資料用のものではなく、

村上さん所蔵のものをわざわざ撮影したものである。

つくづく昔のLPジャケットのセンスのよさには

感嘆させられます。

一枚の絵画を見ているかのような秀逸なものもあり、

現在と違い、昔のアーティストは、ジャケットにも

並々ならぬ心血を注いだのだなと改めて思い知らされます。

昨今の邦楽のアーティスト達も少しは見習って欲しいものです。

●箱入りで、全篇カラー印刷の絵本のため、

少々値が張るが、

隠れた名曲を知ることができるということと、

村上さんの音楽エッセイが面白いということと、

和田さんの画集を買ったと思えば、

全然安いと言えるだろう。

音楽ファンならば是非とも求める価値があるし、

洋楽好きのお友達へのプレゼントとしても最適でしょう。

●読み終わった後は、

この中で特に気になるアルバムを探しに、

TSUTAYAに行きたくなることはほぼ確実でしょう。

その帰りには、おそらく酒屋さんに行って、

ジャック・ダニエルとナッツ類あたりを購入することにもなるだろう。

テレビもパソコンも消して、

家でウィスキーをチビチビやりながら、

珠玉の名曲に浸るのも、大人の休日の過ごし方としては

たまにはオツなものです。



【マストポイント】

@「人生は厳しい有料道路

支払った額で、どこまでいけるかが決まるのさ」

(ブルー・モンク(修行はつらい)/アビー・リンカーン  

※本文歌詞より抜粋。以下同じ)

A「お母さんが何を持っていようと

  お父さんが何を持っていようと

  神が祝福するのは、自らの手で

  生きていく子供だ」

(自活する子供を神は祝福する/ビリー・ホリディ)

B「君の帽子のかぶり方

 君のお茶のすすり方

 そんな思い出のすべてを

 誰も僕からは奪えない」

(誰にも奪えない/アイラ・ガーシュイン、ジョージ・ガーシュイン)


【著者略歴】

村上春樹

1949年1月12日、京都府京都市生まれの兵庫県芦屋市育ち。住職の息子で国語教師でもある父と、大阪の商人の娘である母の間に生まれる。兵庫県立神戸高等学校卒業。早稲田一文に入学。その後演劇映像専修へ進む。大学在学中に陽子夫人と結婚。結婚後、国分寺市に転居し、大学に在学しながらジャズ喫茶を開業する。大学を7年かけて卒業後,閉店後の店で小説を書き、1979年『風の唄を聴け』で群像新人文学賞を受賞しデビュー。1981年には作家専業で生きていく決意を固め、ジャズ喫茶を廃業した。全共闘世代、団塊の世代を代表する作家であるが、政治活動にかかわることを避け、全共闘運動からは遠く距離を置いている様子が、作品の端々からうかがわれる。1987年『ノルウェイの森』が、空前の大ベストセラーとなり、一般的にも認知される。その後、出せば必ず売れる作家の1人に数えられるようになった。作品は韓国、米国、台湾などでも絶大な人気があり、1980年代以降の日本文学、現代文学を代表する最も評価の高い文学者の1人である。

和田 誠

1936年生まれ。イラストレーター、グラフィックデザイナー。著書は『ねこのシジミ』『パイがいっぱい』ほか多数。2006年、絵本『どんなかんじかなあ』(中山千夏・文)で第11回日本絵本賞を受賞。文春漫画賞、講談社出版文化賞さしえ賞、毎日デザイン賞、菊池寛賞ほか多数受賞。1977年より「週刊文春」の表紙を担当。

ラベル:村上春樹 和田誠
posted by miura at 12:45| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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